草薙厚子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
あの少年Aが医療少年院を経てどう更生しますかお立会い。
そういうセンセーショナルな内容であるし、アタシも俗物なので、そのへんに惹かれて読むわけです。そも、医療少年院での「矯正」とはなにをするのか。
で、有り体に申せば、「諸処の事情で普通の人間と違って精神的に育たなかった部分があるから、もう一回その部分だけ育てなおそう」となる。こうやってみるとやっていることは「正しく矯める」のではなくて、発育不良の部分を暖かく伸ばしてやろう、みたいな。
で、事件から2,500日、少年Aは手に職をつけて仮出所となります。世間に出してしまって、こやつ大丈夫なのか。本文を読む限り大丈夫そうではあります -
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ネタバレ神戸児童連続殺傷事件後を引き起こした少年Aの更生記録。少年Aの父母が書いた著書を読んだ後も疑問に感じていた「なぜ少年Aは殺人を行ったのか?」が、一部納得できた本であった。少年Aの生い立ちに加え、「性的サディズム」が犯行の最終的後押しになったようだ。そのメカニズムの解明は、少年Aを医療少年院で更生教育を行う経過で分かった結論である。しかも、更生教育により彼は自分が起こした事件の罪深さを実感するに至り、かつ退院後現在に至るまで再犯を犯していない。凶悪犯罪を引き起こした少年に対し厳罰を望む世論が強まっている。一方で、著書は更生教育を行うことで事件の真相が解明されたことを示している。罪を心から理解し、
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いくつか示された実例の共通項は,当人のパーソナリティはもとより親の子どもに対する接し方,子どもの受け止め方,興味関心の狭さ,友人関係,TV・ゲーム・PCへの耽溺など。これに加えて,契機となる出来事やその他の複合的な要素が絡み合って行きつくところまで辿り着いてしまった悲劇であるということ。中でも大きな要素は毎日過ごす家庭に,幼い頃から安心と逃げ場がなかったことだろう。併読しているアードラーに関する文献に,「だめな行動をすることで親を罰したいと思う」という記述もあるが,生育過程における「家族布置」「家族の雰囲気」「家族価値」の問題が最も大きいのではないかと思う。
私等は近所の小学校1年生から6 -
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ジャーナリストで
ノンフィクション作家の著者が
事件取材した虐待事件について
書かれている
はじめに(抜粋)
実際に現場を体験するために、
児童相談所で働き、
一時保護や家庭復帰のための
面談などの仕事を目の当たりにしてきた。
そこで虐待問題の根深さを、
あらためて思い知ったのである
第一章
虐待が起こりやすい家庭
第二章
目黒女児虐待事件
第三章
野田小4女児虐待事件
第四章
札幌2歳女児衰弱死事件
第五章
富田林女児置き去り死亡事件
第六章
公的機関は何ができるのか
第七章
内側から見た児童相談所のリアル
第八章
虐待する親、虐待される子どもの脳
第九章
発達障害と虐待 -
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少年Aは、母親に対して、愛されたいという思いと憎しみのアンビバレントな感情を抱いていたようだ。
少年Aは、性的サディズムを抱いていた事は、確かなようだ。
この本を通して、日本の少年院では非常に高度な更生プログラムがなされている事を知った。
自分の残酷性に全く無頓着であった少年Aが、多くの関係者、スタッフの努力により、最後には、被害者に一生掛けて償いたいとなるまで、更生できたのは、ある意味、奇跡的であると思う。
しかしながら、何ら反省せずに更生に失敗した場合に比べて、ベストな結果であったが、国家プロジェクトで、犯罪を犯した少年Aに、多くの優秀なスタッフが関わり、手厚い更生プログラムが行わ -
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育児をしている身として、子供を被害者にしたくない、それ以上に加害者にしたくない、という思いから、少年少女の犯罪はどのようにして起こったのかが知りたいと思った。
きっかけは神戸の少年A。その両親の手記を読んだ。ごく普通の両親。虐待はない。愛着障害が起こる環境ではないはず。ただ、少年Aの嘘を見破ることはできなかった。しかし書評を読むと、多くの人が両親を「自己保身の内容」「真実を語っていない」と糾弾している。本当にそうか?サイコパスは生まれつきの問題であり、知能が高く、外向きは愛想が良い、というのを知っていた(海外ドラマが好きなので)。まさにそれではないか?日本ではどのような判断のもと治療を行ったの -
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ふとすると普通に再生の物語として読めてしまい、その度に被害者の事を考えて我に返りながら読んだ。応援したくすらなった。ただこれが出版されて10年経って彼が手記を出版したりウェブサイトを立ち上げたりしているのを見ると、なんだか少し虚しくなるし、この10年彼に起きたことの凄まじさすら想像してしまう。それにしても、ジャーナリズムってのは今から仮にも更生しようとしている人の姿をこうまで赤裸々に世に送ってしまっていいものか?前述の彼の行動もこれら全ての報道(全てが悪とは言わない)に一因を感じてしまう。つまるところ、壮大な祭りとして扱われたって事なのかな。
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…私、この人嫌いかも。
『少年A矯正2500日』の時も思ったんだけど、先天的な機能障害と決めつけ過ぎな気がする。
この人がよっぽど鈍い中高生時代を過ごしたのか、
私がやっぱり発達障害なのか…なんだろうな。
後者の方が、ありそうか(^^;
いや~でも、程度の差こそあれ、皆そんな危ういところを綱渡りみたいにして、生き延びたんじゃないのかな?思春期って。
少なくとも私は著者が「不可解」と表現する彼らの行動(もちろん殺人は除くけど)「あるある」「あぁ~、そうなっちゃうよね」って読むけどな…。
生まれつきの欠陥のケースも、もちろん無い訳じゃないだろうけど、
人間なんて、完成品として生まれてこない訳じ -
Posted by ブクログ
近年、センセーショナルな少年犯罪の話題に尽きない。
昔は不良グループを中心とした万引きや暴力が主であった。
最近のテレビで耳にする事件の犯人は、なんてことない、
至って普通な少年である。
彼らの犯罪は万引きや暴力ではない。
同級生の頸動脈をカッターナイフで切り付けて殺害。
幼少時代から繰り返してきた生物の解剖に興味が促進され、
人体の解剖を試みたいという欲求を満たすために一家を殺害。
正常な精神状態では決して実行しえない、猟奇的殺人事件なのである。
本書では、今の少年が犯す数々の犯罪の実態、その背景、
および犯罪を未然に防ぐ方法の考察がなされている。
少年が異常犯罪を犯す原因は、ゲームやパ -
Posted by ブクログ
過去に少年少女が起こした異常な犯罪、神戸の「酒鬼薔薇聖斗」、長崎佐世保市の小六女子が同級生の首をカッターで切りつけて殺害した事件など、彼・彼女たちの非行は、離婚などの家庭の不和や貧困を起因とした、昔型の非行とは異なり、「普通の家庭」で育った、はたから見たら普通の子供が起こしたもの。作者は、彼・彼女たちの育った「普通の家庭」には、二つの共通点があると指摘する。
・過干渉・・・親が子どもを自分の理想の型に嵌め込もうと必要以上に、躾を厳しくするなど、過剰に過干する。
・放任・・・ゲーム、インターネット、ビデオなどの関わりを放置してしまう。
なかなか、参考になる本でした。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ友人と凶悪犯罪を犯した犯罪の背景について議論したことがきっかけで手に取った本。神戸の酒鬼薔薇事件を犯した少年Aの、事件を犯してから少年院に入り、保護観察を終えるまでの矯正の記録が描かれている。
本書を読むまで、私は少年Aの犯した神戸での事件について、事件の表面的な部分しか知らなかった。凶悪犯罪の背景に、親と子の関係性(本書では、少年Aが母親からの愛情を十分に受け取ることができなかったこと)があったことを考えると、少年凶悪犯罪が単に人ごととは思えず、子の育ち方次第で誰にでも起こりうることなのだと思う。そういう意味で、犯罪の背景を掘り下げて理解することは、自分にとっても社会にとっても、同様の事件