デイヴィッド・ミーアマン・スコットのレビュー一覧
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この本に書かれているようなマーケティングの方法論はすでに今は「常識」となっているのかも知れない。私は起業家でも仕事でマーケティングを担当しているわけでもないが、何か新しいビジネスを始めようとしたとき、ここで述べられているレッスンが「基本」であることはなんとなく分かる。
しかし今から約60年前にデビューしたロックバンドが、そうした現在の「常識」を形作ったことは銘記しておいてよい。グレイトフル・デッドというバンドは、当時の一般社会のまともな人たちから見れば、相当にウィアードでエキセントリックな存在だったはずだ。すでにリーダーのジェリー・ガルシアもソングライターだったボブ・ウィアーも鬼籍に入ってしまったが、彼らは音楽だけでなくビジネスの知恵も我々に遺していった。
1980年代後半頃から洋楽ロックを聴き始めた私にとって、1987年のヒット「タッチ・オブ・グレイ」が懐かしい。ゆる〜い感じの曲でPVも印象的だった。
この本にはデッドのステージやアルバム・ジャケット、ファンたちの写真がふんだんに使われ、また数々のポスターやグッズのデザインを手がけたリチャード・ビフルがイラスト・装丁を担当している。それらを眺めているだけでも楽しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレアポロ計画。マーケティング的に見ることでその理解度が増した気がする。
様々なプロが協働してことをなしていた時代。なんて贅沢なそしてレベルが高かったのかを思い知らされた。
アポロ計画の時代の技術。今あるものはほとんどあった。しかし全てがアナログ。機械式時計。プレスキットは当然紙製。ミッションは経過時間で管理されるが、それと実時間の変換ができる紙製の道具。今ならスマホアプリというところだろう。
テレビの生中継は何とかできていた。問題は録画だろう。生放送にこだわっているのは、録画がままならないから。今残っている映像は、テレビ画面をフイルムで撮影したものだ。電子的当時の記録は失われている。
CGは無いが科学者とイラストレーターがコラボしてシミュレーションの紙芝居を予め準備していたようだ。その画像の緻密さリアルさは驚嘆のレベル。今のCGと見比べたらどうしようも無いが、臨場感もあり理解度は高まっただろう。
とにかく人が多い。ひとつのことをやるにも手間も時間もかかったはず。ある意味驚嘆である。
そこから考えれば今の私たちはとんでもない道具を持っている。スマホ1台あれば当時の100人分のことは出来そうだ。しかし問題はプロではない。稚拙だということ。大衆化は手軽になった反面、質は下げている。
そして私たちはさらに生成AIなる道具を手に入れる。ここで注目すべきは、チューンナップできるものはプロレベルのものが出てくること。いまのところ稚拙なものも、性能・機能・工夫でより良くなる。プロを超えてくる。これが性能AIが人を惹きつけてやまないのだろう。
ひとつひとつのスキルではなく、プロデュース力が問われるのだと思う。 -
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フリーミアムという言葉が出てくるずいぶん前から、それを実践してきたバンド。
「グレイトフル・デッドは、40年以上前から、ファンのみんなに自分たちの音楽を無料で開放していました。ツアーの音楽は録音してコピーし放題。」
名前は覚えていなかったが、たまに事例として見かける。ほぼ日でこれまたフリーミアムを実践してきた糸井重里氏が監修・解説しているのも興味深い。
以下、引用。
「機能よりも官能。快楽原則をなによりも大事にして創り続ける。」
「当たり前とされている常識に挑戦したり、一見すると奇妙な製品を開発したりする発想が、マーケティングの戦略として大成功をもたらすことがある。他者をまねした商品ばかりがあふれているので、こうした『例外的な存在』であることをアピールする戦略がうまくいくのだ。
独自性を重視する人たちが、これからお客さんになってくれると考えてみよう。特に注目すべきなのは、他人と違う『例外的な存在』になるために、お金をさらに払ってくれる人がけっこう多いということだ。」
「新しい特別価格やサービスの情報を、真っ先にメディアに知らせる企業は多い。自分が運転しているクルマの最新モデルが出たときに、自動車メーカーや販売店から知らされるのではなく、新聞や雑誌を読んで知ることがよくある。なぜ、メーカーや販売店は『ご愛顧いただいているお客さまに限定で』注目の新モデルの試乗会を開かないのか、僕たちは不思議に思う。…
企業はビジネスのやり方をひっくり返す必要がある。ファンである既存のお客さんを優遇し、情報を最初に知らせるべきだ。自社に対して時間とお金を費やしてくれている人に、『あなたは大切な方です』と知らせよう。」
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グレイトフルデッドは60年代から続くアメリカのロックバンド。グレイトフルデッドのビジネス展開は、実は現在のネット中心のビジネス状況を先取りしていた。
という内容。
あくまでビジネス本だということだが、ビジネス本としては、あまり目新しいことを語っていない。現状のSNS等の興隆により既存のビジネスが大きく変動していることは、いまや、常識となっているためだろう。
どちらかというと、グレイトフルデッドを知らない人たちに、こんなロックバンドがいたんだ!という驚きというか、トリビア的情報を伝えられることが本書の今の魅力ではないだろうか。
グレイトフルデッドは、デッドヘッズという、ツアーにキャンプカーのような車で常に付き添い、一種のコミュニティーとして世界を作り上げたファンたちが有名で、私も学生時代に、その事実を知った時に、このバンドだけなんで異様な状況なのか、不思議に思いCDを聞いたが、音楽的に特別にそのような状況になることはわからなかった。
この本にも記載があるが、それは、ライブに行ってその空間を体験しないとわからない事なのだと思う。毎回違う曲の演奏の仕方、曲目リスト、デッドヘッズたちの雰囲気、ライブが開場する前の朝から延々と楽しまれるお祭りのような雰囲気。
そして最終的に演奏されるライブでそのマジカルな雰囲気が頂点に達する。
こんなライブ体験をしてみたいものだなと思う。
10年くらい前にフジロックにフィッシュというグレイトフルデッド系のバンド(デッドヘッズのような追っかけがいる)が来た時に、外国からの追っかけファンがバックパックをしょってたくさんきていた。これが、現代のデッドヘッズか?と感慨深かった。「フィッシュヲミニイコウー!」とたどたどしい日本語でファンたちがプロモーションする姿もなんだかかわいらしかった。
ちなみに、フィッシュのライブ自体はジャズっぽい即興演奏的雰囲気もあり、アシッドで泥臭いのかと勝手に雰囲気で想像していたのがいい意味で裏切られ、大人っぽくカッコ良かったです。
グレイトフルデッドのライブは多分もっとサイケデリックなのだと思いますが。
グレイトフルデッドの「体験すること」に価値があるという事自体が、現代のモノではなく、コトを提供するという部分に大きくあっていることはその通り。
ただし、簡単にそのようなコトを提供できるバンドはやはりそうとうの実力者、素質、努力がないといけないと思う。 -
Posted by ブクログ
はやぶさや宇宙兄弟やイーロン・マスクやそんなこんなで宇宙への憧憬が遠いものではなくなんか身近なものになっているかも…と感じる今日この頃、「月をマーケティングする」という題名はとってもキャッチーでした。アポロ11号に心震わせた小学生だった自分は最近の宇宙ブームに小学生ワクワク感が今更ながら甦っています。本書は1969年のワクワクを広報という観点で分析していきます。その興奮の生成と消滅のダイナミズムはいま語られているソーシャルマーケティングそのものでありビッグプロジェクトを成立させる要件になっていると思います。ケネディ大統領のコミットメントは月に人類を送り、Whole Earthというコンセプトを生み、数々のベンチャーを創り出し、テクノロジーを進化させ、そしてレディ・ガガを宇宙に送り出そうとしています。我々はその先の大きな目標を掲げることができるのか?なんて考えてしまいました。
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Posted by ブクログ
ロックバンド、ヒッピーとかサブカルチャーを通じてマーケティングを語ってるとこが面白ろくて読んだ。
こういうバンドとマーケティングを掛け合わせて本を書こうとした発想自体かっこいい。
もともとデットヘッズな人なら読んでて興奮するんだろうなー
著者のひとりにHubspotのCEO。日本では糸井さんの推薦。
”Lessons from the Grateful Dead”というよりも、演繹的にマーケティングを解いてる感じ。
こういう説明の仕方の方が頭に入りやすい人には、とっても読み味がすっきりする本だと思う。
特に第二章、ファンについての内容。
気前が良くて、何よりも自分達のこと大事にしてくれる人を大事にして、良いと思うことをやって、大義はぶらさない、そんな性格が大事だと。
そうしたら着いてくる人たちも魅力ある人ばっかり。最近法人をひとりの人としてみる考え方を知ったけど、ビジネスでも、人間でも同じことかな。
そして最後のチャプターを書いたことに、著者の魅力を感じる。