首藤瓜於のレビュー一覧
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ネタバレいやいやいやいやいや、ずっとずっと良かったよ!
納得の上下巻!って感じw
タイトルの「ブックキーパー」が出てきた時には震えたし、鈴木一郎が鈴木一郎である意味が深くて感動した。
物語としては、縣がメインになることでとても読みやすい一方、どうしても「鈴木一郎」っていう絶対的な存在があるから、脆い危うい不備不足の否めない人間臭さが際立つというか、そこが鷲尾先生とも重なって、何とも言い難い。
茶屋や古代=男が強くて、女が弱いみたいな、古いしきたりみたいな押し付けはちょっと嫌だなーとは思うけども、、、
そして何より、この先まだまだ続きまっせー、縣も出まっせー!な感じは、ますます嫌だなーとは思いましたw -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作に比べて、グッと読みやすくなった気がする。
前作はとにかく、医学的な難しい言葉とか精神世界の話が多くてしんどかった気がするので、そういう意味で、今回のキーパーソンになっているのが、警察側の人間ってのがかなりわかりやすくなったよなーってとこよね。
上下巻で、結構早いタイミングで鈴木一郎も出てきているし、それであってもまだ全貌がわからないミステリを残した状態で下巻に臨めるのがとても良い。
アガタを未読のため、鵜飼縣の人となりが半透明のまま進んでいますが、それでも面白いのは素晴らしです。
正直いえば、ここまで重たいサスペンスは好みではないけれど、最近の購入傾向が首藤先生の影響であることは否めず、 -
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首藤瓜於『ブックキーバー 脳男 下』講談社文庫。
『脳男』の13年ぶりの続編。
何というストーリーだ。上巻でばら撒かれた数々の謎ばかりか、『脳男』シリーズの全ての謎が、この下巻で全て一つにまとまり、驚愕の結末に帰結するのだ。これは見事と言うしかない。
一連の拷問殺人事件の犯人、愛宕市の財閥の氷室家と愛宕市で代々続く謎に満ちた権力を持つ能判官家の秘密、そして『脳男』こと鈴木一郎の全てが一つに繋がり、鈴木一郎の真の目的も明らかになる。これだけ捻くれた謎に包まれたストーリーで、最後に腑に落ちることは珍しい。
鵜飼縣警視は茶屋警部と共に一連の拷問殺人事件を捜査すると、何層にも積み重なった事件 -
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首藤瓜於『ブックキーバー 脳男 上』講談社文庫。
『脳男』の13年ぶりの続編。『脳男』の文庫が刊行されたのは20年前、『指し手の顔 脳男 2』の文庫が刊行されたのが13年前というから、時代の流れを感じる。
相変わらず、何層にも積み重なっていく謎と不気味な事件の数々がこれでもかとばかりに描かれる。全く先の見えない展開が続き、タイトルの『ブックキーパー』とは一体何かと興味は尽きない。上巻の終盤ではいよいよ、恐るべき知能と驚異的な身体能力を持ちながら一切の人間らしい感情を持たない男、『脳男』こと鈴木一郎が本格的に姿を見せる。
警視庁で、異常犯罪のみをデータベース化する作業を任されていた桜端道 -
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「脳男」の続編。7年の間を空けて刊行されたとのことで、私は続けて一気に読めてラッキーでした‼︎
正直、上巻は、要素の多さに、その一つ一つのエピソードの細かさに、「いったいどこへ行くのだろう?」と事件のメインを見失いそうになりましたが、下巻ではパラパラだったそのピースが次々とハマっていき、勢いよく読みました。面白かった‼︎
(しかし…前作に続いて…なんでこの題名なのかなぁ?いや、ラストでなんとなく分かるけど、違う題名でも良いような気がする…個人的感想です)
それにしても、読後に強く考えさせられるのは、、、『精神』や『心』という目には見えないもの、どこからが異常で病気なのか?そして、それが犯 -
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上巻のラスト、つまり第二部の第一章である「大幽霊烏賊」の、悪夢か妄想のようなストーリー、その異様な迫力と不気味さに圧倒されました。
病院の一室に閉じ込められていて、主人公の使降
が勝手に「黙狂」と名付けている身動きしない患者や、院長、副院長、看護長の何か隠し事をしているような不穏な雰囲気も気になります。
ただ、下巻が始まると、また精神病院の日常の描写が続きます。
少し不思議だったり訝しいことは起こるものの、「事件らしい事件はいつ起こるのやろう」と、違った意味でハラハラしながらページを繰りました。
こう書くと、退屈な部分が続いて読みにくいのかと誤解を受けそうですが、実際にはほんの僅かずつ -
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上巻は、「あ〜日本人の癖に聖書ネタに、それもベタいところに手を出して〜下手なハリウッドもんみたいになるのか〜、やっぱ賞を取った本の続編はダメになっちゃうのね・・・ところで表題の鈴木さんは一体いつ出るのかしら〜」と思いながら読んでたけど、下巻途中からあれよあれよと話がすすみ結果後半一機読みしたので★×5にしてみた。
場面が飛び飛びで登場人物も横文字の人が増えてるから、名前頭に叩き込みながら読まないと(個人的に横文字覚えるの苦手なので・・・)あとでアレッてなるかも。
2012年10月現在、1冊目「脳男」が生田斗馬主演で2013年の映画公開が決まってますけど、1冊目なら「生田斗馬、あ〜悪くないかも -
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首藤瓜於『アガタ』講談社文庫。
久し振りに読む首藤瓜於の作品。何しろ首藤瓜於は、かなりの寡作作家であるので、前に読んだ作品は2年前に刊行された『ブックキーパー 脳男』であった。
本作は、奇抜なファッションを身に包む女性警視の鵜飼縣の名前をタイトルに冠した警察小説である。同時期に鳴り物入りで講談社文庫から刊行された夕木春央の『十戒』より本作の方が10倍は面白い。
殺人事件のまさかの真相とさらなる巨悪の存在には驚かされた。しかし、その辺りをもう少しじっくり描いてくれても良かったようにも思う。
美大に通う19歳になる女子学生の佐伯百合が、自宅アパートで背中を17か所余りめった刺しにされて殺 -
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話の内容としては面白かった。単純にひとつの病名として括るには説明し難い男を、医療の面から推測し、過去の人脈から繋ぎ合わせ、男の正体に迫っていくのは面白かった。そこに精神科医の感情も合わさるので専門的な医療用語もたくさん出てくるが、そこは難なく物語として入ってきた。
ただ、自分の好みの話になってしまうかもしれないが、描写の描かれ方がひとつの描写にたいして例え話や比喩表現がいくつも文章として羅列され、物語を進めていく上でひどく回りくどいと感じた。(正解を見せるまでにCMを何個も挟まれるような焦れったい、それほんとにいるのか?もっと端的でいいじゃないか。と感じる場面が多かった)
好みの感覚も違うと思