岩本正恵のレビュー一覧
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ネタバレ自分がしあわせであることがわからない女の子を、わたしは大勢知っています(たとえばジュリアがそうです)。
彼女たちはしあわせであることに慣れきって、しあわせに対して感覚が麻痺しています。
けれどもわたしはー生きてる瞬間すべてで、自分はしあわせだと完全に確信してしています。
そしてどんなに不愉快なことが起ころうと、ずっとしあわせでいつづけます。
不愉快なことは(歯痛でさえ)興味深い経験ととらえて、どんな感じかわかってうれしいと思うことにします。
バイロンのいうように「どんな空がわたしの上にあろうと、わたしはいかな?運命でも受け入れる覚悟がある」のです。
この文書がとても気に入りました。
孤児院で育った女の子のシンデレラストーリー -
購入済み
角川文庫版を持ってましたが、所有スペース事情で処分し久しぶりに読みたくなったのと、先にウェブスター著のおちゃめなパッティを新潮文庫で購入したので同一社で揃えました。
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Posted by ブクログ
私は電車もコンビニもないド田舎で生まれ育ったので、進学当初の世間知らずさ・焦燥感は痛いほどわかる。(苦い思い出…。)
想像力がテーマの一つに思った。
ジュディも言ってたけど、なんでもかんでも与えられると感覚が麻痺してしまう。
あしながおじさんがなかなか正体を明かさないのも、作家となるべく励むジュディの想像力を奪わないのに一役買っている。
とすると、現代のスマホ一つでなんでも調べられちゃうのって、一時的な知識の詰め込みには良いかもしれないけど、実は人間の内面的成長にとっては非常に貧しい行為なんじゃなかろうか。
進学を機に孤児院の外を知ったジュディは、勉強して、本を読み、書いて、遊んで、働いて、恋をして、時に失敗しながら世界との接点を増やしていく。
体験を伴った成長ぶりがすごく健全で、気持ちの良い一冊だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ星5にしたかった⋯。ジュディの「おじさまは禿げていますか?」のしつこさや、質問はもう金輪際しないと書いてからの次の行の質問など、ふふっと笑えるユーモアが良かった。絵が下手くそなのも好き。
なのに、やっぱそうだよね。あしながおじさんキモすぎるよね。ジュディが楽しみにしていたサリーの家に行くことを頑なに許さなかったところからキモさの片鱗が出てきた。理由を言わずに束縛するのは最低。サリーの兄のジミーに取られたくなかったからだと思っちゃうけど?
最初はジュディに言われてちゃっかり会いに行くことに可愛らしさを感じたけど、相手には知らせずフェアじゃない。
そもそも、女の子が嫌いだと言うのになぜジュディにだけお金を出したのか、なぜその見返りが毎月手紙を書くことなのか、なぜ自分のことを隠すのか、謎に包まれている。結末を知ると、やっぱり14歳も年下のジュディに好意を持っていたからという卑下的思考が理由ではと思ってしまう。好きになってほしいけど、お金を出している評議員だとバレれば好意的に見られないとでも思ったのだろうか、とか。
ジュディの良さについてだけ書くつもりだったのに、なぜ同じ女性でありながらこんなキモ男を作り上げちゃったのウェブスターさん!ジュディが喜んでるから無理やりハッピーエンドになるけど、まだ子供の孤児院の女の子に目をつけ、金を出していることを良いことに相手の意見を捻じ曲げ自分の思い通りにし、プロフィール詐欺をして本人に何度も会いに行っているのは、純粋とは捉えられません。
これを幸せな結婚エンドと思える人は、よほど古い人間か、男に洗脳された成れの果てです。感想を見ていると、女性がキュンを感じてて、男がストーカーと捉えてて、逆だと思ってたので意外。
もうほんと、ジュディめっちゃ良かっただけに惜しい⋯! -
Posted by ブクログ
前回福音館の坪井郁美さん訳で読んだのだけど、読書会を機にこちらの訳を。
まず、表紙がかわいいです。
手紙の中に添えられていた、ジュディが(作者が)描いたイラストたちが、絶妙なデザインで使われています。
前回読んだ時はそこまで感動していなかったはず。
児童文学的だが、深刻さはないと。
しかし今回はとても肯定的に読むことができました。以下読書会のメンバーの感想もよ含めて。
・物語としては単調だけど、かわいらしく、魅力的なジュディの手紙は読むのが楽しい。
・シンデレラストーリーと言ってしまえば それまでだが、ジュディが努力しているから、応援したくなる(少しくらいお洋服買ってもいいかと思える)
・孤児院のことをあんなに恥ずかしく呪わしく思っていた子が、最後は愛情さえ持ち、どうやら続編に繋がりそう。
・哲学的で社会派な女の子に成長させた実りある大学の日々は眩しいほど。
今回の私は『ハムレット』の舞台をジュディにプレゼントしてくれたジャービーさんに惚れました。
あんなに楽しそうな手紙読まされたら、嬉しそうな顔を見たくなるわな、ジャービー氏。
岩本訳では、前回坪井訳で読んだ謎の"犬猫降り" が、ちゃんと"土砂降り" キャッツ&ドッグズとルビがふってあり、しっくり来ました。
~ですの。みたいなくすぐったい口調がなかったのも読みやすさを助けていたかもしれません。
それに…まるで福音書のようなアンクルトムの小屋を読んだ後でしたので、神様という存在に頼らないジュディは頼もしく見えたりもしました。
彼女の名言
「寒さと霜を受けると少ししおれてしまいますが、太陽が輝けばぐんぐん成長します…苦労と悲しみと落胆が精神力を鍛えるという説には賛成しません。親切な心にあふれているのは、しあわせな人たちです。人間嫌いは信用できません。」
翻訳者の畔柳和代さんによる解説にこんなふうに書かれています。ウェブスターの書いた他の作品の主人公と比べてのことですが、
「社会の一員となる過程で、持ち前の観察眼と批評精神とユーモアをもって、仕事や幸福、お金や人生、自分が考える違和感について書く…異文化について報告する記者のようでもある。」
そうなのです、批評的な精神にもユーモアがあるから彼女は魅力的なんですよねー。
とこんなふうに、2年前に読んだばかりだと言うのに、まるで初めて読んだかのように楽しい時間を過ごしました。 -
Posted by ブクログ
"Animals of the North" by William O. Pruitt. Jr. 1960
岩本正恵・訳
しみじみと読める、良い本です。
日本語訳の文庫で発売されたので、入手。
以前テキストで使ったことがあるけど、そんなにメジャーな本でもなかった記憶が。
とても簡単で初級クラスのテキストで使えます。その上に、わからん単語もちゃんと出てきてくれるので、わからない言葉を前後で意味を類推する練習にもとても良い。
ともかく、本書、1960年代の書ではあるので、一昔前の文学ではあるので、若い子には古臭い文体かもしれんが、帯の煽りで古典というには新しすぎるかねぇ。
アラスカからマニトバのあたりのタイガの話ではあるが、私自身かなり長いこと大陸性気候の寒い地方、所謂アークティックエリアにちかいところで暮らしていたので、似た景色や状況が多く、色々と懐かしい記憶が思い出される。
”ある日、冷えこみがゆるんだ。冷酷に晴れわたった空を雲が和らげ、雪が降りだした。”
これです。寒いところは、寒すぎて雲ができない、雲ができないと空から水分はおりてこない。
新潟は雪がたくさん降るが、寒くないから雪が降る。という感覚を、なかなか理解してもらえないことが多い。それと、この私の和歌山弁が「南国の人」という先入観を植え付けるようで、いつも、「新潟は寒いから大変」とか、寒さに対する心構え的なのを、よく延々と教えてくれる親切な方もいらっしゃるが、とても申し訳なく思う。私、和歌山で過ごした時間と、冷国での生活がほぼ同じぐらい。いや、和歌山の野生幼少時は、なんも考えてないし、自分で生活をしていないので、さっぴいてもいい。自立してからは、ほぼ全部寒い国で過ごしているので、寒いほうが長いです。
そんなことはさておき、イヌイットのエコロジカルコミュニティーな哲学的な考え方は日本人には、とても肌になじむというか、理解しやすい。
ー北米大陸は白人たちに侵略され、「野の野獣すべてを支配する」ユダヤ=キリスト教の考えで、多くの有機体と環境に破滅をもたらしていったというのが、認められたのはごく最近になってからだ。ー
本書が書かれたのは、ようやく環境について白人が「人間も自然の一員」という考え方を一部の人が認めるようになってきた頃ではあるが、家畜に害をなす「野生生物管理」に一般的に毒物が使われるようになりはじめたころで、この頃のエコノミー優先のツケが今もなお、支払い続けることになっていたり、いまだに自然の環が破壊しつづけられていたり。
北アメリカ大陸のタイガは保護されているエリアも多いが、最近でもレアメタルや銅の発掘するしないをめぐって、地元の自然保護団体や環境団体といつも揉めている。本書からはズレていくが、今トピックの口シアやその南部の地域では、中X企業がタイガの土地やその土地の自然財産(主に材木)を二束三文で買いたたき、片っ端から伐採していくのがようやく問題にされはじめている。国で保護されていない地域では、生えている木はもちろんその土地の所有者のものなので、木を売り払うのを止める法律がないのが問題なのだそうだ。伐採したことにより、生態系が破壊されたり、水害など災害が発生しはじめているらしい。ただ、あまりに人間の数が少ない地域であることや、報道規制のためにいまのところ問題としてなかなか取り上げられないというのが、某バイカル湖付近に住む友人の言。
100年後の私たちの後輩が、どれだけの絶滅生物を嘆くのか、、