猪俣美江子のレビュー一覧
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大好きなイモージェン・クワイシリーズも、ついに最終巻。読み終わるのが惜しくてゆっくり読んでいたけれど、とうとう読み終えてしまった。
ケンブリッジを舞台にした、正統派のカレッジ・ミステリーと呼べる作品。けれど、このシリーズを特別なものにしているのは、やはり主人公イモージェン・クワイの魅力だと思う。
医学部に入学したものの、恋人を追って中退し、その恋も終わってしまったため、学位を持たないままセント・アガサ・カレッジの保健師として働いている。知性的でありながら気取ったところがなく、いつも周囲の人々を気にかける優しさに満ちた人だ。
そんなイモージェンと、歴史と伝統に彩られたケンブリッジのカレッジライフ。そして、その穏やかな日常のなかで起こる殺人事件。
「カレッジ・ミステリー」というジャンル自体は珍しくないのに、この組み合わせはありそうでなかったように思う。謎解きだけではなく、イモージェンが暮らし、働き、人々と言葉を交わす日常そのものが好きだった。
だから最終巻を読み終えたいま寂しいのは、シリーズが完結したからというより、もうセント・アガサに戻って、イモージェンの日常を覗くことができないからなのかもしれない。 -
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シリーズの最終巻!とっても良かった!
個人的には今までの中で一番大学味があった気がする。
まだ 社会に出てない大学生とその大学生と本気で付き合う教師たちと大学職員。
今回 キーとなる、いたずらをまとめた本がイギリスの 実際にあった本 と聞くだけでもちょっとワクワクする。
大学の文化っていうのは やっぱりそれぞれの国であるし何か 共通するものがあるんだなとも思う。
もう少し シェイクスピアの造形が深かったら楽しめる様子はもっとあったんだろうなと思う。
4つ折り 本の存在を初めて知った。
そうした 学生主体のサークルの演劇が講演 されるという時にワクワクしたような様子でチケットを購入する大学の先生たちの様子もなんだか 良かった。
色々な 過酷さもしょった学生たちの背景が事件に影響もするんだけど。
だからこそクワイが、真実の近くにいつもいるような構図もとても良かった
本当はもっともっと 続きが読みたい
読み終えるのが残念だなとやっぱり 思って 寂しかった
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『ケンブリッジ大学の途切れた原稿の謎』
著者 ジル・ペイトン・ウォルシュ
訳者 猪俣美江子
学寮付き保健師〈イモージェン・クワイ〉シリーズ二作目になります。前作よりもストーリーの組み立て方が好みで、テンポも良かったです。とても面白く読ませて頂きました。
今回のお話は、イモージェンが友人のパンジーとシャーリーと共に、キルト作りをするシーンから始まります。三人はキルト作り愛好家のメンバーで、年末に開かれる予定の赤十字の福引大会に寄付する作品のパターンを考えています。この最初の場面だけでも、複雑なパターンから成るキルトの魅力が伝わってくるようです。
そして本筋では、イモージェンの住まいに下宿する学生のフランが、マヴェラック教授に頼まれてゴーストライターとして故人の数学者ギデオン・サマーフィールドの伝記を執筆することになります。
ギデオンは目立って優秀だった訳ではなかったようで、数学者にしては珍しく晩年になって一つだけ目覚ましい業績を上げており、ウェイマーク賞を受賞する運びになっていました。そんな彼の伝記を熱望しているのは妻のジャネットです。
伝記執筆には前任者があり、原稿は途中で途切れていました。フランは途切れた原稿の続きを調べようとしますがー。
亡くなった夫の伝記に強い執着をみせるジャネットですが、深入りされることを避けるようなところが見られます。彼女の言動は、常軌を逸しているところがあり、必死に何かを隠そうとしているようー。
そして、ギデオンの過去には不明な夏の数日間があり、ジャネットから調査を強く拒まれます。
その理由とは何なのかー。
前任で伝記執筆に当たったメイ・スワンは突然姿を消して失踪中、後を引き継いだマーク・ゼファーは突然亡くなっていてー死因は髄膜炎ー
そしてもう一人、最初の執筆者がいたこともわかり、何とフランで四人目、、。
イモージェンはフランの身に不安を感じ、ウェールズに向かいます。そこで彼女は大怪我を負ってしまいます。(治療を施してくれたのは獣医さん。その後の医者とのやり取りなど(怪我は酷いんですが汗)ちょっと笑えるところもあり、和みました。)
徐々に真実へと近づいていくイモージェン、、
お楽しみください。
読みやすく、事件の真相を追う過程も秩序立っていて、ユーモラスなところもあり楽しめますよ〜。
また、ストーリーの中では、物語の舞台のなっているケンブリッジ大学でも、一昔前までは当時の女性蔑視の考えが強くあったことが、キルトを交えながら描き出されています。
最後に、長い年月を経て名誉学位を授けられた94歳のヴィお婆ちゃんがとても印象に残りました。
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【解説より】
「最後にー。」翻訳者の猪俣美江子氏によると、『グリーン・ノウ』の著者でもある児童文学者のルーシー・ボストンは、本書の著者のウォルシュと親交があったそうで、本書の登場人物とパッチワークにまつわる共通点などが見られます。
ルーシー・ボストンが亡くなったのが1990年、97歳。本書の発表は1995年とあります。そんなところも感慨深いですね。 -
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アガサ・クリスティと並び称されたクリスチアナ・ブランドの、未訳だった長編が、発行されました。
1977年の作品。
探偵役は男性のチャッキー警部ですが、話の本筋は乙女ミステリとても呼びたいような内容。
ロンドンの女優エステラ。
美人で気立てもいいけど、演技はそれほどでもない。
エステラの人気は、体が不自由なためウェールズの田舎で療養している可愛らしい娘とのやりとりを書いた新聞連載のエッセイに支えられていました。
エステラが若く恵まれなかった頃に結婚した相手はなんとギャングで、長く服役中。
この夫が、病気のため特赦で出所することになり、死ぬまえに娘に会いたいと言い出します。
エステラを支えるマネージャーの女性や娘の世話係夫婦、新聞記者まで、大慌て。
危険人物だが娘のこととなると感傷的な夫が期待するようなわけにはいかない‥
そして、事件が起こり?
閑静な田舎町に、マスコミも駆けつける大騒ぎに。
芸能界の内幕のちょっとビターな面白さと、思いがけない出来事の連鎖で、はらはら読ませます。
クリスチアナ・ブランドの作品って、ちゃんと出来ているんだけど~読み終わるとなぜか内容を思い出せないのがほとんど。
何年か後に読み返すのに邪魔にならなくて良いけど。
この作品はそんなに長くはないけど、わかりやすくて印象が強いですね。
どこか切なくて、バッチリ覚えられて、忘れられない~珍しい作品になりそうです☆ -
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イモージェン・クワイのシリーズ、2作目。
イモージェンは、ケンブリッジ大学のセント・アガサ・カレッジの学寮付き保健師(カレッジ・ナース)。
学生たちの健康を見守り、何かと相談にも乗っている30代前半の女性。
もともと地元で育ち、親の遺した古い家に住み、下宿人を置いています。
下宿人の一人、お金に困っていたフラン(フランセス)に新任教授の依頼で、ある仕事が舞い込み、喜んでいたのです。
ある数学者の伝記をまとめる仕事でしたが‥
ところが、この伝記は、前に取り組んだ人がみな途中で投げ出しているらしい。
それも、行方不明になったりしているという!
イモージェンはフランの身に何か起こるのではと心配になり、調査に乗り出します。
前任者が書きかけていた原稿は、途切れていた。その理由は?
しっかり者で親切、有能なイモージェン。でも捜査のプロではないから、ちょっと大変ですよ~~。
イモージェンは友達と一緒にキルト愛好会に入っていて、皆でキルトを縫っているシーンなども、英国らしさがありますね。
キルトは日本でも人気があり、展覧会など見ると、見事です。伝統的な柄が地方にいくつもあって、それを村人が集まって作る、というようなことは日本ではないですけど‥ 日本なら、刺し子は近いかも?
1990年代が舞台の話ではありますが、まあ現代ではあります。
過去の出来事として、女性が大学にもなかなか入れず、学んでも評価されにくかった事情も出てきます。
ヴィお婆ちゃんがとても素敵で、評価されることになったなりゆきには、世の中捨てたもんじゃないと、励まされる心地がしました。
感じのいいヒロイン、充実の読み応えでした☆ -
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キルトの図案をどうしよう、という縫い物友達との楽しいやりとりから、この話がはじまる。
「難破船(ロストセイル)」「バラの羅針盤(コンパスローズ)」など、素敵な名前の伝統模様。
キルト、というと日本人はタータンチェックを思い浮かべると思う。ここでいうキルトはそうではなく、日本でいうと手芸の「パッチワーク」に近い。
日本語で検索しても、このトラディショナルキルトパターンの図柄は、ほとんど出てこず、「patchwork quilt pattern"connpass rose"」などで検索すると出てくる。
めんどくさいけど、検索しながら読んで良かったー!という印象。繰り返しのパターンが生み出すパッチワークの美しさを思い浮かべながら読むと、ストーリーの深みが全然違ってくる。
ぜひ検索してほしい。
犯人当ての外側にあるストーリーが、群像のようにうねりながら、集結していくのも、このストーリーの面白さだった。
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ネタバレ学寮付き保健師の主人公が下宿人が巻き込まれた厄介な伝記の執筆に関わっていくお話。
退屈な伝記のゴーストライター、キルト作りにテストの不正と色んな事が並行して出てくる。
後半から色々と情報が繋がりだしてきて面白い。
主人公のバイタリティと行動力がすごい。後、地味に色んなコネクティングがあるし警官の友人が有能すぎる。
フランの熱くて猪突猛進な所すごい。海外だなと思うのは普通の会話のやり取りで男女平等とかが出てくる所。
この話、主人公が肉体的にも精神的にも痛めつけられ過ぎてちょっと可哀想になる。
犯人達も利己的で地位にしがみついた哀れな人達って感じ。
ラストの終わりが気持ちいい。
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ネタバレイモージェン・クワイシリーズ第三弾。
カレッジの卒業生である大企業の経営者の死亡事故に不信感を抱いた主人公が元彼と独自に捜査に乗り出す話。
二弾読んでないけど先に読んじゃった。
イモージェン、地味に色んな人と繋がりがあって話術もあるし探偵向いてる。
アンドルーも悪くない奴なんだろうけど終始イライラする。イモージェンに甘えすぎだろ。主人公は早く吹っ切れて忘れた方が良いよ……。
犯人当てとか考えずに読んでたけど、真相が分かると結構伏線がいろいろと散らばってたなって感じ。
マックスが本当にただのクズ男でちょっと笑った。経営者としても駄目だったし。
サラッと前科持ち医師が出てきたり情報量多いな。
今回は恋愛要素が多かったな。人間関係ややこし過ぎる。
次作もあるらしいから読みたい。 -
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シリーズ第十一弾。
ついに結婚へと至ったピーター卿とハリエット。
従僕のバンターと三人でハネムーン先として買い取ってあった〈トールボーイズ〉と呼ばれる田舎の農家へ向かいますが、到着してみると家は施錠されていて、待っているはずの前所有者も見当たらない状態。
何とか入れてもらった室内も整っておらず、“話が違う”感満載でとりあえず滞在していたら、地下室から前所有者の死体が発見されて・・。
まず序章での社交界を飛び交う手紙のやりとりが、「ピーター卿ついに結婚!!」というニュースのセンセーショナルな様子が伝わってきます。
個人的にはここで、"手紙といえばこの人!"の(?)、クリンプスン嬢のお手紙も載せて欲しかったところですけどw
そして、ピーター卿の母上・デンヴァー先代公妃の日記も、彼女のチャーミングな人柄が表れていますね。
そんなブライダルニュースに湧く面々をよそに、まったりとハネムーンを過ごす予定だったのに、滞在先の家は閉まっているわ、室内は整っていないわ、前所有者の債権者は押しかけてくるわ、挙句死体はみつかるわ・・等々で、
「こんなハネムーンは嫌だ。どんなハネムーン?」
という大喜利のお題の解答にもなりそうな、ドタバタ顛末になってしまい、なんともお気の毒なピーター卿&ハリエット夫妻ですが、いうても二人はラブラブですし、例によって調査に乗りだす"謎解きがお好き"な御前様。
何気に一番災難だったのはバンターで、新婚夫婦の衣食住を整える為にもう大忙しでございます(まさに大活躍)。
そんな孤軍奮闘している彼の地雷を踏みまくるラドル夫人に、さすがのバンターもブチギレる一幕も。
以前『ナイン・テイラーズ』のレビューで"キレるバンターが超レア"と書かせて頂きましたが、今回はその時以上に"バンター、おかんむり"でした(;'∀')
あと、このシリーズで引用が多いのはいつものことなのですが(カーク警視が"受けて立つ"からまた・・汗)、それに加えて今回はミュージカルばりにいきなり歌いだす場面が多めだな・・と思っていたところ、本作は元々舞台劇だったようで、確かに全体的に演劇チックだったな~・・と納得です。
そんな訳で、「大忙しの・・」というより「"大騒ぎ"の蜜月旅行」を、私も〈トールボーイズ〉に一緒に滞在しているような気分で、恋愛&ミステリを堪能させて頂きました。
オマケの短編「〈トールボーイズ〉余話」では後日譚として、三人の子どもに恵まれた、ウィムジイ家の様子が楽しく描かれていて、微笑ましいエピソードでしたね。
ということで、本作がシリーズ最後の長編となってしまい、寂しい気持ちでいっぱいです。
セイヤーズの書きかけの原稿を『イモージェン・クワイ』シリーズでお馴染みの、ジル・ペイトン・ウォルシュさんが引き継いだ長編作品があるようなのですが、こちらはまだ翻訳されていないのですかね?
とりあえずは、短編集『ピーター卿の事件簿』を読むことで心の隙間を埋めたいと思います~。 -
Posted by ブクログ
『学寮付き保健師〈イモジェン・クワイ〉』シリーズの三冊目ですね。
イモジェン・クワイはセント・アガサ・カレッジのディナーに招待された。カレッジの卒業生で、大会社の会長ジュリアス・ファランを招待してのディナーで、女性の参加者を学寮長が探していたのだ。
もちろん、イモジェンは参加することに…♪
ところが、元セント・アガサ・カレッジの経済学者だったのが、ファランに引き抜かれて、〈ファラングループ〉のエージェントになっているアンドルー・ダンカンが、イモジェンの家に転がり込んでくる。
アンドルーは、イモジェンの元恋人で、今は結婚しているはずだが……?
これ以上は、ネタバレになるので、差し控えます。
相変わらず、事件性の無いところから、事件を導き出すイモジェンの活躍で、物語に引き込まれていきます。
コージーですが、アガサ・クリスティやドロシー・L・セイヤーズの善き面白さを魅せてくれています。
一つだけ、最後のどんでん返しが、物語のクライマックスです。ミステリーの醍醐味ですね♪