酉島伝法のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ・はぐれ者のブルー:九岡 望
色を塗ることに執着する電基漁師と知識に執着するケイ素生物が共に旅をする羽目になった話。ラストが弱い。色を残す習慣という話は全然魅力的でない。村の人に思いが伝わったからハッピーエンドでしょ、という安直な考えが透けて見える。
・破綻円盤-Disc Crash-:小川一水
巨大階層都市内にあるはずの恒星について仮説を何重にも展開しつつ、ラストは更なる長い旅路を示唆するストーリー。
検温者と非力なケイ素生物の奇妙な男女関係含めて非常に緊張感のある展開。この話の続きを読みたくなるくらい魅力的。
・乱暴な安全装置ー涙の接続者支援箱ー:野崎まど
セーフガードがバカすぎ。作者が大好きなキャラが滑稽に見える。つまり作者がバカ。
・堕天の塔:酉島伝法
階層都市内を落下し続ける塔の中にいる統治局の代理構成体達に起こる悲劇。時間軸や空間のねじれなど不確かな現実世界を構築していてそれがBLAME!の世界観とマッチしている。
・斜線:飛 浩隆
ネットスフィア構築前から存在していた環境調和機連合知性体によるクーデター。巨大すぎる存在が暴走していく様は作者の暴走にも見えるが、展開される理屈とラストに主人公が帰ってくるストーリーは見事なファンブックと思う。 -
Posted by ブクログ
とても有機的に絡み合った気味の悪いSF。言葉の羅列に留まらず、ちゃんと世界が作り込まれているのが凄いと思う。言語表現の極限に挑戦しているよう。(解説を読むまで…どんな世界と時系列なのか全然わからなかった…)
最後まで流し読むと、なんとなーくわかってきます。
P15「…殆どが干涸びていたが、並びの右端にある閨胞だけは熟れた無花果の膨らみを保っていた。その頂に隆起した筋肉質の搾門から、従業者のやや間延びした頭が芽吹きだした。内膜に繁る繊舌に送り出され、痩せた裸身が分泌液の糸を引いて、搾門の輪からづるりと甲板上に吐き出される。」
冒頭の、「従業者」が起きる場面。肉に溢れていて粘質で、気持ちワルイ。感覚に訴えてぞわぞわギトギトする。無機質で寒々しいSFに慣れた物語とは正反対。言葉の多くは意味不明だし、「食餌」は拳大の孕虫に、大小の蝓布、腐敗しかけた皿管(けっかんもどき)など、もはや生理的に受付けない。
世界観が精密に作りこまれていて、どこかで聞いたような、でも全然わからないような漢字が並んでいる。時折混じる現代社会の言葉(ラザニア、湖畔など)を懐かしく感じる。