首藤瓜於のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
上手く立ち回っていたつもりなのに、何故か「刑事の墓場」と呼ばれる動坂署に異動になった雨森。
何が起きて、誰の意図でこうなったのか見当もつかないが、当てのない希望を捨ててはいない。
そんなとき、動坂署に初めての捜査本部が立った。
ワケあり警察官ばかりが集まった動坂署の刑事たちにも意地がある。
本部の連中に能無し扱いされたあげく動坂署の取り潰しまで噂になれば、やる気を出さないわけにはいかない。
「脳男」の強烈なインパクトを思うと、この物語は緩く派手さの欠片もない。
所轄と本部の対立。
不貞腐れていたはずの雨森の心情の変化。
そして、事件解決までの過程。
もう少し丁寧に描いてほしかったようにも思う。 -
Posted by ブクログ
期待が高すぎたのかもしれない。
何しろあの「脳男」の次作なのだから。
見事に肩透かしを食わされた感じだ。
まだまだ新米といえる交通課巡査・生稲。
仕事に対するスタンスの違いに悩み、先輩との葛藤を抱えている。
いろいろな場面を経て徐々に成長していく姿を追った物語だった。
淡々としている・・・というのでもなく、何となく全体的に平坦な印象が残ってしまった。
やけにリアルさを感じる場面もあって面白かったのだけれど・・・。
正義感が強い!!というのは悪いことではない。
しかし、他への影響などを考えたとき「正しい」ことだけに執着するのは生稲の若さからだろう。
「正しい」ことがすべて「正しい選択」だとは限ら -
Posted by ブクログ
一郎には喜怒哀楽といった感情はない。
何が正義で何が悪か・・・選別の基準はどこにいったいあるのだろう。
法に照らし合わせて、とは違う。一郎にだけわかる特別な基準。
多くの人を殺せば悪で、ひとりならば許されるのか。
チャップリンの「殺人狂時代」に、「一人殺せば殺人者となり、百万の人間を殺せば英雄となる」というセリフがある。
人としてどこかをマヒさせなければ、たとえ戦争でも人は殺せないだろう。
自分が殺されるかもしれない恐怖や、大切な誰かを守りたいという強烈な意志がなければ、そうそう簡単に他人の命を奪うようなことは出来ない。
一郎には恐怖心もなければ、守りたいという意志もない。
そもそも、殺人に対 -
Posted by ブクログ
なんていうか…いまいち。
前作『脳男』がおもしろかっただけに、よけい…。
なんだろ、ふつーすぎる?
ストーリーもふつーだし(特にスリルもなく、テーマ性もなく)、キャラクターの設定もふつーだし(特に魅力もなく)。
なんかいまいち、何が書きたかったのか(何が主題となっているのか)がよくわからない作品です。
前作がバリバリのミステリー作品だったから、著者の息抜き…みたいなものなのかしら?
あっさりしてて、山場のない作品。
ただ、でも、それにしても、警察官である主人公の「日常」を描いているわりに、心理描写も甘く、単純な思考形態をとっているため、あまり共感できない…っていうのが不満。
人間の心理っ