荻上直子のレビュー一覧

  • 川っぺりムコリッタ

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    いいお話だった。
    脚本家の作品だけあって、映画をみているみたいに読むことができた。
    せつな、たせつな、ろうばく、むこりった

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    2024年10月13日
  • 川っぺりムコリッタ

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    ネタバレ

    僕=山田は特殊詐欺の前科で出所したばかり。縁があってハイツムコリッタに住むようになり、何気ない日々の中で南親子や島田、溝口親子、ホームレス、職場の社長や中島さんなど関わるようになる。
    幼少期の思い出は良いものではないが、ある日役所から顔も覚えていない父の遺骨の引き取りを頼まれる。最初は拒否したが、周囲の人たちの言葉から複雑な気持ちのまま引き取ることになり、ラストではみんなと見送りの儀式をしながら、両親を許す気持ちや、幸せを求める自分を許す気持ちが持てるようになる。

    ものすごい事件があるわけではないし、生きる意味なんて誰もわからない毎日だけど、山田がそれで良いと思えた時から空気が晴れて、前を向

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    2024年03月21日
  • 川っぺりムコリッタ

    匿名

    購入済み

    不運の中の希望

    自分の置かれた環境に文句を言い続けるか、できることからコツコツ始めるか?
    そんなことを問われているような気がした。

    主人公は不運の星の下に生まれたのかもしれない。
    クーラーのついた広い部屋には一生住めないかもしれない。
    でもそれは必ずしも不幸ではない。むしろ心の平穏を保てる暮らしなのかもしれない。

    #切ない #深い #ハッピー

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    2024年03月03日
  • モリオ

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    70ページちょっとのお話2つ♪
    愛しくて素敵なそれぞれの主人公達…

    ブク友ゆーき本さんのレビューに「拠り所」とありましたが、不器用な彼らが自分の拠り所となる大切な物を見つけ、心の支えが生きやすくさせてくれる。
    そんな彼らも誰かをちょっとだけ支える。

    癒されました〜:.゚٩(๑˘ω˘๑)۶:.
    これからもちょっとの幸せを感じながら生きていこうと思いました♪


    最近暑いからワンコの散歩は夜に娘と…
    月が綺麗だ、目印星は金星だ、あの星座はなんだ?
    わからんな……ウンチとって
    などと話す時間はなんか幸せ(⑉︎• •⑉︎)♡︎


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    2023年07月25日
  • モリオ

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    心と身体が疲れている今
    ちょうどいい本に出会えた
    内容もページ数もちょうどいい。うん。


    心の拠り所って本当に大事だなぁ。
    趣味でも人でもモノでも

    私たちが日々の生活の中で壁にぶつかったり、辛いことがあっても、心の拠り所があれば、そこでホッとしたり、心の栄養をもらって元気になって、またがんばろうって思える。

    ネットで「心の拠り所」=「安心基地」って書いてあったなぁ。わたしの心の拠り所ってなんだろ?

    中編2作 収録 「モリオ」と「エウとシャチョウ」
    主人公のモリオもエウも、社会生活に息苦しさ 生きづらさを感じていて、ひょんなことから「心の拠り所」に出会えるお話。モリオには「足踏みミシン

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    2023年07月16日
  • 川っぺりムコリッタ

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    どんなリセットボタンも、本人には救済措置だ。
    ある程度のことは赦されるんだなあ、と読み終わったあとで思えた。

    諦めずに頑張れっていう人もいるけど、諦めることも赦されるんじゃなかろうか。
    諦めている間こそ、ちゃんと休んだり蓄えたりできるんだと思う。
    諦めずに頑張ろうとするから、ちゃんと休むことも蓄えることもできないのだ。
    諦めたくないことにだけピンポイントで、そのときだけ頑張ればいい。

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    2023年05月10日
  • 川っぺりムコリッタ

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    高校生の時に母親に捨てられた主人公(山田)。
    出所したら川べりに住み、何かを覚悟したように、ひっそりとつつましく過ごしたいと思っていた。
    北陸地方にあるイカの塩辛工場に仕事が決まり、社長の紹介で、ムコリッタという名前の二階建て木造アパートで暮らすことになる。
    時おりよみがえってくる遠い昔の記憶を無理やり消し去りながら、殺風景な部屋で暮らし始める様子に、せつなさがこみ上げてくる。

    一風変わった、わけありの住人たちと関わりはじめる中、父親かもしれない男が孤独死したらしいので、遺骨を引き取ってほしいという連絡が入り、少しずつ少しずつ、山田の周りが変わり始める。

    アパートの住人全員が家族のようにふ

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    2023年05月03日
  • 川っぺりムコリッタ

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    以前映画で見ましたが、原作を読んでみた。
    読んでる間ずっと、あの炊飯器に入れる米の水を真剣に図る松山ケンイチが頭の中にいた。
    映画よりより映像化して頭の中に浮かんできた。
    南さんのそっけなさ、洋一のピアニカの音、島田さんの暑苦しさ、社長の「今、辞めんな」の一言。

    とても良い。

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    2023年02月19日
  • 川っぺりムコリッタ

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    ネタバレ

    映画の原作。刑を終えた青年が川べりのムコリッタというアパートで暮らし始め、住人や缶詰工場の人達と触れ合う中で、縁が薄かった父の死を知り、遺骨を引き取る羽目になり、亡き父と遺骨の始末について考える。
    淡々としたストーリーだが平和を感じた。

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    2023年02月19日
  • モリオ

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    とても、優しい物語だと思いました。
    実直で、しかしどこか自分に引け目を感じている登場人物たちが、他者とのふれあいを経て、自分の弱いところを個性として認めてあげられるようになる…。
    強い言葉や主張が出てこないので、全体的にパステルカラーな雰囲気を感じました。それゆえ、心に沁みます。

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    2023年02月09日
  • 川っぺりムコリッタ

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    映画を知ってから本の事も知って。迷ったけれども本から読みました。
    帯に書かれている、友達でも家族でもないでも、孤独ではない登場人物達の関係。
    生きるのに不器用だったり、自分にはどうにも出来ない過去を持つ人達がまた上手いとはいえない距離感で同じアパートで暮らしている。
    みんな結構ギリギリな生活をしている中で互いの存在にささやかな幸せに喜びを感じ、思いやり。
    映画ではその登場人物達を魅力的に俳優さん達が演じています。
    コツコツと続ける。小さな幸せを感じる。
    この2つを忘れなければ人は生きていけるのかもしれない。

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    2023年02月07日
  • 川っぺりムコリッタ

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    映画監督でもあり脚本家でもある荻上直子さん。映画『かもめ食堂』が大好きで、私にしては珍しく3回も再見している。今回も彼女の世界観に酔い痴れた。
    故郷の町に大きな川が流れていたからなのか、何となく川べりに惹かれる。海とは違い、川に沿って住居が立ち並び暮らし向きがかいま伺える距離感が良いのだ。
    川っぺりに佇む築50年の「ハイツ・ムコリッタ」が物語の背景となる。まず表紙の裏にムコリッタの意味が小さな文字で説明されていた。「ムコリッタ」は「牟呼栗多」と書いて仏教用語における時間の単位のひとつ、ここでは「ささやかな幸せの時間」という意味のタイトルとなったのだろう。換算すると1ムコリッタは48分。つまり人

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    2023年02月08日
  • モリオ

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    ネタバレ

    足踏みミシンを踏む母の傍らで、じっと聴いていた心地よいリズムとほんのり漂う油の匂い。
    私の母もかつて足踏みミシンを使っていたので、私の中の記憶とシンクロする。
    母が幼いモリオのために選んだ布は暖かい春の匂いのするような花柄。
    亡き母から譲り受けた足踏みミシンで、今度はモリオがスカートを縫う。
    「ひだり布地屋」のおばさんと黒猫の三郎さんが選んでくれた花柄の布で。
    モリオにとって足踏みミシンを踏んでいる時が唯一の、大好きだった母と向き合える穏やかな至福の時。
    人は安らぎの時間が持てれば心地好く生きていけるのかもしれない。
    ちょっぴり不思議で、心の奥をきゅっと掴まれる文章がたまらなく好き。

    もう一

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    2018年12月08日
  • モリオ

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    荻上監督の好む独特のクセ、個性というよりは変質とか変態の一歩手前の、普通の人にはあまりなさそうな、或いは違和感を覚えるであろう個々人の逸脱した部分が矢鱈と目に付くが、そこがどうにも心地良くて仕方のない作品。二本立てだが、同一世界の出来事のよう。以前、イトイ新聞で監督が紹介していた前川麻子さんの小説ほど重くもないが、独特のクセを持つ人々が醸し出す不思議な感じがイイ。荻上監督の持つ世界、やっぱり好きだな。

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    2017年09月15日
  • モリオ

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    ネタバレ

    やっぱり荻上さんだなあ、と思った。
    読んでいて何度もじわじわい涙が出てきてしまう。
    モリオやエウのような人が近くにいるからかもしれない。
    それを感じ取れるひと、その世界を理解できる人は、きっと「かもめ食堂」が好きだとおもう。
    ミシンの思い出は、私の記憶にもつながる。
    母のマンションを片付けながら、最後まで捨てられなかった足踏みミシン。
    小さいころの記憶がよみがえってきた。

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    2015年04月14日
  • モリオ

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    映画「かもめ食堂」や「めがね」の監督による初の小説作品。流れる空気感が映画と同じく温かく優しくユーモアに包まれていました。
    表題作「モリオ」は映画「トイレット」の原案となったもの。母の遺した足踏みミシンでスカートを縫い、それを身に着ける青年の話。「エウとシャチョウ」は猫のお世話役を務める青年と耳かきの上手な女性耳鼻科医と癌におかされた猫の話。どちらも現代社会を生き難い人々を温かく見守る視点が優しいです。でもただ優しいだけでなく、登場人物たちは自分で自分を認めて、自分の足で立ち進んでいくんですけどね。自分のペースで。そこが素敵です。

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    2013年09月30日
  • モリオ

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    とびきりお気に入りの布地で、何かをつくりたくなる本。雰囲気ばかりの本は苦手なのだが、この本の空気は心地よく、読後しばらくは余韻にひたっていました。
    エウの話は、淋しくなりがちなネコちゃんとの最後をちょっと違った角度から。シャチョウ最高。

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    2012年08月17日
  • モリオ

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    女性映画監督で、小説も上手いというと、西川 美和さんがいる。 映画「ゆれる」、「ディァ・ドクター」も良かったし、小説「きのうの神様」はすごく良かった。 荻上直子さんもまさにそうだ。 「モリオ」は、映画「かもめ食堂」「めがね」「toilet」の荻上 直子監督の第1作目の小説。 「モリオ」と「エウとシャチョウ」の2作からなる。 まず、表紙。 この青年は、映画「toilet」の次男モーリーそのもので驚く。 じゃあ、お話はというと、ミシン、スカートといったモチーフは同じでも、全く違うお話だった。 モリオは人づきあいが苦手な会社員。 母が亡くなり、遺品整理をしてたら、古い足踏みミシンを見つける。 小さい

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    2011年08月06日
  • 川っぺりムコリッタ

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    映画見てないのだけど、じんわり優しい時間が流れていて好きな感じだった。

    刑務所から出てきた山田が、自分の人生に意味を見いだせず、身を寄せた川っぺりのハウスムコリッタ。風変わりな人達が肩を寄せるように住んでいるその場所で、山田は少しづつ自分を取り戻していく。再生の物語は沢山あるけれど、なにか劇的に変わるでなく、こんな風に小さい幸せを噛みしめるように生きることが救いになるのは、すごく自然な気がして、読んでて安心した。

    ムコリッタって仏教の時間の単位で48分のことらしい。
    何でもない1日に少しづつの変化。その変化の中にひとりじゃないと思えるひととき。そんな変化はただ生きて、積み重ねることでやって

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    2024年09月03日
  • 川っぺりムコリッタ

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    言葉の意味を全く知らなくて、その響きだけで何やら可愛らしいものを想像して読み始めたら…
    生や死についてあらためて向き合う時間になった。
    自分の生きている時間を、どんな気分で生きるかは自分で決められるんだよな。
    どこかほわっと温かくなる、生きる糧になる作品でした。

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    2023年10月22日