渋谷圭一郎のレビュー一覧
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「遠くを目指すだけが探検ではない。
広さを感じるだけが世界ではない。」(p2)
冒頭の一節よりの抜粋であるが、この巻、この作品のテーマを表した好フレーズ。
顕微鏡の小さな円の中に映る小さな結晶ひとかけらの発見が世界の「厚み」(p2)、前巻で凪さんが語っていたフレーズを借りれば世界の「実像」(2巻 p91)を探索する事に他ならず、そこに大いなるロマンや神秘が伴っていて、それを見出す事の尊さや素晴らしさを巻を重ねる毎により感じられるようになった3巻。
瑠璃のクラスメイトで鉱物研究者を志している〈瀬戸〉さんが登場、あっという間にレギュラー入り。当初はクールでとっつきにくい感じだったが、それは石の話 -
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2巻はまるごと、試行錯誤しながらのサファイア捜索編。
川砂をひと粒ひと粒顕微鏡で調べてサファイアの小さな欠片を捜す、いや、時には「「見つからないこと」を確かめる」(p39)という途轍もなく地道で根気の要る作業を繰り返し、産地を絞り込む作業を進めていく。
瑠璃は2巻でも直情の気があるので凪さん・伊万里さん保護者コンビは気圧されつつも、きちんと教え諭しながら捜索を支えてくれる。とりわけ伊万里さんの研究スタンスが描かれるようになり、凪さんに比べればフィールドでの知識・経験は乏しいものの、「自分で調べて 新しいものが見えて」(p60)くる嬉しさを知っている人だからこそ、のちの「調べたつもりになるって -
無料版購入済み
アニメ1話見てみてめちゃめちゃおもしろかったので原作も読んでみた。
専門性とロマンの両方がしっかり描かれていて、とても良い。2人だけの世界かと思いきや、3人目も登場して、ますます面白くなりそう。 -
Posted by ブクログ
鉱物学者のフィールドワークを追体験できる漫画の第3巻。
今回は自然と文明の相互作用がフィーチャーされた話が興味深かった。
海で拾った銀化ガラス、水質調査をしながら川を遡って見つけた廃工場のジンカイト、豪雨とダムの働きによって新たにできたオパールの産地など、自然と文明のそれぞれの働きと環境によって生成される鉱物を追っていく話は、ひとつひとつが理にかなっていて、渋谷先生の豊かな知識と、理科って面白いんだぞという楽しげなメッセージを感じた。
ポイントになる物質や現象にわかりやすい解説も入っているので学習漫画としても非情に勉強になる。独学で理科を勉強している自分にはよいモチベーションになった。