【感想・ネタバレ】少年A 矯正2500日 全記録のレビュー

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Posted by ブクログ

神戸連続児童殺傷事件においての犯人酒鬼薔薇聖斗の少年Aの矯正の過程。これは今まで私が読んだ本で一番面白かった。まだ学生の頃にこのニュースが広がってずっと興味深いものがあり、少年の生い立ちや事件を起こした理由などが気になっていました。この本で全てが理解できました。矯正の過程もよく分かりました。そして完全に酒鬼薔薇聖斗が消えたことにおいては私もすごく嬉しかった。やはり周りのサポートってすっごく大事なんですよね。少年の両親の手記この子を生んで…も読んでみたいと思っています。

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2023年08月27日

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少年Aの「矯正」の経過がメインであるが、事件の詳細や生育歴も書かれてあり、理解しやすい。筆者が最後に少年Aには自らの口から真相を語ってほしいと書いているが、実際に「絶歌」という本人の手記が出版された。絶歌を読むにあたって合わせてこの本にも目を通しておくべきだろう。少年Aは寛解したとのこと。支援者の熱意を感じる。それとともに、解説で有田芳生が少年Aは生育半年から母親に体罰を加えられていたと語っている事実には驚いた。第二の少年Aが出てこないためにはどうしたら良いのだろうか。

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2015年06月19日

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 あの少年Aが医療少年院を経てどう更生しますかお立会い。
 そういうセンセーショナルな内容であるし、アタシも俗物なので、そのへんに惹かれて読むわけです。そも、医療少年院での「矯正」とはなにをするのか。

 で、有り体に申せば、「諸処の事情で普通の人間と違って精神的に育たなかった部分があるから、もう一回その部分だけ育てなおそう」となる。こうやってみるとやっていることは「正しく矯める」のではなくて、発育不良の部分を暖かく伸ばしてやろう、みたいな。
 で、事件から2,500日、少年Aは手に職をつけて仮出所となります。世間に出してしまって、こやつ大丈夫なのか。本文を読む限り大丈夫そうではあります。

 が、しかし、ただしかし。最終章がすごかった。
 被害者の、殺された3人の家族は、まだ何も片付いてないのです。

 日本の精神医療すげー! の反面、喪失から先の歴史はひとつもないのだ。
 おそらく書き手も、自分の取り扱っているもののセンセーショナルさと危険性をよくわかっていらしたと思います。それゆえの配慮の行き届いた、緻密な仕事、でした。

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2013年07月04日

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ネタバレ

神戸児童連続殺傷事件後を引き起こした少年Aの更生記録。少年Aの父母が書いた著書を読んだ後も疑問に感じていた「なぜ少年Aは殺人を行ったのか?」が、一部納得できた本であった。少年Aの生い立ちに加え、「性的サディズム」が犯行の最終的後押しになったようだ。そのメカニズムの解明は、少年Aを医療少年院で更生教育を行う経過で分かった結論である。しかも、更生教育により彼は自分が起こした事件の罪深さを実感するに至り、かつ退院後現在に至るまで再犯を犯していない。凶悪犯罪を引き起こした少年に対し厳罰を望む世論が強まっている。一方で、著書は更生教育を行うことで事件の真相が解明されたことを示している。罪を心から理解し、自覚し、背負い、今後社会で何十年も生きていくことは、死刑以上に苦しいことではないかとも感じる。少年Aの更正を支援するに当たっては、特別プロジェクトが組まれ、手厚い教育がなされた。スタッフ達の心の葛藤も想像を超えるものだったのではないか。私個人は、死刑の推進に賛成しない。もしも、少年Aに行われたような更生教育が行われるのであれば、犯罪を犯した少年が罪を自覚して生きることの方が重い罰に成り得ると思っている。ただ、著者がこの著書で記したような情報公開を、国が社会に向けて果たすことも必要だ。真相の情報公開があってこそ、社会の安心が補完されると考える。いつか裁判員になる時がくるかもしれない。人が人の死を決めて良いものか、死が最も重い罰に成り得るのか、死刑は凶悪犯罪の抑止に本当に成り得るのか、もっともっと国民も考えていかなければならない。少年Aが罪を背負い、人生を全うすることを願っている。

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2012年05月07日

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2010年に読んだ本の中で1番考えさせられた。人の歪みはみんなで助けてあげられる。この世の中でどれだけ他人の叫びに気づけるか。

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2011年01月05日

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この間少年Aの両親の本を読んだので、この本を見つけて読んでみました

更生に関わられた全ての方の大変さと努力と愛情を感じ、表面しか知らなかった事件のその後の事実を知りました。

仕事だからといってできる範囲を超えていると思いました

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2022年06月11日

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少年Aは、母親に対して、愛されたいという思いと憎しみのアンビバレントな感情を抱いていたようだ。

少年Aは、性的サディズムを抱いていた事は、確かなようだ。

この本を通して、日本の少年院では非常に高度な更生プログラムがなされている事を知った。

自分の残酷性に全く無頓着であった少年Aが、多くの関係者、スタッフの努力により、最後には、被害者に一生掛けて償いたいとなるまで、更生できたのは、ある意味、奇跡的であると思う。

しかしながら、何ら反省せずに更生に失敗した場合に比べて、ベストな結果であったが、国家プロジェクトで、犯罪を犯した少年Aに、多くの優秀なスタッフが関わり、手厚い更生プログラムが行われたのは、被害者の事を思うと、また、一国民としても複雑な思いを抱く。

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2021年04月14日

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あの有名な酒鬼薔薇聖斗を更生させようと奮闘した少年院の人たちの話です。かなり主観が入っているので実際はどうか分かりませんが、奮闘した感は伝わりました。著者自身が少年院で勤めていたけれど、ハラスメントを受け退職してジャーナリストになったという経歴があるので、ちょっと偏った見方がある感は否めません。でも、彼が性的サディストだったとは知りませんでした。

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2020年02月02日

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世間からの憎悪の的となった事件の加害者が、少年であったために、矯正を試みることになったプロフェッショナルたちの姿が生々しく描かれています。

著者も、かつて同じ職場で志を持って働いていたからこそ、そこで現実に立ち向かう姿を本音でとらえることができたのではないかと感じます。

一方で、それを苦々しく思う人々の存在も描かれています。いかに生きるか、いかに信じるか、そして、いかに罰するかについて、考えることができるでしょう。

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2016年05月30日

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ふとすると普通に再生の物語として読めてしまい、その度に被害者の事を考えて我に返りながら読んだ。応援したくすらなった。ただこれが出版されて10年経って彼が手記を出版したりウェブサイトを立ち上げたりしているのを見ると、なんだか少し虚しくなるし、この10年彼に起きたことの凄まじさすら想像してしまう。それにしても、ジャーナリズムってのは今から仮にも更生しようとしている人の姿をこうまで赤裸々に世に送ってしまっていいものか?前述の彼の行動もこれら全ての報道(全てが悪とは言わない)に一因を感じてしまう。つまるところ、壮大な祭りとして扱われたって事なのかな。

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2016年01月18日

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読み物としても、充分に読み応えのある一冊。楽観的というか、著者の希望的観測のようなものを感じなくはないが、理にかなっているというか、筋が通っていて分かりやすい(その分かりやすさがモヤモヤする原因であるが)。
矯正に携わった方々のことを、被害者やその遺族のことを思うと胸が締め付けられる思いがする。

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2015年09月07日

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ネタバレ

友人と凶悪犯罪を犯した犯罪の背景について議論したことがきっかけで手に取った本。神戸の酒鬼薔薇事件を犯した少年Aの、事件を犯してから少年院に入り、保護観察を終えるまでの矯正の記録が描かれている。

本書を読むまで、私は少年Aの犯した神戸での事件について、事件の表面的な部分しか知らなかった。凶悪犯罪の背景に、親と子の関係性(本書では、少年Aが母親からの愛情を十分に受け取ることができなかったこと)があったことを考えると、少年凶悪犯罪が単に人ごととは思えず、子の育ち方次第で誰にでも起こりうることなのだと思う。そういう意味で、犯罪の背景を掘り下げて理解することは、自分にとっても社会にとっても、同様の事件を起こさせないために重要なことと考える。

このような犯罪を犯した子どもに矯正の機会を与えるかどうかについては、被害者の心情を考えると、否定的な意見もあると思う。確かに自分が被害者の関係者であれば、肯定的に考えることはできないだろう。ただ、第3者として館がる際、加害者の矯正をするということは、加害者のためでもなく、社会のためでもあると考える。なぜなら、矯正のプロセスから、犯罪の背景を掘り下げて理解することもでき、それが今後の犯罪の根源を発つことにつながると考えるからだ。本書は、どんなに凶悪な犯罪を犯した子どもでも、矯正が可能である(完ぺきに矯正されるかまでは、誰にもわからないが)ということを伝えているし、また、それを可能にするには、社会の許容が重要であることも伝えている。

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2012年08月05日

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神戸で起きた連続殺人事件。当時少年法の運営について賛否があったことをよく覚えている。
非日常を知るにはとても良い機会だった。
酒鬼薔薇聖斗の誕生から少年Aという人間への回帰には周囲の環境がいかに大きいか、周囲の人間の並々ならぬ努力が感じられた1冊。

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2012年06月11日

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少年Aを通して脳に関する本をいくつか読みました。今まで知らなかったことが、この本を通して見えてきた感じがします。

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2012年05月15日

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 少年Aが仮出所するまでに、施設でおこなわれた矯正プログラムの全容が記録されています。(といっても少年法により少年の発言・証言は公表されていませんが…)
 
 読み終わればわかるのですが、けっして少年Aは凶悪な人間ではないです。一番しっくりくるのは本当に孤独だったということです。
 自分は愛されていない、自分は人と違っている、と感じたことで、どんどん自分の殻に閉じこもっていくうちに冷酷な人間になってしまった。彼にひとりでもいいから心を開くことができる人がいたら、あんなことにはならなかったのに、と残念でなりません。
 
 それにしても、少年Aを更生させるために努力を重ねた方々の行動には頭が下がります。
「Aは愛されることを知らずに育ったんだ。だから私たちは彼に愛される喜び、人を愛する喜びを教えようとした」
なんで殺さんのや、とか、お前ら税金で殺人鬼を生かしてんのか、とか昼夜を問わず嫌がらせがあったそうです。でもそんなことにも負けずに、Aの中に眠る良心を目覚めさせるために(彼には良心がないのではなく、心の奥深くに閉じ込められていた)彼らは頑張りました。
 
 少年Aの性格の変化が詳しく書かれていて興味深いです。彼はもう犯罪に手を染めたりしないだろうし、人殺しをするようには思えません。自分の犯した罪の深さを心から悔いているように見えます。
 
 人を疑うことより、まず信じてみる。少年法により規定されている矯正プログラムという制度と理念は、日本人はもっと誇るべきだと感じました。


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2017年08月15日

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事件当時は7歳で、この年になるまで事件のことは知らなかったが、少年Aに興味を持ち、関連本を読み始めた。
この本を読んで、少年Aの事と、その後を知ることができ、幼少期に母親の愛情を受けることは大切だと、改めて学んだ。

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2010年05月19日

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『僕はパパを殺すことに決めた』で、大騒ぎになった草薙さん。彼女の本は、まだ彼女のことを何も知らなかった中学一年生の頃に、この酒鬼薔薇聖斗関連の本でもう読んだことがありました。今思えば、なるほどな、という感じです。いろいろとあちこちで批判されているジャーナリストらしく、この本は「少年A」にかなり突っ込んだ内容となっています。少年院での「少年A」の生活が、けっこう詳細に書かれています。この事件はあまりにも衝撃的で、当時小学生だったうちも、この事件だけはなかなか忘れることができず、ずっと気になってて・・。そして、この本は、そんなうちの「知りたい欲望」を、十分に満たしてくれた本でした。

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2009年10月07日

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神戸連続児童殺傷事件の少年Aの矯正記録。
現在は、もう退院して社会生活を送っているけれど、本当に矯正できているのか。
すごく気になる。

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2024年05月01日

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内容は思った通りのもの。

読んでいる間、文章に違和感というか匂いのようなものが有り気になっていた。
あとがきを見てその疑問も氷解。
この作者、ちょっと変わった人で施設の人とトラブったりしている。
書かなければいいのにその下りも怨嗟で書いてしまう辺り耐性がない。
解説が有田議員という所も面白い。
うせならそっち方面に突き抜けて書いてもらったほうが個人的には面白かった。

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2018年12月22日

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ノンフィクション作家による、少年Aの記録。
わたしは日本の更生プログラムに関して何の知識もないのに、勝手にただ入って年月がたち出てくる、と思っていた。それというの、再犯率は高いわけだし塀の中なら税金で食っていけるでしょ、と思っていたから。
でも、塀の中で周りも本人もどんなに頑張って更生しようとしたとしても、塀の外に出てから最低限の環境を与えられないと、それを継続するのは難しいよね、とこの本を読んで思った。
『絶歌』からの流れで読んだこの本。間に『Aではない君と』を読んでしまったがために、フィクションとノンフィクションの差があいまいになってしまったことを悔やんでいる。
良くも悪くも普通過ぎて、特別になりたかったのだろうか。まさに中二病。
『絶歌』を呼んだときのAの一人称のイメージは「僕」だったのに対し、この本では手記に「俺」と書かれていたとある。そこだけでも成長がわかるような気がする。
「少年Aとは全く別人格の存在へと育った」わけではないと思う。
ある時期に承認欲求を満たされないと、小動物をいじめる可能性がある、とあるがそういうことができる人格でよかったね、と思う。それができない人間は自分を傷つけるあるいは発散する場がなくそのほうがつらいのではないか。もちろん、小動物側からすれば、んなことしるか!って感じだろうけど。
矯正中の種明かしをされるのはどんな気分なんだろうか。こういう風にするために、こうやって誘導したんです、うまくいったでしょ?っていうのは、私ならむかつく。
Aが羨ましい。若いうちに残虐なカタチで人を殺せば、真剣に向き合ってくれる大人に出会えるのか。と思ってしまうのは失礼だよね。でもそう思ってしまう。
一般的な反抗期等のこともかかれており、私自身も適切な時期にちゃんとSOSを出していたのだな、と過去の自分を振り返る。それは完全に無視されただけでなく、「理解できない」という目で見られて終わったが。

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2018年04月25日

Posted by ブクログ

鑑別所を出て医療少年院に入院、精神診断や鑑定、処遇の長期計画・赤ん坊包み込み作戦、母に愛されなかった生い立ち、贖罪、退院後のサポート下の生活。

事後ケアにかけられた、関係者の努力、エネルギー。今後の社会のために、活かせますように。

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2015年08月29日

Posted by ブクログ

そっか。少年A、一個差だったんだ。
なんか中学生辺りん時、淳くんのニュースめちゃめちゃやってた記憶はある。
で、犯人が中学生ってのも覚えてるんだけど、なぜか犯人逮捕の報道の記憶はないんだな。
マスコミが色々うるさく喋ってて、むしろうざーって記憶はあるが。
そんでもって、結構そういうことを家族会議するかーちゃんが、この件に関してはあんまり喋らなかった気もする。
やっぱり母として、犯人母とオーバーラップしたんかな?

ノンフィクションだから評価のしようがないけど、読み物としてはよく出来てると思った。
ただ、少年Aの気持ちとか描かれてる部分、どこまでが本当(少年Aが自ら語った部分)と嘘(作者が行動から推測した部分)なのかがはっきりしないあたり、あまりテクニカルではないんでない?

それから少年Aの更生に、ポジティブな立場をとりつつ、最後に「加害者のプライバシーが守られすぎな日本の批判」を繰り出す辺り、姿勢が180度ひっくり返ってる気がするんですけど。

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2011年05月18日

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疑問が残る部分もあるけど、とても興味深かったです。
自分と少年Aが同じ年だということに軽い衝撃。

被害者の家族が少しでも安らかな時を過ごせるようにと、
この少年Aが真から更正し、今を一生懸命に生きてほしいこと・・・。

でも、あんなことをしてしまって、それを真から心で再度受け止めることができるようになった時・・・
人はまともに立っていられるのだろうか、生きていけるのだろうか・・考えただけでも恐ろしいと思う。

犯罪の恐ろしさ、心のゆがみの恐ろしさ・・いろいろ考えさせられました。
そしてとても怖くなりました。

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2009年10月04日

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この本を読む限り、少年Aは更生したと思う。

がしかし、『更正したからなんだっていうんだ』っていうのが率直な感想。

犯罪の罪や被害者遺族の悲しみや苦しみ、憎しみは消えない!のはもちろんの事、殺された尊い幼い、限りない未来のある命は戻らない!

少年院や刑務所の維持費や人件費、新たな建設費を考えれば、犯罪を犯してからの更正や、犯罪者を逮捕する警察の力よりも、犯罪者も出さないようする、もしくは、犯罪を未然に防ぐ努力やシステムにもっと力や、お金を使うべきだとこの本を読んで思う。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

風化させてはいけないんだよね。犯人だった少年は今、日常の生活の中に居るんだよね。矯正出来たのかな?って疑問を持つ事は良く無いんだろうけど・・・。考えさせられるね。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

性的サディズムってのは治さないとイカンものなんだろうか。そういう行為を『リアル世界で』してはいけないってことを教えるのが先なんじゃないのか。

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2009年10月04日

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