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インドシナ情勢を的確にとらえ、繊細な視線で人間の生を見つづけた報道記者・近藤紘一。ノンフィクションの真髄を味わわせる著作と爽やかなまなざしは今も多くの読者を魅了してやまない。彼はサイゴン、バンコクの特派員として東南アジアの人々の喜怒哀楽や生活につねに関心を向け、ベトナム人の妻と娘を通じてこの地域との縁はいっそう深まったが、惜しくも四十五歳でガンに斃れた。複雑な国情と厳しい風土に生きる人々のダイナミックな姿を活写したこのエッセイ集は遺作となる。
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Posted by ブクログ
「そしてその東南アジアの魅力を生み出すものは、多少重複するが、この地域のそれぞれの国で見られる人間らしさである。新聞記者というむしろ「現象」を追う身でありながら、そこで見る私の興味は、実際にこの地域で生きる人々の生き方やその喜怒哀楽といったようなものに注がれ続けた。」(あとがきより) 27の随筆で...続きを読むあり、紀行文であり、ルポルタージュ。近藤さんの遺作です(あとがきは死の3日前、病床で録音されたもの)。バンコク特派員(当時)という仕事柄、ベトナムに限らず、タイ、ミャンマー、カンボジア、フィリピン、ブルネイ、シンガポール、インドと舞台は多岐に渡り、同じくアジアを愛する自分にとっては教科書のような本です。
シリーズになっていて、その終わりの本だと思うのですが(いやもう一冊あったかな)、とにかく全部面白かったのでたまに読み返します。ベトナム戦争の頃に新聞記者として赴任していた著者が現地の女性と結婚しベトナムで暮らし、後に日本に移り住みます。その暮らしや妻のたくましさや当時の政治情勢や、著者のおおらかさや...続きを読む、魅力あふれる本です。2003年5月読
近藤氏が晩年、病床に就きながらつくった著作。書名から『サイゴンから来た妻と娘』シリーズの一環だと思い、近藤一家の悲喜こもごもを楽しみに開いたのだが、そういう意味では騙された感じ。ジャーナリストとしての近藤氏の記事からなるもの。当時の国際情勢や日本の立場、近藤氏の世界観などはそれはそれで面白いのだが、...続きを読むそれなら違うタイトルにしてほしかった。 近藤氏は優れたジャーナリストだし、やさしい目線からなる傑作ルポも多いけど、夫・父としての近藤氏とジャーナリストとしての近藤氏とは、自分の中では何となく区切られているんだよな。近藤氏の病状ゆえに、あとがきは口述だったらしいから、書名は近藤氏が望んでこうなったのではないのかもしれない。
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近藤紘一
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