近藤紘一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1975年4月30日、サイゴン陥落の日。直前と直後、たくましく生きる南ベトナムの人々を活写する。どうしようもない為政者と、食べることには事欠かない市民の、ある意味無関心、お気楽さ。それらが相まって、一つの国が歴史から消え去っていく。北ベトナムの人々の食べることに事欠く、生活の厳しさ。それこそが北の強さの源泉で、つまりみんなそこそこ豊かになりたいのだ。勝ち目はなかった。
ベトナム戦争が終わって10年後の文庫版あとがきで著者はこう書く。「今後、ベトナムは立ち直れるのか。あるいは半永久的に東南アジアで最もだらしがない国の地位に自らを置き続けざるを得ないのか」。幸いなことに、そうはならなかった。 -
Posted by ブクログ
近藤氏が晩年、病床に就きながらつくった著作。書名から『サイゴンから来た妻と娘』シリーズの一環だと思い、近藤一家の悲喜こもごもを楽しみに開いたのだが、そういう意味では騙された感じ。ジャーナリストとしての近藤氏の記事からなるもの。当時の国際情勢や日本の立場、近藤氏の世界観などはそれはそれで面白いのだが、それなら違うタイトルにしてほしかった。
近藤氏は優れたジャーナリストだし、やさしい目線からなる傑作ルポも多いけど、夫・父としての近藤氏とジャーナリストとしての近藤氏とは、自分の中では何となく区切られているんだよな。近藤氏の病状ゆえに、あとがきは口述だったらしいから、書名は近藤氏が望んでこうなったので -
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Posted by ブクログ
ベトナムに行ったことはないけど、この本を読む前に、ゲッツ板谷の「ベトナム怪人紀行」 を読んで、ベトナムに興味を持ち、購入。 ベトナム戦争(46〜50年)の頃に駐在した新聞記者の著者が、ベトナム人の妻とその連れ子を 戦争のため日本へ連れて帰る。妻と子供との日本での生活や、それに関連した ベトナム人の生活感、人生観を述べている。 ベトナムの女の人はほんと逞しい!と思った1冊。海外の子供が日本に住んで、 やっていく過程や、妻の連れ子への対応にも興味が持てる。 ベトナム人の子育ての話も参考になるが、かなり厳しい。。。 ペットの2匹のうさぎ。1匹目はいたずらしすぎで「次、いたずらしたら食べるよ」と