福田里香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
食事は人間が生きていくうえで欠かせない行為であり、これ抜きで生活するのはできない。ゆえに、食事とは、人間の根源的な行為である。本書は、映画、漫画、アニメなど多くの作品における食事のシーンに注目し、そこから登場人物の特徴や心情を汲み取る。著者は、これらのパターンを理論化して、この1冊にまとめた。
著者は「フード理論」と名づけ、それを3つの原則としてシンプル化したのが「フード三原則」である。これをもとに、多くの物語で見られる50の場面を解説する。中でも印象的なのがジブリ作品の食事シーンの解説である。ジブリといえば、食事の描写が繊細で印象的であるが、本書を読むと、なぜここまで食事の場面にこだわる -
Posted by ブクログ
エンタメ作品ででくる「食事」を元に50の「あるよねーこういうの」をまとめた一冊。あるよねー。わかるわかる。みたいな感じで、おもしろく読めるが、いかんせん「ステレオタイプ」をまとめたのと筆者が人文学系の研究者でなく料理研究家なので、「参考文献出して欲しー!」とちょっとが物足りなくなってしまうところがたまに瑕かなーーーと思った。ただエンタメの読み解きとして「よくある」のでフード三原則だけでも覚えておくと今後便利かも。(そこの分類は見事だなーとは思う)
あと50の項目全部にオノナツメ先生のオシャレすぎる絵があるのは大変テンションがあがります。 -
Posted by ブクログ
物語における食事や食べ物を使ったテンプレ表現の紹介と考察。
本書の核をなすフード理論の三原則は、
1. 善人は、フードを美味しそうに食べる
2. 正体不明者は、フードを食べない
3. 悪人は、フードを粗末に扱う
である。
この洞察はかなり的を射ていて面白い。
なお、そこから派生して、物語における食べ物関連で頻出する表現手法を50個紹介されているのだが、これにはやや不満がある。
個人的には、あるテンプレ表現がなぜそのように用いられるのか、あるいはなぜそのような意味を持つのかについて、理由を深く切り込んで分析して欲しかった。理由の分析は、割とサラッと済ませていて、表層的なところで止まっ