福山哲郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
(2010/2/3)
このミヤダイって人はどうしてこうまぁ知的好奇心をくすぐることが言えるんだろ。
TBSラジオで聞いてても、文章を読んでも(といってもこの本は対談集なので、ある意味話し言葉ではあるが)痛快なんだろうか。
難解なんだけど、全くお手上げというわけではないんで、読み進められる。
この福山という方、民主党代議士で外務副大臣。
偉くなっても腰の低い方で、宮台さんとは数年来の仲のようです。
そんな二人が日本を語る。自民政権を切る。斬る。
宮台論理は
・政策を官僚任せにし、結果官僚が官僚をコントロールする形にしたのが自民の最大の問題
官僚は政策を通じて政治家がコントロールしなくてはい -
Posted by ブクログ
[「中枢」の言い分]突如日本を襲った福島第一原子力発電所の事故に対し、官邸はどのように動き、対処したのかを、その内部から振り返った一冊。混乱と緊迫の極みの中にあって、危機管理はどのように行われたのか、そしてそこに問題はなかったのかを考えるとともに、今後の原発政策についても所見を提示しています。著者は、東日本大震災の発生当時、内閣官房副長官としてその対応にあたった福山哲郎。
官邸サイドの知られざる内幕が外に出てくるというのは、一国民として歓迎できることなのではないかと思います。ただし、福山氏の主張がところどころで「矛盾」(例えば、「最悪のケースを提示すると混乱を招くので提示しなかった」としな -
Posted by ブクログ
鳩山首相は自信の政治資金問題で参院選まではとても持ちそうにないが、それで衆議院多数を持つ民主党の政権が終わるわけではない。
そういう点で、もう一度民主党のマニフェストについて再検討し、本当に不都合があるのであれば、次の機会にその修正を行動で示すことができる。
そういう点で、民主党のマニフェスト作成の責任者だった福山外務副大臣と宮台教授による対談形式でマニフェストの背景、狙いが掘り下げられており、ニュースショーの短い時間で且つ、頭の悪い人間による上っ面だけの解説だけではわからない点も理解できる点で民主党の支持者にも不支持者にもおすすめしたい。
政権が変わり、ゲームも変わった、あるいは変えよ -
Posted by ブクログ
ネタバレもうずいぶん前のことのように思えるけれど、民主党政権ができて鳩山首相が誕生して割と直後に行われた福山×宮台対談。
福山氏は至極まともなことを言っていると思うし、新しい時代の幕開けを想像させる語り口に満ちている。ただそれは当時のことで、今は民主党は下野し、党自体がなくなった。これだけの内容が語られていながら、なぜ民主党はあっという間に下野したのか。それを考えながら読むと面白い気がした。
民主主義がどうのこうのと対談しているというよりは、民主党が政権をとったというのは、日本に何が起こったからなのか、何を期待されて民主党が政権を取れたのかという論点であるように思う。
中身はとても面白い。一方で、繰り -
Posted by ブクログ
何度も繰り返すが、当事者の話には重みがある。批判を覚悟で、このような記録を残すことには大きな価値があると思う。外野からは何とでもいえる。批判をする者は、自分が同じ立場だったらどのように行動できたかをリアルに想像して物を語るべきだ。
それにしても、本書を読む限りにおいて、(少なくとも当時は)某電力会社と某省庁には原発を任せてはおけないというのが率直な感想だ。
また、くだらない足の引っ張り合いが多い中、最後のエピローグで氏は以下のように語っている。
「震災後、自民党の石破茂政調会長(当時)や公明党の斉藤鉄夫政調会長(当時)をはじめ、与野党を超えて、官邸で復興予算や原発対応について何度もご要望いただ -
Posted by ブクログ
2009年出版。
社会学者の宮台真司氏と当時民主党議員の福山哲郎氏の対談本。
ちょうど自民党政権から民主党政権になったときの話だから、まだ民主党が隆盛な時期。当時は自民党が負けて民主党になるのは自明のことだったが、今思うと民主党よ・・・という感は否めない。しかしこの本に書いてあったように、民主党は政策はいろいろ考えていたかもしれないが、政治過程についてやはりまだ未熟だったと言わざるをえない。しかしそれは与党にならない限りどうしようもないのだが。
また、野党はマニフェストで勝負をして、与党は実績で勝負するというのは確かにと思った。メディアは各党のマニフェストを比較したりするが、与党はマニフェスト -
Posted by ブクログ
フェイスブックでおすすめしている人がいたから読んでみた。テレビや新聞では伝わらない官邸内の緊張感や関係者の苦悩が伝わってくる。あの事故が大変な出来事だったんだと改めて実感。
当時の政権にいた人が書いた本だから、多少バイアスはかかっていると思う。しかし、東電の対応というのは本当にひどい。大口の顧客(企業など)への節電要請の提案に対して「大口の顧客はお客さまですから、電力使用量を減らしてくれなどとは、我々からは言えません」と言ったという。読んでいて目を疑ってしまった。
あの事故の対応にあたった政治家や官僚も批判されたけど、あの状況でのあの判断は彼らが熟考し、苦悩した結果だったのだと分かった。 -
Posted by ブクログ
東日本大震災・福島第一原発事故当時の官房副長官だった筆者のノートにもとづく、〈官邸から見えていた風景〉の記録。避難区域設定、被曝上限値の設定など強く批判されるべき点は多々あるが、少なくとも、当時の官邸に必要な情報が十全に入らず、頼りとされた専門家が役に立たない中で決断を迫られていたことは、ひしひしと伝わってきた。
本書には、二つの大事なポイントがあると思う。
?東電や保安院、経産省の対応を見ると、官僚機構は、自分の持っている情報にフィルタリングをかけることで利益共同体を維持していることが火を見るより明らか。それは逆にも使えるので、フィルターとしての官僚機構が、命令・発信の主体を曖昧化す -
Posted by ブクログ
ネタバレ「終わりなき日常を生きよ」というフレーズで有名な社会学者と、現副官房長官の国会議員による対談を収録した本。
この本の趣旨は、「昔(高度経済成長期まで)は日本の政治家は密室で談合して地方に利益誘導するだけで日本が成り立った。でも、経済が収縮しつつある現代は民主主義が機能しないと国土と人心が荒廃していってしまう。今回(私が読んだ時点では昨年)の政権交代は革命であり、これによって破壊された国土を再建し、『国土と結びついたふるさと』を回復し、感情的安全を保証してくれるホームベースを取り戻す必要がある」というもの。
その過程で自民党や官僚への"お任せ政治"の実態、それを叩く