藤石波矢のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
コミカルなのにスリリングな展開の連続で、頁を捲る手が止まらなかった。
“少し痛い目を見ればいい”程度の気持ちが、最終的には殺意を持って罠を仕掛け合う程の憎しみに変わる。
一つ屋根の下で繰り広げられる夫と妻の応酬に慄く反面、その回避能力の高さには思わず笑ってしまった。
本来はシリアスな場面のはずなのに、なんでか毎回笑えるんだよねえ。
やってる事が平凡な夫婦のそれじゃないからかも。
いくらなんでもこの二人、優秀すぎるもんな。
というか著者二人の競作っていうのが面白い。
罠を仕掛ける人間と回避策を捻り出す人間が違うので、この先どう転ぶのか予測できないところが楽しい。 -
Posted by ブクログ
いやー完結巻だけに怒涛。ひたすらに怒涛。
今まで隠されていた秘密が一気に明かされるわ真の黒幕も明かされるわアクションシーンもあるわ感動シーンもあるわ。
とにかく怒涛の展開だった。
これは多分今までの登場人物総出演だったのでは?
私の大好きな神田さんも緋邑さんも出てきて大活躍してくれたしもうそこだけで個人的に大満足でしたー!
あと緋邑さんと栗田所長のあのお酒のくだりね、あれはちょっともう大人の世界でしたね、お洒落……!
最初にこのシリーズ読み始めた時は正直「このノリで続くんだろうか、最後まで読み切れるだろうか、大丈夫なんだろうか」と不安しか抱えてなかったのですが、後半になってきて徐々にバラバラ -
Posted by ブクログ
うわー神田さん!神田さんがめちゃくちゃ好きだー!
ていうのが読み終わってすぐの感想なんですけども、今回の話は「フェイクニュース」と「正義感」が共通点だったんですかね。
巧妙に作られた嘘は例え嘘だったとしても伝え方次第で嘘が真実になってしまう……何が本当なのか今の世の中で見極めるのはとても難しいことだったりする。
だからこそそれを見抜ける力、そしてそれを正しく忖度なく報道する正義がより必要になるのかなぁと。
最近世間を賑わせたニュースなんかと妙にリンクしてしまって、これはもう創作の中だけの話ではないなぁと深く考えさせられました。
それはそれとしてこの巻から登場の神田さんのスピンオフがとにかく -
Posted by ブクログ
サラリーマンの光弘と専業主婦の咲奈は、だれもが羨む幸せな夫婦。だがある日、気づいてしまった。光弘は咲奈の不貞に、咲奈は光弘の裏切りに。
その日から、彼らは良い夫婦の仮面をかぶったまま、互いの殺害を計画し始める。
『今からあなたを脅迫します』シリーズなどが代表作の藤石波矢さんと、『いなくなった私へ』などの辻堂ゆめさんの共著で、夫パートが藤石さん、妻パートを辻堂さんが書いています。
共著の小説というと、著者が変わる際に違和感を覚えて没入感が覚めてしまうことがよくあるのですが、この本はそういったこともなく、自然な文章で楽しめました。
あとがきを読むに、自分の書くパートで相手を殺すトリックを仕掛け