猪俣美江子のレビュー一覧

  • 薔薇の輪

    Posted by ブクログ

    ★3.5
    ブランドの長編は、人間関係の過剰なドタバタ劇を面白く受け止められるかどうかで評価が分かれる。ほぼ全ての登場人物達が荒唐無稽な言動をし、こちらはそれに振り回されて本筋を見失いかねず、悲劇なのか喜劇なのかも分からなくなってくる。ただし今まで読んだ作品は訳も古く、そのせいで余計滑稽さを感じていた面があり、その点では翻訳自体が新しい本作品は滑稽さがだいぶ抑えられ、コミカル程度で読みやすかった。

    事件の顛末は想像内ではあったが、屈折した人間関係と身勝手極まりない醜い人間像は、ブランドらしい皮肉のスパイスが効いた巧い書き味に仕上がっている。

    0
    2016年10月09日
  • 薔薇の輪

    Posted by ブクログ

     コメディである。喜劇というべきか。
     非常になんも考えずに楽しく読める作品だが、論理的というより推測に推測を重ねるタイプの推理なので、「え? その予想には根拠ないよね?」ってなる。まじものごとき憑くものも同じタイプだけれども、確認しないまま推測に推測を重ねるのってどうなんだろうってなる。テンポの良さを重視するがゆえなのかもしれないし、読み物としては楽しい。
     ただ、ミステリかって言われると悩ましい。

    0
    2015年12月31日
  • 薔薇の輪

    Posted by ブクログ

    障害を持つ娘のことを綴ったエッセイで人気を保っている女優エステラ。彼女の服役していた夫が病気のため特赦で出所、娘に会いたいと訪ねて来る。仕方なく娘の住むウェールズの田舎に案内するが、そこで事件は起こった…
    登場人物が少ないしかなり昔の作品なので、ミステリとして驚愕の結末、というわけにはいかないが、エステラやその関係者の心理描写、真相を究明しようとするチャッキー警部と何やら隠し事をしている彼らのやりとりなど緊迫感があって楽しめた。

    0
    2015年10月17日
  • 薔薇の輪

    Posted by ブクログ

    虚偽にはりめぐらされた世界に、現実に起きた事件のあれこれを思い出させられたり。ひどい話だが、母親として「愛がない…わけではない…」というところが余計に曲者。

    0
    2015年09月30日
  • 薔薇の輪

    Posted by ブクログ

    有名女優の周りに多くの人々が侍り、依存して生きていくというような状況ができあがったのはいつ頃の時代からなのだろうか。本書は1977年の作品ということなので、スターとその取り巻きが当たり前に描かれていても年代的にはおかしくない。厳密には主人公の女優に依存しているというのとも少し違うのだれど、このような関係が悲劇を生む、というのは古今東西どこでもありそうな話のようだ。

    0
    2015年07月19日
  • 薔薇の輪

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    某角川映画原作作品のように、最初は倒叙作品の演出(エステラ視点で固定)にして徐々に視点を切り替えていく形にした方がすっきりとまとまった気がする。クリスチアナ・ブランドは多くの登場人物がそれぞれ大騒ぎしている中に伏線とミスリードを上手く盛り込んでくるのが得意だと個人的に思っており、登場人物の少ない「薔薇の輪」は本領発揮があまり出来ていない。なおマスコミと芸能人に対する皮肉な視線はいつもの筆使い。スヴェンガーリについては「悪魔スヴェンガリ」という映画を例に挙げた方が分かり易かったような…本筋に全く関係ない所では、矢鱈に"まんいち"という言葉を使用していたのが気になる。

    0
    2015年07月10日