あらすじ
なぜ、悲劇は繰り返されるのか?
なぜ、誰も命を救えなかったのか?
実際に児童相談所で働いたジャーナリストが
内側から見た、児童虐待 vs. 公的機関のリアルと、
虐待する親、される子どもの「脳」の特性とは?
【本文・「はじめに」より】
私は実際に現場を体験するために、児童相談所で働き、一時保護や家庭復帰のための面談などの仕事を目の当たりにしてきた。
そこで虐待問題の根深さを、あらためて思い知ったのである。
しかし、日本は相変わらず児童虐待防止の後進国といわざるをえない。
大手芸能事務所の創業者による未成年者への性的虐待がおよそ50年にわたって繰り返されてきたことが、
いまになって問題になっている。
これまで『週刊文春』が疑惑に対して何度も報道してきたが、この事実を日本のメディアのほとんどは無視し、
創業者が生きているときに刑事訴追できなかった事件だ。忖度を続けてきた関係者の責任や若者への影響はあまりにも大きい。
昨今のニュース報道で「虐待」の2文字を目の当たりにすることが多くなっていることに気づかない人はいないだろう。
密室の行動であるため、見えないところで確実に子どもへの虐待は増えているのは間違いない。
虐待の事件の報道は連日のようにされているにもかかわらず、
その事件のみに焦点が当たってしまい、
残念ながら虐待による子どもの脳への悪影響を報道している番組をほとんど見たことがない。
昨今、保護者が行う虐待だけではなく、近親者、仕事関係者からの性的虐待も問題になっている。
長年にわたって未成年者に性的虐待が繰り返され、
それがトラウマとなり、いまだに苦しんでいる人が多数いるのは報道にもあるとおりだ。
コロナ禍後の生活様式の変化によって子どもをとりまく環境も大きく変わりつつある。
子育て最中の保護者はもちろん、子育ては終わったが、
地域社会ではまだ子どもと接する機会がある人も、ぜひ本書で子どもをとりまく虐待の現状を知ってほしいと思う。
【目次】
はじめに
第1章 虐待が起こりやすい家庭
第2章 目黒女児虐待事件
第3章 野田小4女児虐待事件
第4章 札幌2歳女児衰弱死事件
第5章 富田林女児置き去り死亡事件
第6章 公的機関は何ができるのか
第7章 内側から見た児童相談所のリアル
第8章 虐待する親、虐待される子どもの脳
第9章 発達障害と虐待
おわりに
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ジャーナリストで
ノンフィクション作家の著者が
事件取材した虐待事件について
書かれている
はじめに(抜粋)
実際に現場を体験するために、
児童相談所で働き、
一時保護や家庭復帰のための
面談などの仕事を目の当たりにしてきた。
そこで虐待問題の根深さを、
あらためて思い知ったのである
第一章
虐待が起こりやすい家庭
第二章
目黒女児虐待事件
第三章
野田小4女児虐待事件
第四章
札幌2歳女児衰弱死事件
第五章
富田林女児置き去り死亡事件
第六章
公的機関は何ができるのか
第七章
内側から見た児童相談所のリアル
第八章
虐待する親、虐待される子どもの脳
第九章
発達障害と虐待
表面しかわからなかった虐待事件の内側
「連携」の言葉だけが使われ
実際は情報共有さえできていない
縦割り行政の弊害が「命」を救えなかった
うぅーっと胸が苦しくなった
怒りや悲しさやいろんな感情がでてきた
虐待を受けた子どもを家庭に戻すことが
子どもにとって望ましいだろうか?
虐待事件が報道されるたびに
何度繰り返せばよいのか?
DVと虐待は同じ家庭で起きているのに
実父や義父からの性虐待も
実際に起こっている
他の虐待に比べて
トラウマをより多く
与えてしまうのが性虐待
子ども自身が性虐待だと自覚するまで時間を要し
なかなか表に出ない場合が多いと実感する
おわりに(抜粋)
子どもは養育される環境はもちろん、保護者との関係性、生育歴によって、ほぼ将来が決まってしまう。
まだまだ日本の社会では虐待に関しての意識が低いといわざるをえない
⬆️本当に。
日本はあらゆる暴力に対して、意識が低すぎると心底思う!
この本を読んで
子どもには(女性も!)生きにくい社会だと感じてほしい