岩本正恵のレビュー一覧
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ウィリアム・プルーイット(1922-2009)。原著は1967年刊。原題は“Animals of the North”。
登場するのは、オオカミ、ノウサギ、オオヤマネコ、ハタネズミ、アカリス、ムース、ヤチネズミ、イタチ、カリブーなど、おもに内陸の哺乳類。鳥類はわずか、海棲哺乳類は登場しない。
星野道夫がエッセイ集のタイトルにしている「旅をする木」は、本書冒頭の章。詩的に描かれたトウヒの一生。この章だけでなく、動物と植物の関わりは本書全体を貫く。そしてそこで暮らす人たちのことも書かれている。フィールド・バイオロジストの面目躍如と言うべきか。
出版年の1967年は、プルーイットがアラスカの核実験場計画問題でアメリカを追われ、カナダに身を落ち着けた頃。それに60年代はカーソンの『沈黙の春』が端緒となったエコロジカル・ムーブメントのさなか。そうした時代の一冊として読むこともできる。もちろん、『シートンの動物記』のプルーイット版として読むことも可能。そして星野道夫の愛読書としても。 -
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裏表紙から 「最高に素敵なハッピーエンドが待ち受ける、エバーグリーンな名作。」
このエバーグリーンがとても気に入った、この話によく似合う言葉。
谷崎や三島には使いづらいけど。
その通り。みんな知っているエバーグリーンな話。
ただ拾った幸せでなく、一つの稀に恵まれたチャンス、それをきっかけにして掴んだ幸せな生活が快い。
苦労はしたけど、知らなかっただけで彼女の父は大富豪でした・・・小公女
男の子が欲しかった老夫婦は、間違って来たおしゃべりな女の子が気に入り深く愛するようになるのです。その子「アン」は夢見がちなおとめ時代を過ぎ愛する人を見つけ、家庭を築き、人生の苦楽を乗り越えていくのです・・・赤毛のアン
孝行娘は野獣の元に嫁ぎ、彼の悲しい過去を知って愛するようになるのですが、屈折した彼も実は心の美しい王子だったのです・・・美女と野獣
優しいお母さんの下で四人姉妹は大人になり巣立っていった。読者贔屓のジョーはニューヨークで独り立ちの苦労の末作家になった・・・若草物語
少女時代の夢をはぐくんでくれたお話はもっともっとたくさんある。
でも「あしながおじさん」の話は特に素敵だ。
こんなお話を読みながら、ありえないけれど、万に一つ身近にいないものだろうか「あしながおじさん」。
とチラッと思ったことはないだろうか。
それで読んでみた。
新潮文庫を見ていても気に留めなかった一冊だけれど、♯キュンタ大作戦2019に引っかかってめでたく読みなおした。
子供ながら相当気に入っていたらしいあまり間違って覚えてなかった。孤児院で育ったジェルーシャは成績がよく特別に高校に行かせて貰っている。
卒業の時期が来て進路を決めなくてはいけなくなる。そこに孤児院の後援をしている篤志家が大学の学費をだしてくれることになる。
「独創性」が気に入ったという。孤児院の憂鬱を遠慮会釈なく書いた作文が気に入ったのだ。
将来作家になる勉強をすること。一か月に一通秘書宛てに報告がてら手紙を書く、そんな願ってもない条件だが。
ジョン・スミス氏はいただけない「あしながおじさん」にするわ。
あなたの後姿は背が高く壁に写った影は細く長かった。あなたはおじいさん?デブ?髪薄い?ハゲ?
尋ねても答えは来ないけれど。・
前向きなジェルーシャは大学生活を楽しみ、苦手な科目に苦しみ、休暇では旧家のお嬢さんの館に招かれ、縁のなかった外の文化にも馴染んでいく。
秘書宛てに書く手紙は時には長く長く、宛名のジョン・スミスさんあなたはいったい誰?としきりに訊いてみる。もちろん返事はない。
友達の兄と仲良くなるあたりで、ジョン・スミス氏、、ついに顔を出さないではいられない。
彼女は賢く美しく育っていく。休暇を過ごす牧場の持ち主として「おじさん」は少しずつジェルーシャの暮らしに加わり、変わり者の汚名を返上する。
ここからはさすがにエバーグリーン、紫の上式の育てる楽しみを持つ坊ちゃんの常套恋愛であっても爽やかに鮮やかに読むのが楽しい。
ジェルーシャの自立した生き方や、大学生活の生き生きとした描写で作者がしのばれ彩を添えていた。自然描写も生きていて深呼吸をしたくなるやはり面白かった。 -
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ピンクの表紙が可愛くて思わず買って、久々に読んだら、記憶にある印象と少しずれていて。新訳(岩本正恵さん)のせいだった。前の訳も当然良いんだけれど、より今どきというか。最初はちょっと慣れなかったけど、すいすい読みやすいし(文字も大きい)、ジュディもイキイキとして可愛かった。読み手が年取った分、孤児であることへの葛藤、卑屈さ、何よりも家族に対する渇望が胸に迫ってきて切なかった。あしながおじさんは、それをちゃんと分かっているんだろうか、若い男性に嫉妬しているばかりじゃダメだぞ、と余計なツッコミを心の中でしてしまいました。「続・あしながおじさん」も大好きなので、また新訳を読んでみよう。
訳者の岩本正恵さん、残念ながらお亡くなりになったそうだ。この本が最後の仕事だったらしい。続編は、また違う人の訳になるみたい。 -
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子どものころに1番好きで、そして今でも大好きな本
今まで内容を簡略化した児童書バージョンと、通常の全訳の2パターンをすでに読んでいたけど、たまたま書店で見かけて表紙の可愛らしさと同じ作品でも違う訳者だと印象がどのように変わるかが気になって購入。
こちらのものは私が読んだことのある坪井さんの訳のものと比べるとより現代的かつ若者っぽいというか親しみやすい文章で書かれていて、あまり読書に慣れていない人でもより読みやすくなっているように感じた。
何回読んでもこの本は大好き!
子どもの頃はジュディに憧れて海外の女子大に行きたいと思ってたなあ。舞台となった学校はすでに共学になっているようなので夢叶わず。
大人になって改めて読むとお姉さんという印象だったジュディが自分より歳下の状態になるので、より可愛らしいし頑張ってる姿を見て応援したくなる。
ストーリーの展開はご都合主義的な部分もあるかもしれないけど、物語の本筋よりも当時の女子大生の生活やあしながおじさんにジュディが送ったユーモラスな手紙の数々が好きなので、相変わらず最後まで楽しく読めた。 -
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この作品は「ジュディがあしながおじさんに送った手紙」のみで構成されているため、あしながおじさんになった気持ちで読み進めていた。そのためラストであしながおじさんの正体がわかった時、呪いがキラキラと溶けていくみたいに自分と重ねていた頭の中のジョン・スミスが本当の姿を現したのでとても面白くこれが所謂ミスリードというやつかとワクワク出来た。
これが第三者視点で物語が進んでいく作品だったらラストにここまでまで驚きはしなかっただろう。それはこの作品においての私の視線が「神の視点」ではなくジュディからお手紙をもらう「あしながおじさんの視点」であるからだと私は思う。
18歳の女の子にずっと感謝されながらお手紙をもらう擬似体験が出来るがお触りはNGなので要注意。 -
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作品自体は知っていたけど、読もうか悩みつつずっと触れた事のなかったあしながおじさん。
新潮文庫の100冊として本屋さんで展開されていて、ピンク色の可愛い表紙に目が止まり読んでみることに。
結果、大好きな一冊になった。
何で今まで読まなかったんだろう!
大人になるにつれて、昔は大好きだった海外文学を読みづらく感じることも多くて寂しく思っていたけれど、そんなこともなく。
ユーモアたっぷりのジュディの手紙にくすくす笑いながら、時には同じようにわくわくしながら楽しく読めた。
ジュディが世間のことや学校で学んだ事をぐんぐん吸収していく姿がとても眩しく、嬉しい気持ちに。
子供の頃に出会いたかったな、とも思うけど、子供の頃と同じようなわくわくを今感じる事ができるのもとても楽しいし、嬉しい。
途中の挿絵も大好き!
朝の読書時間に読み終わったのだけど、とびきり素敵なハッピーエンドに、朝からとっても明るい気持ち。
また、大好き!と思える海外文学に出会えて嬉しい。 -
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ネタバレ私も、星野道夫の愛読書ときいててにとったひとりである。トウヒ、アカリス、ハタネズミ。ノウサギ、オオヤマネコ、オオカミ、カリブー、ムース、ムースの民。極北独特の生態系を、緻密な眼で観察しつづけた結果のーー研究者である著者のまさにその集大成が、生き生きと描き出されてある。いきものたちのやりとりであるから、どきりとするようなシーンももちろんある。ネズミがイタチに頭をかみ砕かれるとか。けれどそれはいきものの、極北という環境に合わせて培われた生き方で。さらに、その草木たち雪たちと途方もないときを共存してきたかれらに対し、南部の侵入者たちが行った破壊にくらべられるような蛮行ではありえない。
著者は核開発実験プロジェクトに反対して大学を追われた経験だにある、気骨の、観察と伝達に秀でた方だったとある。
私たちはこの本を読む、良い本だと思う。しかしそれをどれだけつづけて忘れず、放置すれば自然破壊に加担しやがてはみずからに返ってくるものとして受け止められるだろうか。 -
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星野道夫の愛読書だったと知り読んでみた。
第1章「旅をする木」は星野道夫のエッセイのタイトルにもなっている。
一粒のトウヒの種子が大木となり氷や川にもまれながら長い年月をかけて朽ちるまでを描いた物語は、極北の壮大な自然やゆっくり流れている時間の流れを感じさせる。
ハタネズミ、オオカミ、ムース、ノウサギ、オオヤマネコ、カリブーなどの極北の動物たちが登場する。
それぞれの物語は動物の目線から描かれており、動物学者ならではの綿密な観察に裏付けられた、動物たちの描写が新鮮で面白い。
寒い冬に雪の中でぬくぬく過ごす時間、嗅覚や聴力を働かせて察知する危険、生きるために獲物を狙う緊張感、繁殖の時期には雄同士でぶつかり合うエネルギーなど…この読書時間は人間の視点を離れられる貴重な経験だった。
著者は極北の生態系のもろさを訴えており、自然を征服するべきものと考え破壊してしまった開拓者や政治を批判している。文化は生態学に基づいて生存してゆくべきだという主張は、自然と人間が共存していく社会を目指し始めた現代の原点となる考え方だと思った。 -
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ネタバレおじさん目線で主人公の様子を見届けるという珍しい本でしたが面白かったです。
この小説でジャービスさん、あしながおじさんがもっと白髪で年取ってる紳士かと思ったらアニメみたらかなりハンサムな男性出てきたのには当時びっくりしたしちょっと笑いました笑
おじさんから何も手紙の返事がないからこそ、主人公の独り言というか。それで一人で勝手に怒ってたりしてるのはウケました。笑
ジャービスさんがおじさんの正体なんじゃないかとは勘付いてたけど段々と読んでいくうちにあんたやんかーってなったし、予想してたよりも優しい正体の明かし方で心温まる話でした。