杉本章子のレビュー一覧

  • カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦

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    カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦
    by 杉本章子、深井国
    「同じ組内と申すが、話をおまえといっしょにしてはならぬ。おまえはお扶持の多い家へ嫁ぎ、由乃殿はその逆なのじゃ。そこのところを忘れるな」

    縁談の相手は、お徒衆 大竹 理 左衛門 の次女由乃で、今年二十四という。だいぶ 薹 が立っているのは、二十で嫁ぐはずだった 許婚 が婚礼の半年前に急死したからだそうだ。

    許婚の死に 様 は、由乃にも影を落とした。以来かんばしい縁談もなく、たまに良縁と思われる話がきても、後妻の口だったり、相手が四十男だったりした。  由乃の下には妹がいて、その娘も 嫁 けなければならず、親は焦りに焦っていたところへ

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    2024年09月02日
  • 起き姫 口入れ屋のおんな

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    口入れ屋は ただ紹介するだけではなく
    人と人をつなぐ仕事だとして
    懸命にそれぞれの行く先を思案するうちに
    おこうにも 思わぬ縁が芽生えることになります
    江戸の庶民の生活が
    しっかり描かれて読みごたえがあり
    これぞ 時代小説だな と満足のいく作品です

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    2019年04月30日
  • カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦

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    あと一話、最終話を残して逝ってしまわれたのか。「といちはいち」の事件はどう決着するつもりだったのだろう。それよりも日向と歌吉にはインタビューでの予告通り、悲しい結末が用意されていたのか。作中人物の命は著者の思いのままながら、著者自らの命はいかんともし難い。一度きり会話させただいた杉本さんは才色兼備、忘れられぬ言葉もいただき、すっかり魅せられた。まさに一期一会なれども、遺された作品とは重ねてお付き合いしていきたい。

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    2016年08月12日
  • 春告鳥 女占い十二か月

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    主人公は睦月から師走までの各月に生まれた12人の女性たち。実際に出版されていたという『女用知恵鑑宝織』に記される自らの生まれ月の吉凶占いを読み、惑う者あり、あしらう者あり。月々の風習や風物の描写が心地よいし、ためになる。

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    2014年02月27日
  • お狂言師歌吉うきよ暦

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    先日読み終わった「大奥二人道成寺」と同じお狂言師歌吉シリーズである。
    この「うきよ暦」のほうが先に書かれたものである。
    江戸情緒たっぷりのなかに、少しスリリングな場面もでてくる。
    読み出すと引き込まれて止められない面白さで、
    睡眠不足にさせる、罪なことである。

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    2010年06月25日
  • カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦

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    お狂言師歌吉うきよ暦 シリーズ4 にして最終編

    歌吉こと、お吉は、三代目水木歌仙の弟子で、お狂言師となった後も、厳しく仕込まれている。
    お吉には、裏の顔として、お小人目付の日向新吾と岡本才次郎の手駒として、様々な事件に関わっていた。

    手駒となり、6年。
    お吉と、日向は、想い想われの仲になったが、
    お吉は、相弟子の嫉妬から、一生治らない傷を顔に受けた過去がある。

    「そんなお吉の支えとなっている踊りを捨て、気を張り詰めどおしの暮らしの中に引き込みたくない」と、日向は、姉の勧める娘と、祝言を挙げた。

    稽古にも身が入らないお吉。
    それでも、自分を励まし、お狂言師歌吉として、立ち上がる覚悟をする

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    2022年07月19日
  • 精姫様一条 お狂言師歌吉うきよ暦

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    ていねい書かれていて、もっと杉本作品を読んでもいいなと思えた。
    お狂言師、隠密の日常の姿など興味深かった。ちょっと切ない物語。
    もっと続きが見たかった。

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    2022年06月08日
  • 起き姫 口入れ屋のおんな

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    夫の浮気相手に子どもが出来、婚家を離れたおこう。
    元乳母が営んでいた、口入れ屋・三春屋を引き継ぐことになります。
    人と人を結ぶ稼業である、口入れ屋が舞台という事で、そこに関わる人々の悲喜こもごもが、心情細やかに描かれています。
    おこうが自分が傷つかない為に、前の婚家で変に辛抱したり、友二郎との関係を、“かりそめ”と、割り切ろうとしてしまうところは結構共感できるので、終盤でおこうが自分の気持ちに正直になる事を決意したときは、しみじみ嬉しかったです。
    因みに、「起き姫」とは、起き上がり小法師の事でした。

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    2018年09月07日
  • 起き姫 口入れ屋のおんな

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    浮気相手に子供まで出来た夫に嫌気がさし離縁。実家でも心休まることなく行き着くところはかつての乳母の元 口入れ屋。
    人と人とを結ぶ口入れ屋。
    人が生き生きと描かれていてたくましくも微笑ましく暖かく読めた。
    面白かったなぁ。シリーズ化されないのが哀しい。

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    2018年02月05日
  • 起き姫 口入れ屋のおんな

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    杉本先生の本を読んだのがこれが初めてでとても面白かった。夫が浮気で子を生したことで婚家を出たおこうが元乳母の後を継いで口入れ屋の女主人になるお話。江戸市井のお話は大好きなのでこれから杉本先生の小説を沢山読みたい。江戸市井の話と言えば宇江佐真理先生がお書きになる小説も大好きだったが、お二人とも同時期に乳がんでお亡くなりになられていたと知って驚いた。ご冥福を祈ると共に、これからも残された小説で江戸情緒や人情を大いに楽しみたいと思う。

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    2017年12月26日
  • 東京新大橋雨中図〈新装版〉

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    明治の浮世絵師、小林清親の存在を知らなかった私にとってはとても新鮮でした。
    本作では江戸から明治へと時代は代わり、紆余曲折を経て浮世絵師となった小林清親の半生が書かれていますが、さらに時代は代わり浮世絵自体の人気も下火になってきた、この後の小林清親にも興味がでてくる1冊でした。

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    2025年08月21日
  • 写楽まぼろし 蔦屋重三郎と東洲斎写楽

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    現在放送中の大河ドラマに関連して、蔦重と写楽の物語を読んでみた。

    こちらの写楽は通説とは違って、大胆なキャラクター設定で驚かされた。
    ただ、写楽の10ヶ月という短い制作期間、後期の技術の低下、落款の変化という謎に応える内容になっていて、興味深く読めた。

    大河ドラマでは蔦重と強い絆で結ばれているのは歌麿だが、この作品では割とアッサリしている。歌麿が蔦屋から離れるのも理由ははっきりと描かれず、お金なのかなと思われるのみ。ドラマではどのように描かれるのか楽しみだ。

    一方、蔦重の妻についてはきちんとした文献がないらしく、名前も分からないらしいだけに、こちらもドラマとは全く違う設定になっている。

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    2025年07月31日
  • 起き姫 口入れ屋のおんな

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    ネタバレ

    江戸情緒あふれる小説
    しっとりと読みました
    ちょっとむかつく登場人物も含めて

    小さな起き上がりこぼし 起き姫
    それに守られて
    前へ前へ
    しあわせをつかんでいくおこう

    病をおして不屈の精神で書かれていたという
    作品たち、これからも読み継がれていきます
    ありがとうございました
     
    ≪ 口入れ屋 弱音をはかず 人つなぐ ≫

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    2022年09月09日
  • 起き姫 口入れ屋のおんな

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    ネタバレ

    201711/出てくる女性陣が、みな生き生きと力強く描かれてて面白かった!最終的にお店を引き継いでしまうラストがちょっと好みではなかったかな。

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    2017年12月17日
  • カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦

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    ネタバレ

    (ネタバレ)
    「お狂言師歌吉うきよ暦」シリーズ。
    まさかの、遺作とはな。。。未完のまま、おわってしまうのか、、
    この事件も、解決しないんだな。杉本さんの頭のなかには、あったようだけれど、でも、重い結末が予定されていたようだ。。
    いっときでも、日向とお吉が堂々と、陽のもとで寄り添って暮らせる日がみたかったな。目前だったのにな。
    歌仙まで手駒に加わって、これから面白くなりそうだったのになあ。煮え切らない身勝手な日向にイラっとしながらも、なにげに好きだったのになあこの物語。ざんねん。
    どなたか、ファンが予想の最終回を仕上げてくれないかなあ。同人誌ででも読みたい。この、芸事の世界の女性たちの台詞まわし

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    2017年07月06日
  • 東京影同心

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    出だしは捕物帳だが、1人の若い同心が御一新を迎えて生き方をどう変えていくか、というテーマになっていく。「今さら新政府になど士官できるか!」という展開になりそうなのに、うじうじしたり、流れに任せっぱなしで(女性関係もね…)、なかなか期待に応えない…。

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    2016年10月18日
  • カナリア恋唄 お狂言師歌吉うきよ暦

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    その才能と美貌のために、仲間から嫉妬され顔を傷つけられてしまった主人公。
    迷いながら生きてきた道は、女にしては過酷である。
    光が見えてきたような気もしていたのだが、哀しい結末を考えていたということなので、含みを持たせたまた終わってしまっているのは、これはこれでよいのではないかと思います。

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    2016年04月07日
  • 東京影同心

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    三章に分かれた連続もの
    幕末から明治にかけて同心の生きざま
    影で蠢く者はたとえ叔父でも、新政府の要人でも

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    2015年05月07日