色川武大のレビュー一覧

  • 離婚

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    初めて題名を耳にした時の悪印象と打って変わって文章が非常に巧い!面白い!と短期間で読み進みました。

    主人公の内省が独りよがりじゃないのが、素敵だなぁと思いました。

    男性側の考え方(一般的じゃないかもしれないけれど)の種類が増えたので良かったです。

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    2022年02月15日
  • 百(新潮文庫)

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    色川武大の川端康成文学賞を受賞した作品。短編小説が4つ詰まってる。
    タイトルの「百」は年齢を表してる。裏表紙の一部を抜粋すると、「百歳を前にして老耄のはじまった元軍人の父親と、無類の日々を過してきた私との異様な親子関係」とのこと。
    「猫や犬は死んだらどうなるの?」ではじまる作品など、生と死に関連しつつも、日常を描いたような不思議な作品集。

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    2021年12月17日
  • 離婚

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    1978年の直木賞。少年マガジンの「哲也」主人公のモデルともなった著者は、麻雀の世界では伝説の人。その人が書いた大衆向け小説。今となっては半世紀前の古典文学。
    個人的には、受験生時代のセンター型模擬試験でこの人の小説が出た時、「あの哲也じゃん!」と喜んで解いたら、普段はなんとか平均点に届くレベルだったのが、50点満点をその時だけ取った思い出。

    めでたく離婚しました、から始まる男女の縁。なんとなく昭和レトロで、どこかアウトローな、それでもよくありそうな、不思議な雰囲気。

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    2021年12月13日
  • 狂人日記

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    こういう、ああでもないこうでもないとぐずぐず言う人は嫌いだ。繊細なのかどうなのか知らないが些細なことで傷つきやすい。なのに人を傷つけることには敏感ではない。どうしろというのかと言いたくなる。私自身の鏡だと言えないことはない。しかし少なくとも私は諦めている。

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    2020年10月09日
  • うらおもて人生録(新潮文庫)

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    色川さんはやさしい人だなと思った。押し付けるでもなく、自分が感じて考えた経験を読者のことを思って伝えてくれている。色んな考え方があって、それを知ることは楽しいことだと、より強く思えるようになりました。
    色川さんが亡くなったのが1989年。自分が生まれた年だ。自分が生まれるよりも前に生きた方の本を読むことができる今の環境もありがたいなと感じる。

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    2020年08月07日
  • 百(新潮文庫)

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    初めて書いた小説は父親を薪割りで叩き殺す話であったー自らの創作のルーツから、父との複雑な関係を描き続けた色川武大の4つの作品を収めた短編集。

    作品全ては時系列は異なれど、父親との関係性を巡るものである。叩き殺したい、という明確な憎悪があるわけではないけれど、かといって愛情があるわけでもない。それでも父がただ寂しく亡くなるのだけは避けたいと思い、珍しく能動的なアクションを取る「永日」が印象的。

    日本文学の潮流の一つである私小説の流れを色濃く受けている作品である。そしてそこには、私小説というものの意味合い、つまり極めてパーソナルな事柄を突き詰めていけば、万人に通用するユニバーサルな何かが描ける

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    2020年05月03日
  • うらおもて人生録(新潮文庫)

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    長年読もうと思いつつ初めて読んだ色川武大。自らの劣等生としての半生を踏まえつつ、自身と同じような劣等生に対して平易に語られる独自の人生論。

    麻雀という博打の世界で身を立てていた著者らしく、人生論の中心になるのは”9勝6敗こそ理想”という勝負論である。そしてその勝ち方や負け方にも、生き馬の目を抜かれるような博打の場で磨かれた独自の哲学があり、めっぽう面白い。

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    2020年04月26日
  • 百(新潮文庫)

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    鬱屈した、内にいろいろ秘めた大人と老人の話であまり好きではない。読んでて次が楽しみ、ということがない。しんどくなる。

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    2019年09月07日
  • 離婚

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    納得ずくで離婚したのに、ぼくはいつの間にかもと女房のところに住みついているのです─奇妙な男と女の世界を、独特のほろ苦いユーモアで活写した直木賞受賞作

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    2019年07月17日
  • 生家へ

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    シュールすぎてチョットついていきづらい。父子の確執みたいなのもいまひとつピンとこないんだよね。

    ただ、それはそれで読ませるものはある。

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    2018年11月05日
  • 引越貧乏

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    色川氏の人柄が伝わってくるような短編集でしたね! 自伝に近い? ような感じが致しました…。しかし、自分のエピソードをこうして小説仕立てにできるなんてやはり氏は才能のある作家さんなのではないでしょうか…?

    ヽ(・ω・)/ズコー

    今の時代の六十歳のおじさんと比べてみますと、著者近影の氏の姿は少々老けているような気が…案の定、還暦を迎えてすぐに亡くなったそうです…。

    遊び人らしく死ねたのでしょうか? それならいいのですが…さようなら。

    ヽ(・ω・)/ズコー

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    2018年05月18日
  • うらおもて人生録(新潮文庫)

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    本人いわく劣等生へおくることば。
    就職前によみたかったなぁ。

    C0195

    note
    色川 武大(いろかわ ぶだい)、阿佐田 哲也(あさだ てつや)、井上 志摩夫(いのうえ しまお)、雀風子。

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    2016年06月23日
  • 狂人日記

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    確かに狂人の日記。読んでると段々しんどくなる。誰しも程度の度合いとは思うものの、やはり、ここまで違うと本人も回りも大変だ。この手の話は基本誰も救われないので、あまり好みではないかな。

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    2016年04月19日
  • 狂人日記

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    どこか人間的な回路の一部が壊れていたり、制御出来ないと言う事を知っていて、「自分は普通じゃない」と自覚もある。
    それは一時的なものであったり、あるキッカケで発露するものであったりする。常に壊れた状態である訳ではない。仕事もしていた。人とも触れ合っていた。
    ただ働いて食って寝る…そう言った普通の生活を続けていくことが出来なくなったり、出来なくしてしまうそんな自分が好きになれなかったり排他的になってしまったり…
    普通に生きようと変わる努力を続ける二人のやり取りを見ていて、普通とは一体なんなのであろうかと考えさせられてしまいました。
    普通じゃない。
    マトモじゃない。
    気が狂ってる。
    普通に見えてもみ

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    2015年02月14日
  • 百(新潮文庫)

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    幼少の頃、近い過去、現在、そして幻想。ナルコレプシーをかかえているからか、時制が錯綜しているし、父親や弟について同じ事を何度も言及してて、物語として流れてなくて読みにくかった。これが味なのかも知れないが、一読しただけでは良さが分からなかった。

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    2014年10月19日
  • うらおもて人生録(新潮文庫)

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    マジメなアウトロー、人生の教訓。

    わたしはこの著者のことをあまり知らなかったけど、いわゆる”優等生”じゃなかったこと、そして、愛することの大切さを知っていて、しかもそれを実践していることは、ありありとわかる。次の世代に対する著者の視線は優しい。この人の生き方を真似したって、わたしの人生は生きられないけれど、著者のくれたことばを大切にして生きることはできる。

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    2014年10月03日
  • うらおもて人生録(新潮文庫)

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    アウトローとしてあまりにも有名な筆者のエッセイ。
    運のやり取りについて、日常レベルでも考えているとは知らなかった。
    個人的には8勝でも何でもとにかく1回は勝たねば…と思った。

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    2014年07月25日
  • 百(新潮文庫)

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    20150602 何と無くムズムズする話。真剣に捉えれば誰もが体験することなのかも知れないが難しく考えるとこうなるのかも。考える人が減ってるような今日、この本の成果かためされると思う。

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    2014年06月02日
  • 百(新潮文庫)

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    「居眠り先生(伊集院静)」から興味を持って読んだ。歪な親子関係を軸に人生について考えさせる。主人公の状況が特殊すぎて理解しづらい部分もあるが、大筋では「読んで損なし」の印象だった。老いることについて考えさせられる。

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    2014年05月29日
  • 百(新潮文庫)

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    「好き」と「嫌い」の二言では表せない血族のしがらみ。
    とんでもない暴君が家族のなかにいて、毎日緊張、毎日疲労。
    それでも、社会的にも個人的にも完全には離れられない悪循環。

    これは、問題を「背負う」というより、
    問題に「取り込まれてしまう」あるいは「引き寄せられてしまう」
    そんな感じ。

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    2013年11月23日