緑川聖司のレビュー一覧
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ネタバレ本の怪談シリーズ第一弾を読み終わったので、第二弾もお試しで一冊だけ読みました。第一弾の初期に戻ったような構成で、主人公の元に闇の本という怪談を集めた本が現れ、読み進めるとその怪談と似た出来事が周囲でも起こるという物語。
偶発的に読み始めてしまった読むと呪われるという闇の本が最後まで読み切ることで呪いを解くヒントが与えられるという状況設定で、きちんと主人公が怖いことが周りで起こっても読まなきゃいけないという理由付けがされていたのがよかった。また、ストーリーとしても、今まで一人っ子だった主人公が新しく妹が産まれるということへ向けて、過去のトラウマを克服し兄や責任のある大人としての自覚に目覚める -
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ネタバレ本の怪談シリーズ第一弾の最後の巻として位置づけられている本。今までの物語の元凶とも言える怪談を書いた作者へ主人公たちがインタビューに行き、そこで渡される怪談の原稿を読むうちに不思議なことが周りで起こっていく物語。
正直、この本は今までシリーズを読んできたファン向けの要素が強いと感じた。今までの本の怪談の色にまつわる怪談を象徴するように色をテーマにした怪談が一つずつ掲載されており、その内容も今までのシリーズの怪談より濃く、叙述トリック満載だったりと、それぞれの本の没ネタ傑作選のような印象を受けた。
怪談の内容は幽霊とかが出てくるものの、どれも結局は人が怖い話となっており、そのことも人を食っ -
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ネタバレこの本では主人公は二回目の登場で、確か赤の本でも主人公だった人だと思う。学校の怪談のコンクールのために、自分たちの学校にまつわる怪談を調べ始めた主人公たちが、過去に同じように自分たちの学校の怪談を集めた文芸誌を見つけ、読み進めていくうちに周りで不思議なことが起こる話。
このシリーズでは出てくる怪談はタイトルの色にまつわる怪談だったが、今回は黄色とは関係なく学校にまつわる怪談だった。
最初、話を集めようとし、それから文芸誌を読み始めてから周りで怪談と同じ内容のことが起こり始め、けれどその読んだ怪談を活かして敢えて怪談の流れと違う行動を起こすことで難所を切り抜けたり、より良い選択に至るという -
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ネタバレ二見ホラーミステリ文庫作品としては割とマイルドな方かなと思っていたら、なかなかどうして。
最後の展開は想定外かつ衝撃的で大変驚いた。
他の幽霊騒動は命の危険性までは感じなかったが、最後の話は物理的に危なかったし、某キャラの設定が明らかになったときも本当に衝撃的で、二重に驚かされたからだろうか。
他は基本的に毒舌らしきものを吐きながらも面倒見のいい夜見さんのツンデレ対応をニヤニヤしながら読んでいたので、怖さに震えるより面白くて笑いながらの読書となった。
喫茶店での夜見さんの評判急降下な展開が何回もあって、その度に本当に笑わせていただいた。
彼が悪い訳ではないのに。
それでいて明里のことを見捨てな -
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ネタバレいじめのターゲットになってしまった大樹。ある日、図書室で見つけた怪談の本を読み進めているといじめの加害者が本と同じような目にあっていった。不気味に思いながらも、何故か読む手が止められず、次々に怪談が現実になっていく。
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ポプラポケット文庫から多数出ている本の怪談シリーズの新たなシリーズ。冊数がかなり出ているので、ポプラポケット文庫シリーズは数冊しか読んだことがないが今度また順を追って読んでみたいところ。この作者が書く怪談の本シリーズは読んでいる怪談が現実世界に影響を及ぼすスタイルが主流なのかな?
この本も読んでいる怪談が現実となって回りの人達に襲いかかる緊張感がありドキドキしなが -
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ネタバレ母親と喧嘩し家を飛び出した朱里。知らない道を歩いていると、古い屋敷が目に入る。初めて見るはずの屋敷に懐かしさを感じ朱里が門をくぐると庭に大きな倉が建っていた。吸い寄せられるように中に入ると暗がりの中に謎の少年が佇んでいた。
子供向けの怪談本を多数執筆している作者の作品。ポプラ社から色の本シリーズ、怪談収集家シリーズが出ているのは知っていたが、集英社みらい文庫から出ていたのは初めて知った。表紙の妖しさに惹かれて買ったがこの作者の本は好きなので純粋にうれしいところ。さて、こちらの本も怪談本である。いろはにほへとで構成される諺の「いろはカルタ」を捩った読み札にまつわる怪談を、表紙の少年が朱里 -
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ネタバレ5年ぶりに前住んでいた町に越してきた浩介。不幸な事故から、隣にすむ“怪談収集家”を名乗る男の助手をするはめになってしまった。彼の仕事は「本物の怪談を集めた百物語を完成させること」だというのだがどうにも怪しいぞ! *** 「わたしの本」「あなたの本」にちらちらっと出ていた、神出鬼没の男『山岸』のスピンオフ。既読の二冊ではどういう性格なのかわかっていなかったが、今作を見てなんとも飄々としていて食えない男という認識に至った。浩介を無理やり助手に従えて、住んでいる町の怪談収集に出かける。怪談の実地調査と称して浩介をいろいろなところに向かわせたり、連れて行ったりと振り回される浩介が非常に不憫。浩介が霊媒
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ネタバレ友人と一緒に訪れたフリーマーケット。店を見ていると、『ひとかけ屋』という何かが欠けてしまっている物を取り扱っている店に出会った。店主曰くなんでも、その欠けている部分の代わりに何かしらの物語があるというのだが…。 *** 前作「わたしの本」の第二部。物語の始まりは、主人公である美緒がフリーマーケットで一冊のノートに出会うところから。主人公が興味本位で購入したえんじ色のノートには、前作と同じように怪談話が延々と書き連ねてあり、それを美緒と一緒に読んでいく。内容は前作の「わたしの本」よりずっと怖く、時にはグロテスクでなかなか刺激的。そして、その怪談の恐怖をさらに引き立てるのが、今回の主人公が見舞われ
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ネタバレ怖い話を読みすぎて、怖い話展開がだいたいよめるようになってしまった私。そんな退屈な状態をぼやいていると、友人に自分で怖い話を書いてみたらどうかと勧められた。小説を書くことに憧れていた私は、怖い話を書き始めるが……。 *** 児童向けの怪談本。このシリーズは多く出ており最初から読み進めようと思ったが、それぞれが独立しているようなのでこちらから。 内容は軽めの怪談話が十数話ほど。どれもサックリ読める。 学校の七不思議がテーマのためどこかで聞いたことがある話もあるが、その中の四枚の油絵をテーマにした怖い話が一番怖かった。正確に言うならば、その油絵の怖い話から"勝手に派生した"怖い