近藤紘一のレビュー一覧

  • 妻と娘の国へ行った特派員
    「そしてその東南アジアの魅力を生み出すものは、多少重複するが、この地域のそれぞれの国で見られる人間らしさである。新聞記者というむしろ「現象」を追う身でありながら、そこで見る私の興味は、実際にこの地域で生きる人々の生き方やその喜怒哀楽といったようなものに注がれ続けた。」(あとがきより)

    27の随筆で...続きを読む
  • サイゴンから来た妻と娘
    「妻と娘」シリーズ3部作の1作目。時代を越えて読み継がれるであろう、色褪せることのない名作。1971年から1975年までをサンケイ新聞サイゴン特派員としてサイゴンに勤務した近藤さんの、「私自身がこの土地とそこに住む人々の生きざまに深く惹かれた」という想いからはじまる人生の軌跡です。

    全体を通して、...続きを読む
  • サイゴンのいちばん長い日
    近藤さん34歳のときの処女作であり、1975年4月30日のサイゴン陥落前後約40日間を詳細にたどるルポルタージュです。緊迫した状況の中、そこに悠々と暮らす人々の姿が優しく楽しく描かれており、一方で微笑ましくも、一方で熾烈な当時のサイゴンの状況がありありと浮かんできます。

    日常勤務のかたわら、2週間...続きを読む
  • 戦火と混迷の日々 悲劇のインドシナ
    戦後日本人として初めてカンボジア男性と結婚し、その後1975年から1979年までのポルポト政権時代を生き抜いた内藤泰子さんのルポ。

    「奇跡の生還!」というニュース性の高さにより、殺人的なスケジュールを通して執筆・刊行されたため(新聞連載をもとに2週間で書き上げられたらしい…)、近藤さんの他の著作...続きを読む
  • 戦火と混迷の日々 悲劇のインドシナ
    タイトル:戦火と混迷の日々
    著者:近藤紘一
    発行日:1987年
    出版社:文春文庫
     日本女性の体験を追いながらインドシナの悲劇の輪郭と現状を報じたいという趣旨のもとから書かれた本で、インドシナの様々な苦しい環境について詳しく書かれている本です。自分自身もボランティアがしたくなってしまうような作品でし...続きを読む
  • サイゴンから来た妻と娘
    特派員としてサイゴンに赴任し、そこで妻と娘を同時に得る近藤。時代の感覚からしたら突飛でもないことをさも簡単に、さも楽しそうにやってのける。何が幸せなのか、家族の幸せ、生きることの幸せ、何が常識なのか…いろいろ考えさせられる。文章は、ユーモアに富み、品がありとても読みやすい。星10コくらいつけたい。
  • サイゴンのいちばん長い日
    近藤紘一の本はすべて好きです。人間味あふれてて、スマートで。産經新聞社の特派員としてサイゴンに駐在していた著者のベトナム戦争終戦を迎えるまでのルポです。
  • サイゴンのいちばん長い日
    自分にとってベトナム戦争は歴史上の事件を脱するものではなかった。生まれた頃には既に過去のものであったのだから仕方がないのかもしれない。ゆえにベトナム戦争に対する認識というものも知識としてのものを脱しなかった。サイゴン陥落という重要な局面を当地で迎えた近藤氏によるこのルポタージュはどうしても白黒にしか...続きを読む
  • サイゴンから来た妻と娘
    近藤紘一の本はほとんど読んだと思うが、やはり一番印象に残っているのはこれ。ドラマを先に見たけれど、戦争でないベトナムに出会ったのはこれが初めてかもしれない。
  • サイゴンから来た妻と娘
    「もの食う話」で一部読み、残酷なことを平然と行っている様子が逞しく、生きること食べること、の大切さを感じさらに読みたくなった。
    過酷な歴史を持つベトナム人と温室体質の日本人の大きな違い。ベトナム人妻の複雑な思いやバックグラウンドを理解し、許容し、愛情持って接する作者。
    生き延びるためなら全ては善。分...続きを読む
  • サイゴンのいちばん長い日
    「近藤紘一」ので1979年の第10回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作品『サイゴンのいちばん長い日』を読みました。

    『目撃者―「近藤紘一全軌跡1971~1986」より』、『サイゴンから来た妻と娘』に続き「近藤紘一」作品です。

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    目前に革命政府軍側の戦車...続きを読む
  • サイゴンのいちばん長い日
    近藤紘一(1940~1986年)氏は、早大文学部卒業後、サンケイ新聞社に所属し、1971~74年サイゴン支局長、1978~1983年バンコク支局長として東南アジアを中心に活動した、ジャーナリスト、ノンフィクション作家、エッセイスト、小説家。
    1975年に出版された本書(1985年文庫化)は、同年の大...続きを読む
  • サイゴンから来た妻と娘
    来日した作者の妻がベトナムでの食生活を懐かしみ、どうにか日本でもベトナム食を食べようと工夫する姿に脱帽した。
    妻が夫に年頃の娘の身体を見せようとするエピソードにはどん引き。私も女性だが、あんなことをされたら、大人になっても嫌な思い出として残り続けるだろう。これも文化の違いなのだろうか?
  • サイゴンから来た妻と娘
    新聞記者の近藤紘一氏による、ベトナム人の妻と娘との日常を描いた作品。

    近藤氏は1971年からベトナムへ派遣され、現地の女性とその一族と同棲生活をしていたが、1975年のサイゴン陥落をきっかけに、女性とその娘を連れ出国し東京での暮らしを始めたのであった。

    作品の中では、日本人とベトナム人の文化や気...続きを読む
  • サイゴンから来た妻と娘
    ベトナムについて、自らの体験や考えをユーモラスに書いた本。
    同じ人間なのに、こうも違うのかといった異文化への驚きと、作者の反応がまた面白い。
    作者のベトナム妻への愛情をひしひしと感じた。
  • サイゴンから来た妻と娘
    ベトナム(サイゴン)の風土が伝わってくる一冊。ベトナム女性の強さが印象的。ベトナム人はたいそう食いしん坊だそうで,ベトナム料理が楽しみになりました。
  • サイゴンのいちばん長い日
    ベトナム戦争のことが勉強になりました。
    政権が変わろうと、庶民は強かに生きていくと。
    会社も同じか〜
  • サイゴンのいちばん長い日
    サイゴン陥落40年にあたり再読。何度読んでもこの本はいい。著者はあとがきで文の拙速さを悔やんでおられるけど、僕はそれも含めて好き。この時まだ35歳ぐらいであったそうだ。優しい人なんだと思う。早逝されたのが悔やまれるジャーナリストである。
  • サイゴンから来た妻と娘
    ヴェトナム人女性の「かかあ天下」ぶり、逞しさに圧倒されてしまいます。実体験を交えているためか、著者のヴェトナムに対する文化的考察に妙な説得力を感じます。
  • サイゴンのいちばん長い日
     1975年3月30日のサイゴン陥落前後を、まさにそのサイゴンで過ごした近藤紘一さんのルポ。ベトナム戦争ってあまり知らないし、そんな自分が植え付けられてきた知識というと、枯葉剤とかベトちゃん・ドクちゃんだったり、ボートピープルだったり、あるいは「プラトーン」「7月4日に生まれて」のようなとにかく悲惨...続きを読む