色川武大のレビュー一覧
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色川武大の小説に欠かせないエピソードが方々にちりばめられた短編集。まだ小粒で、しっかりとは掴みきれてない感じ、ちょっと控えめに差し出されて「これはどうでしょう?」という感じもある。
部屋に入ってくる生きものに愛着をおぼえ同居する「小さな部屋」、父が家に防空壕を掘った「穴」、クラスの机のうえで自分の...続きを読むPosted by ブクログ -
今までの人生の中で恐らく一番精神的に病んで辛かった時期に読み、自分の将来をこの小説の中に見たような気がして読みながらボロボロ泣いた。今読んだら、何を感じるのか凄く気になるけれど、怖くて再読できず。いつか読み返したい。Posted by ブクログ
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「俺はこんなに弱い!」
「俺はこんなに辛いんだ!」ということが書かれている。
「ああ、辛かったでしょうね」と思える記述が続く。
でも他人はどうすることもできないよ。
こんな人を、誰が助けられるのだろう?
理由も告げずに去った圭子に期待を残しながら、彼は生きられるだけ生きる。Posted by ブクログ -
俺も誰かの役に立ちたかったな。せっかく生まれてきたんだから
この言葉に一番共感した。
孤独とか許す許さないとか愛とか様々なものが混じりまって複雑で私には理解しきれていない。ただただ最後は寂しい…。Posted by ブクログ -
初めて題名を耳にした時の悪印象と打って変わって文章が非常に巧い!面白い!と短期間で読み進みました。
主人公の内省が独りよがりじゃないのが、素敵だなぁと思いました。
男性側の考え方(一般的じゃないかもしれないけれど)の種類が増えたので良かったです。Posted by ブクログ -
こういう、ああでもないこうでもないとぐずぐず言う人は嫌いだ。繊細なのかどうなのか知らないが些細なことで傷つきやすい。なのに人を傷つけることには敏感ではない。どうしろというのかと言いたくなる。私自身の鏡だと言えないことはない。しかし少なくとも私は諦めている。Posted by ブクログ
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色川さんはやさしい人だなと思った。押し付けるでもなく、自分が感じて考えた経験を読者のことを思って伝えてくれている。色んな考え方があって、それを知ることは楽しいことだと、より強く思えるようになりました。
色川さんが亡くなったのが1989年。自分が生まれた年だ。自分が生まれるよりも前に生きた方の本を読む...続きを読むPosted by ブクログ