ロビン・スローンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレハラハラドキドキがいまいち苦手な私は、読み進むのが怖くて、最初の方はなかなか進まなかったけど、途中からだんだん、ペナンブラ氏とクレイの謎解きへかける情熱に肩入れしてきて、最後まで一気に読んでしまった。
最初はクレイの実力がわからなくて、キャットたちグーグラーにあまりにも簡単に秘密を話しすぎるような気がしていたが、ペナンブラたちが何年もかかった暗号を解いた事で、一気にフェスティナ・レンテ社の秘密に近づく。
キャットは不老不死への興味からペナンブラに協力するが、暗号解読は出来なかった。
クレイは角度を変えてもう一度謎解きに挑む。ニールやマットら友人たちの力を借り、運を味方につけて、ついにゲリッツズーンの残した遺言を見つける。それは、キャットの期待とは違ったが、ペナンブラは満足だった。
3Dで創始者の顔が浮かび上がるところはワクワクします(^^)
若い人にはこれくらい人生を軽やかに楽しんでほしい、と思う。夢のある話でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ペナンブラ氏の24時間書店」の前日譚で、若きペナンブラが書店員になるまでの物語。
130Pほどしかなく、1Pの文字数も少ないけれど、この短い中でペナンブラがモー(組織)の“書店”に惹かれていく様が心理的な面も含めて描かれ、「ペナンブラ氏の24時間書店」で語られていなかった部分(ペナンブラはなぜ古いコンピューターマニアだったのか)について「なるほどそれで」と推察できる描写まである。
いずれも後付け感がなく、著者はかつて予言めいた映像作品を作ったことでも知られるけどめちゃくちゃ頭がいいのではないかと思う。
「ペナンブラ氏の24時間書店」は、TRPGのパーティーさながら、主人公が様々な業界に属する友人たちの協力を得て「書店」「協会」「本」の謎を解いていく物語。その彼のボスにもかつて同じように仲間がいて、同じように「クエスト」し、書店員となった。この前日譚を読んでから再び「ペナンブラ氏の〜」を読むとまた違った感慨があるだろうと思う。 -
Posted by ブクログ
日々の労働に疲れ果てていたロイスが気まぐれで頼んだデリバリー。その美味しさにつられて常連となったもののその店が閉店することになり、彼女はパン種を譲ってもらう。そのパン種は実に奇妙で、夜中に歌ったり出来上がったパンに笑顔を刻んだりさせる…
というなんだなんだという序盤から、あれよあれよと不思議な世界が展開していきます。やたら規模の大きな謎の地下マーケットや代々受け継がれるパン種の秘密、そしてロボットアームが卵を割りパンをこねる……コメディのようで実際読んでいて笑える描写や比喩も少なくないのですが、その実、活力を見失っていた女性が自己を取り戻し生きる道を見つけていくお話でもあり、彼女の行動や選択ひとつひとつを気持ちよく追っかけて読んでいくのでとても軽やかな気分になれました。
こういう話では、だから現代のシステム化された労働は!ブラック企業は!自然こそ素晴らしい!みたいな極論に走りそうですが、そんな単純には描かれてないのが子の本のいいところです。
先端技術開発に携わる女性が主人公が、その現代の最新技術を生かしてこその展開になっています。つまり「文明と文化の共存」が楽しく愉快に、ちょうどいい程度のファンタジックさを添えて描かれているんですね。そのバランス感覚がちょうどいいな、と思えました。
海外文学はどうしても合うかな、どうかなと考えながら読み始めるのですが、序盤の文体の軽やかさから一気に話に惹きこまれて、大変楽しく読ませて頂けました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ版元の創元社さんでパンを焼くブームのきっかけになった作品というのをツイッターで見かけ、気になって読んでみました。解説が池澤春菜さんで、パンを焼いてみたくなります。
不思議なスターター(パン酵母)を譲られてサワードウ(天然酵母のどっしりしたパン)を焼くようになってから、かなり不健康なプログラマー生活をやっていたロイスが変わっていく。一風変わったお店が集められたファーマーズマーケットのオープンを前にいろいろ問題が持ち上がってついにスターターの正体が……過去と現在が絡み合って物語が進むのと、ロイスの性別を意識させない感じが好き。
パンに顔のように見える亀裂が出来たり、スターターが歌うような音を出したりと、ちょっと不気味さを残したまま話が進んでいくので、もしかしたらパラサイトイヴみたいな展開が来るのではと途中思っていました。(当たらずも遠からず?)