色川武大のレビュー一覧

  • うらおもて人生録(新潮文庫)
    長年読もうと思いつつ初めて読んだ色川武大。自らの劣等生としての半生を踏まえつつ、自身と同じような劣等生に対して平易に語られる独自の人生論。

    麻雀という博打の世界で身を立てていた著者らしく、人生論の中心になるのは”9勝6敗こそ理想”という勝負論である。そしてその勝ち方や負け方にも、生き馬の目を抜かれ...続きを読む
  • 百(新潮文庫)
    鬱屈した、内にいろいろ秘めた大人と老人の話であまり好きではない。読んでて次が楽しみ、ということがない。しんどくなる。
  • 離婚
    納得ずくで離婚したのに、ぼくはいつの間にかもと女房のところに住みついているのです─奇妙な男と女の世界を、独特のほろ苦いユーモアで活写した直木賞受賞作
  • 生家へ
    シュールすぎてチョットついていきづらい。父子の確執みたいなのもいまひとつピンとこないんだよね。

    ただ、それはそれで読ませるものはある。
  • 引越貧乏
    色川氏の人柄が伝わってくるような短編集でしたね! 自伝に近い? ような感じが致しました…。しかし、自分のエピソードをこうして小説仕立てにできるなんてやはり氏は才能のある作家さんなのではないでしょうか…?

    ヽ(・ω・)/ズコー

    今の時代の六十歳のおじさんと比べてみますと、著者近影の氏の姿は少々老...続きを読む
  • うらおもて人生録(新潮文庫)
    本人いわく劣等生へおくることば。
    就職前によみたかったなぁ。

    C0195

    note
    色川 武大(いろかわ ぶだい)、阿佐田 哲也(あさだ てつや)、井上 志摩夫(いのうえ しまお)、雀風子。
  • 狂人日記
    確かに狂人の日記。読んでると段々しんどくなる。誰しも程度の度合いとは思うものの、やはり、ここまで違うと本人も回りも大変だ。この手の話は基本誰も救われないので、あまり好みではないかな。
  • 狂人日記
    どこか人間的な回路の一部が壊れていたり、制御出来ないと言う事を知っていて、「自分は普通じゃない」と自覚もある。
    それは一時的なものであったり、あるキッカケで発露するものであったりする。常に壊れた状態である訳ではない。仕事もしていた。人とも触れ合っていた。
    ただ働いて食って寝る…そう言った普通の生活を...続きを読む
  • 百(新潮文庫)
    幼少の頃、近い過去、現在、そして幻想。ナルコレプシーをかかえているからか、時制が錯綜しているし、父親や弟について同じ事を何度も言及してて、物語として流れてなくて読みにくかった。これが味なのかも知れないが、一読しただけでは良さが分からなかった。
  • うらおもて人生録(新潮文庫)
    マジメなアウトロー、人生の教訓。

    わたしはこの著者のことをあまり知らなかったけど、いわゆる”優等生”じゃなかったこと、そして、愛することの大切さを知っていて、しかもそれを実践していることは、ありありとわかる。次の世代に対する著者の視線は優しい。この人の生き方を真似したって、わたしの人生は生きられな...続きを読む
  • うらおもて人生録(新潮文庫)
    アウトローとしてあまりにも有名な筆者のエッセイ。
    運のやり取りについて、日常レベルでも考えているとは知らなかった。
    個人的には8勝でも何でもとにかく1回は勝たねば…と思った。
  • 百(新潮文庫)
    20150602 何と無くムズムズする話。真剣に捉えれば誰もが体験することなのかも知れないが難しく考えるとこうなるのかも。考える人が減ってるような今日、この本の成果かためされると思う。
  • 百(新潮文庫)
    「居眠り先生(伊集院静)」から興味を持って読んだ。歪な親子関係を軸に人生について考えさせる。主人公の状況が特殊すぎて理解しづらい部分もあるが、大筋では「読んで損なし」の印象だった。老いることについて考えさせられる。
  • 百(新潮文庫)
    「好き」と「嫌い」の二言では表せない血族のしがらみ。
    とんでもない暴君が家族のなかにいて、毎日緊張、毎日疲労。
    それでも、社会的にも個人的にも完全には離れられない悪循環。

    これは、問題を「背負う」というより、
    問題に「取り込まれてしまう」あるいは「引き寄せられてしまう」
    そんな感じ。
  • 狂人日記
    「時代を切り取る」というのはこういうことなのか、と今まで知らなかった感覚を知る。(私は感覚が弱いので、こういう風に分からせてもらえないと分からない)情景や、男女の結びつきよう、人付き合いのあり方など全てが古く、色あせてよめるのに気持ちの部分だけが普遍的にリアル。読んでいる中でのこの実感が何よりすごい...続きを読む
  • 狂人日記
    ふわふわと夢の中を歩いているような感覚。
    脱力感と、不安とを抱えながら、
    夢か現実かわからなくなる霧の中を
    分け入って、物語をたどっていく。
    そして、たどりついた失望と絶望。
    どうしようもなくつらい世界なのだけれど、
    これを描ききった作者は、この病気で
    亡くなった人のことを想い、書いたのだと
    あとが...続きを読む
  • 狂人日記
    通勤で読むと気が滅入る。現実と幻覚が交差してどっちがどっちだか分からない。ふと思うと、現実も幻覚も自分が生み出しているのだから全て真実か、それとも現実も幻覚も全てユメのようなものか。どんなに理解しようとしても他人の境涯は決して理解することもできないし、言葉でも説明できない。しばらく寝かせてからいつか...続きを読む
  • 離婚
    第79回直木賞。
    登場人物はたったの2人。夫・誠一と、妻・すみ子。話は2人のなれそめから、6年経って離婚したのに、以降もずるずる付き合っているという話。
    話自体はなんともへんちくりんで滑稽だが、両者の人間味が出ていて密度の高い作品。
    著者・色川武大といえば、別名・阿佐田哲也。麻雀小説でおなじみの作家...続きを読む