荻上直子のレビュー一覧

  • 川っぺりムコリッタ
    僕=山田は特殊詐欺の前科で出所したばかり。縁があってハイツムコリッタに住むようになり、何気ない日々の中で南親子や島田、溝口親子、ホームレス、職場の社長や中島さんなど関わるようになる。
    幼少期の思い出は良いものではないが、ある日役所から顔も覚えていない父の遺骨の引き取りを頼まれる。最初は拒否したが、周...続きを読む
  • 川っぺりムコリッタ

    不運の中の希望

    自分の置かれた環境に文句を言い続けるか、できることからコツコツ始めるか?
    そんなことを問われているような気がした。

    主人公は不運の星の下に生まれたのかもしれない。
    クーラーのついた広い部屋には一生住めないかもしれない。
    でもそれは必ずしも不幸ではない。むしろ心の平穏を保てる暮らしなのかもしれない。...続きを読む
  • モリオ
    70ページちょっとのお話2つ♪
    愛しくて素敵なそれぞれの主人公達…

    ブク友ゆーき本さんのレビューに「拠り所」とありましたが、不器用な彼らが自分の拠り所となる大切な物を見つけ、心の支えが生きやすくさせてくれる。
    そんな彼らも誰かをちょっとだけ支える。

    癒されました〜:.゚٩(๑˘ω˘๑)۶:.
    ...続きを読む
  • モリオ
    心と身体が疲れている今
    ちょうどいい本に出会えた
    内容もページ数もちょうどいい。うん。


    心の拠り所って本当に大事だなぁ。
    趣味でも人でもモノでも

    私たちが日々の生活の中で壁にぶつかったり、辛いことがあっても、心の拠り所があれば、そこでホッとしたり、心の栄養をもらって元気になって、またがんばろ...続きを読む
  • 川っぺりムコリッタ
    どんなリセットボタンも、本人には救済措置だ。
    ある程度のことは赦されるんだなあ、と読み終わったあとで思えた。

    諦めずに頑張れっていう人もいるけど、諦めることも赦されるんじゃなかろうか。
    諦めている間こそ、ちゃんと休んだり蓄えたりできるんだと思う。
    諦めずに頑張ろうとするから、ちゃんと休むことも蓄え...続きを読む
  • 川っぺりムコリッタ
    高校生の時に母親に捨てられた主人公(山田)。
    出所したら川べりに住み、何かを覚悟したように、ひっそりとつつましく過ごしたいと思っていた。
    北陸地方にあるイカの塩辛工場に仕事が決まり、社長の紹介で、ムコリッタという名前の二階建て木造アパートで暮らすことになる。
    時おりよみがえってくる遠い昔の記憶を無理...続きを読む
  • 川っぺりムコリッタ
    以前映画で見ましたが、原作を読んでみた。
    読んでる間ずっと、あの炊飯器に入れる米の水を真剣に図る松山ケンイチが頭の中にいた。
    映画よりより映像化して頭の中に浮かんできた。
    南さんのそっけなさ、洋一のピアニカの音、島田さんの暑苦しさ、社長の「今、辞めんな」の一言。

    とても良い。
  • 川っぺりムコリッタ
    映画の原作。刑を終えた青年が川べりのムコリッタというアパートで暮らし始め、住人や缶詰工場の人達と触れ合う中で、縁が薄かった父の死を知り、遺骨を引き取る羽目になり、亡き父と遺骨の始末について考える。
    淡々としたストーリーだが平和を感じた。
  • モリオ
    とても、優しい物語だと思いました。
    実直で、しかしどこか自分に引け目を感じている登場人物たちが、他者とのふれあいを経て、自分の弱いところを個性として認めてあげられるようになる…。
    強い言葉や主張が出てこないので、全体的にパステルカラーな雰囲気を感じました。それゆえ、心に沁みます。
  • 川っぺりムコリッタ
    映画監督でもあり脚本家でもある荻上直子さん。映画『かもめ食堂』が大好きで、私にしては珍しく3回も再見している。今回も彼女の世界観に酔い痴れた。
    故郷の町に大きな川が流れていたからなのか、何となく川べりに惹かれる。海とは違い、川に沿って住居が立ち並び暮らし向きがかいま伺える距離感が良いのだ。
    川っぺり...続きを読む
  • 川っぺりムコリッタ
    映画を知ってから本の事も知って。迷ったけれども本から読みました。
    帯に書かれている、友達でも家族でもないでも、孤独ではない登場人物達の関係。
    生きるのに不器用だったり、自分にはどうにも出来ない過去を持つ人達がまた上手いとはいえない距離感で同じアパートで暮らしている。
    みんな結構ギリギリな生活をしてい...続きを読む
  • モリオ
    足踏みミシンを踏む母の傍らで、じっと聴いていた心地よいリズムとほんのり漂う油の匂い。
    私の母もかつて足踏みミシンを使っていたので、私の中の記憶とシンクロする。
    母が幼いモリオのために選んだ布は暖かい春の匂いのするような花柄。
    亡き母から譲り受けた足踏みミシンで、今度はモリオがスカートを縫う。
    「ひだ...続きを読む
  • モリオ
    荻上監督の好む独特のクセ、個性というよりは変質とか変態の一歩手前の、普通の人にはあまりなさそうな、或いは違和感を覚えるであろう個々人の逸脱した部分が矢鱈と目に付くが、そこがどうにも心地良くて仕方のない作品。二本立てだが、同一世界の出来事のよう。以前、イトイ新聞で監督が紹介していた前川麻子さんの小説ほ...続きを読む
  • モリオ
    やっぱり荻上さんだなあ、と思った。
    読んでいて何度もじわじわい涙が出てきてしまう。
    モリオやエウのような人が近くにいるからかもしれない。
    それを感じ取れるひと、その世界を理解できる人は、きっと「かもめ食堂」が好きだとおもう。
    ミシンの思い出は、私の記憶にもつながる。
    母のマンションを片付けながら、最...続きを読む
  • モリオ
    映画「かもめ食堂」や「めがね」の監督による初の小説作品。流れる空気感が映画と同じく温かく優しくユーモアに包まれていました。
    表題作「モリオ」は映画「トイレット」の原案となったもの。母の遺した足踏みミシンでスカートを縫い、それを身に着ける青年の話。「エウとシャチョウ」は猫のお世話役を務める青年と耳かき...続きを読む
  • モリオ
    とびきりお気に入りの布地で、何かをつくりたくなる本。雰囲気ばかりの本は苦手なのだが、この本の空気は心地よく、読後しばらくは余韻にひたっていました。
    エウの話は、淋しくなりがちなネコちゃんとの最後をちょっと違った角度から。シャチョウ最高。
  • モリオ
    女性映画監督で、小説も上手いというと、西川 美和さんがいる。 映画「ゆれる」、「ディァ・ドクター」も良かったし、小説「きのうの神様」はすごく良かった。 荻上直子さんもまさにそうだ。 「モリオ」は、映画「かもめ食堂」「めがね」「toilet」の荻上 直子監督の第1作目の小説。 「モリオ」と「エウとシャ...続きを読む
  • 川っぺりムコリッタ
    言葉の意味を全く知らなくて、その響きだけで何やら可愛らしいものを想像して読み始めたら…
    生や死についてあらためて向き合う時間になった。
    自分の生きている時間を、どんな気分で生きるかは自分で決められるんだよな。
    どこかほわっと温かくなる、生きる糧になる作品でした。
  • 川っぺりムコリッタ
    優しさに溢れて。
    どかーんという大きなシアワセではなく、
    日常に潜んでる静かなシアワセん見つけるって大事だな。
  • モリオ
    心温まる本だった。
    社会的に成功していなくてもすごく綺麗な心を持っている。
    私の身内はモリオやエウのような人だ。
    不器用でもその良さを知ってくれる人に出会い、彼らのように自分なりの幸せを感じて欲しいな…