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1992年の静かな2月なかばの朝。ケンブリッジ大学の古色蒼然たる貧乏学寮セント・アガサ・カレッジの学寮付き保健師(カレッジ・ナース)イモージェン・クワイのもとに、学寮長が駆け込んできた。キャンパス内のおかしな規約で知られる〈ウィンダム図書館〉で、学生の死体が発見されたのだ。学生は何らかの理由で倒れた拍子にテーブルの角に頭をぶつけたと見られ、その遺体のそばには古書が一冊。たんなる事故なのか、それとも……? 巨匠セイヤーズのピーター・ウィムジイ卿シリーズを書き継ぐことを託されたほどの実力派作家による、英国ミステリの逸品登場!/解説=三橋曉
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Posted by ブクログ
古典ミステリー、いや1992年は古典なんだよ……そうだよな…30年前じゃん…
とあとがき読んでひきつった。
元はYA系作家ということで1990年代のコバルトミステリーを読んで育った読者の私はすごく入り込みやすい。
コバルトミステリーの主人公ってざっくりいうと「正しい」人間。
理不尽なおとなのやりかたとかいじめがけったくそ悪いと思える人間であることが多い。弱虫だったりこずるかったりするけど読者にストレス与えないように設計されている。
この主人公イモージェン・クワイもそう。
ケンヴリッジの住人(生徒・講師・スタッフ・教授)にある特権意識を批判的に見ているし、被害者であるフィリップを思いやるちゃんとした大人だ。
事件は4/5くらいのところで真相が明らかになるが、殺人とは別の謎『被害者はなぜそこにいたのか』の真実をイモージェンは追及する。被害者を愛するひとたちや希望をもってこの大学に来た故人のために動く。
何の得にもならないが何故そうしたかというと、彼女はこの学校の住人の健康やこころを護る仕事に誇りをもっているからだと思う。すべてを知った彼女が断固として罪をゆるさない様子は読んでいて爽快だ。
30年前のイギリスの階級主義はまだまだ強固だが今だって似たようなもんだろうなと思う。ただ、こういったいじめは今発覚したら確実に退学らしいけど。
このシリーズはあと3作あるそうだけど同じように「学術的ミステリー+世俗ミステリー」の混合なのかな、楽しみだ。
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