福山哲郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
宮台真司×福山哲郎(民主党)の対談書。
対談書って内容が薄く、結論もまとまってない印象があったけど、本書は秀逸でした。
あまりに民主党寄りで、あまりに前向きすぎる感が否めないけど、この本で、日本という国に可能性というか、希望が見えてきます。
対米,対アジア関係、マスゴミ、政治への参加主義、環境問題etc・・・・
・与党は実績で、野党はマニュフェストで勝負。
・現前性(生々しさ)が変われば、空気が変わる。
・「外から」要件と、「カオス」要件のロジック。
・フォアキャスティング的思考からバックキャスティング的思考へ
・リソースは変わらない、その組み換え。
なんか幻冬舎新書、質がイイネ! -
Posted by ブクログ
民主党の外交・環境政策のプロデューサーである福山と、彼と親交のある実践派社会学者・宮台との対談形式で、現在の民主党政策のココロを知識層向けに解説する。
現役の政府メンバーである福山は、マニフェストを外れる野放図な発言はできない。ほとんど宮台が喋っていて、福山は相槌が多い。
・自民党の小泉の「権威主義」−「市場主義」は行き詰まった。民主党は「参加主義」−「談合主義」を目指すべき・
・マニフェスト実現に向け当初は躓くこともあるだろうが、技術論細部よりも日本の方向性を早く立て直すことが肝心。
・低炭素社会をキーとする世界的な「ゲーム」に乗り遅れることが国益喪失につながる。 -
Posted by ブクログ
民主党政権が誕生して1ヶ月を経た頃におこなわれた、社会学者の宮台真司と、外務副大臣(当時)の福山哲郎の対談です。新しい政治がはじまるという期待に満ちた二人の言葉が随所に見られるのですが、安倍政権が高い支持率を維持している現在読むには、ややつらいものがあります。
本書の冒頭で宮台が、市場主義対談合主義、権威主義対参加主義の二つの座標軸で構成される大枠を示して、民主化とは権威主義から参加主義へと移行することを意味するのであり、そのさい、個人を社会的に包摂することがめざされなければならないという見解が示されています。それにつづいて、二大政党制そのものよりも、民主化への移行が重要だと主張しています。 -
Posted by ブクログ
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運転手も運転経験が乏しいなら、乗客たちも命令して監視する経験が乏しい。運転手のミスや乗客たちの頓珍漢でバスはあちこちにゴッツンコ。
その都度の目的やルートを適切に指示できない「自分自身」に、嫌気がさした乗客たちが、全てを運転手のせいにして、頬被りをしかねない。4
それどころか「考えないで、俺に任せろ」という馬鹿な運転手に、再び「丸投げ」しかねない。5
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官僚が、大臣、副大臣、政務官の間にお互いのコミュニケーションがないことを前提に、徹底的に情報を分断するんですよね。
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Posted by ブクログ
東日本大震災の福島第一原発事故に対する政府の対応を官房副長官だった著者の目で記されている。混乱と緊迫感の中で対応してきたことがよくわかる。これだけ大きな事故になると日本の様々な所で様々な現象、事象が起こっており、それらのすべてを把握することは不可能だし、どこまで集めても終わりはないと思う。大事なことは、その時に得た、または与えられた情報で、より合理的な判断を行えるか?だと思う。そういう意味では事故に対する政府の対応、総理大臣の判断は大きく間違っていなかったと思う。
ただ、本書に関して言えば、事故の対応が途中までしか書かれておらず、話が”脱原発”に移ってしまったのはちょっと残念。菅元総理大臣