荻上直子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
映画見てないのだけど、じんわり優しい時間が流れていて好きな感じだった。
刑務所から出てきた山田が、自分の人生に意味を見いだせず、身を寄せた川っぺりのハウスムコリッタ。風変わりな人達が肩を寄せるように住んでいるその場所で、山田は少しづつ自分を取り戻していく。再生の物語は沢山あるけれど、なにか劇的に変わるでなく、こんな風に小さい幸せを噛みしめるように生きることが救いになるのは、すごく自然な気がして、読んでて安心した。
ムコリッタって仏教の時間の単位で48分のことらしい。
何でもない1日に少しづつの変化。その変化の中にひとりじゃないと思えるひととき。そんな変化はただ生きて、積み重ねることでやってくる。
雨空の隙間の空にぴったりな小説だった。 -
Posted by ブクログ
2022年映画化、荻上直子さん映画監督・脚本家
だからであろうか、読み初めからリアルに映像が浮かんでくる
ムコリッタ=48分(仏教における時間の単位)
登場人物の共通点は『死』
『死』は不意に訪れ、生と死の境は曖昧であり、空の色が青から紫に変わっていく程のもの
生と死の間の時間を『ムコリッタ』と表現
「生まれた時からついていない、なんで生まれてきちゃったんだろう」
そうそう、生まれてきた時から人生は平等ではない
訳ありの過去を持ち、誰とも関わらずに生きていくことを決め、イカの塩辛工場で働き始めた山田は、見知らぬ町の川っぺりのぼろアパート「ハイツムコリッタ」で生活を始める
しかし、山田と同様訳ありの生活をしている住人達と触れ合う中で、山田は安らぎを感じ始め、寄り添って生きていく本当にささやかな幸せを噛みしめるようになる
「些細な出来事ひとつひとつにシアワセを感じていればなんとかなる」と山田は言われる
良い言葉であるが、逆を言えばそういう言葉しか掛けられない状態であるという事
それ相当なものであるだろうし、人生簡単に好転するものではない
『ひとつひとつ丁寧に生きる事』『当たり前の事』が大事だと思った
それと同時に食べ物や生き物を大事にする事も
著者は語っている様に思う
人の温もりを感じて優しい気持ちになる話だろうが、それだけではなく心が痛く考えさせられる作品であった
読んでいると、美味しい炊き立てご飯をもりもりッ食べたくなる!
そして映画は観ていないが、隣人の島田役がムロツヨシさんのイメージぴったり!で笑った(^o^) -
Posted by ブクログ
映画監督・脚本家である荻上直子さん作品。
主人公は、刑務所から出所間もない(凶悪犯ではありません)孤独な青年・山田。誰にも関わらずに、慎ましく目立たず、ひっそりと暮らしていこうと川べりの地へやって来ました。
世の中から取りこぼされたような古いアパートの住人等との交流を通して、自分を見つめ直し社会との接点を見出していく物語です。
誰かと一緒に食べるご飯、やむなく引き取った父の遺骨、孤独死した父が電話していた「いのちの電話」、単調なイカをさばく仕事、いろんな事情を抱えた周囲の人たち‥。
北陸の地域性もあるのでしょうか? アパートや職場など、小さなコミュニティーの穏やかな生活の中にも、小さな幸せがあることにゆっくりと気付いていきます。そして、ギリギリの生活でも、ささやかなシアワセを細かく見つけていけば、なんとか持ちこたえられることを実感していきます。
そりゃあ、一人よりは近くに〝誰か〟がいた方が何かといいんでしょうが、当然、人と関わることで煩わしさは避けられませんね。生きることに執着がなく、いつ死んでもいいとか思う人でも、最期独りじゃ寂しいはず‥。
人生や人の生死の切なさがじんわりと伝わりながら、ささやかな幸せを見つけ直したいと思わせてくれ、なぜかホッとする物語でした。 -
Posted by ブクログ
荻上直子監督の『かもめ食堂』『めがね』を観たことがあり、あの世界観が大好きです。
この小説も、きっと主人公は無表情だったり戸惑ったりしていて、周りの登場人物の突拍子もない動きにキョトンとしているんだろうなぁ、と妄想しながら読みました笑
家族も生き甲斐もない主人公の山田。唯一の望みは川っぺりに住むこと。台風で流されるかもしれないし、いざとなればいつでも飛び込むことができるから‥‥。
そんな山田が住むことになった川っぺりの“ハイツムコリッタ“にはワケありの人たちが住んでいて、図々しく部屋に上がり込まれたり、挙げ句の果てには昔から住んでいたおばあちゃん幽霊に会い、みんなに羨ましがられたり。
自分の人生なんてどうでもいい、と思っていた山田がご近所さんと繋がっていくことで、初めていつまでもここにいたい、と思うのです。
この物語には“丁寧に生活する“という表現が出てきます。なんの変化もないつまらない毎日かもしれないけれど、同じことを変わらず続けること、“丁寧に生活する“ことがいかに大切であるか。誰もがいつの間にか歳をとり変わってゆくように、毎日続けていればいつの間にか変化していることがある。
この小説、実は母親に捨てられるところから始まるのです。そんな不穏な雰囲気から始まる物語なのに、いつの間にかニヤニヤしながらの読書になっている‥‥荻上マジックですね笑
登場人物誰もが哀しい何かを抱えているのに、なんだか笑えてしまう。そんな夏の夕暮れ‥‥
この夕暮れの描写がなんとも美しいのです。
主人公山田の心を映しているであろう、この夕暮れ。
スーッと映像が浮かび上がります。
夏の夕暮れ。不思議と子どもの頃を思い出します。そして親しい大切な人を思い出すのは私だけでしょうか?
小さな幸せの一冊でした。 -
Posted by ブクログ
以前この映画を見て結構好きだったので、本にも手を伸ばす。
まあ映画見てたから内容は分かってるし新たな感動とかもなかったんだけど、今の今読んだことに意味があるなという読書だった。
個人的に恋人と別れたり人生の不安を感じていたところだったから、本の中の人達の孤独がすごく分かった。
孤独で寂しくて厭世観のある主人公。
決して明るい物語ではないし、読み終わって元気になる物語でもないけれど
少しだけ光がさす、そんな物語。
作者は映画監督なので小説書くのは少し苦労したよう。
確かに本を読んだだけでは物足りないかも。映画も観るのがおすすめ。
みんな孤独で、不安で、どうしようもない人間で
でもいつかは死んでただの骨になる。
そのことが少し、私を安心させてくれる。 -
Posted by ブクログ
ミシンは楽しいよw
ってな事で、荻上直子の『モリオ』
モリオ
エウとシャチョウ
の2編の短編集。
わし仕事柄ミシン踏めるんよ。
モリオもミシンを踏んで自分でスカートを縫い上げるお話。
これ読んどると、わしも自分のスカート縫いたくなってくる
エウとシャチョウはネコちゃんの話。
どちらの話もダメ男の話じゃけど、何か1つだけの秀でた特技や才能を持つモリオとエウの話にホッコリするわ~
萩上さんってかもめ食堂、めがね、やっぱり猫が好き2005等の監督しとるのね
もう、小林聡美、もたいまさこ、片桐はいり、室井滋の大群が迫ってくる感じ(どの映画も観てないけどw)
映画も観たくなりましたし、萩上さんの他の本があったら読みたいな
2021年26冊目