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使降が担当する元漁師の老鼠忠介は、クジラとの壮絶な格闘の果てに仲間内で語り継がれてきた「幽霊烏賊」と遭遇した。そして入院後も付きまとうその幻影を封じ込めてくれたのは「先生」と呼ばれた患者だという。理性を超越した患者たちの奇妙な振る舞いが意味するものは? 『脳男』の著者、渾身の衝撃作。
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Posted by ブクログ
上巻のラスト、つまり第二部の第一章である「大幽霊烏賊」の、悪夢か妄想のようなストーリー、その異様な迫力と不気味さに圧倒されました。 病院の一室に閉じ込められていて、主人公の使降 が勝手に「黙狂」と名付けている身動きしない患者や、院長、副院長、看護長の何か隠し事をしているような不穏な雰囲気も気になり...続きを読むます。 ただ、下巻が始まると、また精神病院の日常の描写が続きます。 少し不思議だったり訝しいことは起こるものの、「事件らしい事件はいつ起こるのやろう」と、違った意味でハラハラしながらページを繰りました。 こう書くと、退屈な部分が続いて読みにくいのかと誤解を受けそうですが、実際にはほんの僅かずつながら、謎が明かされてきて、そして後半には大きく物語が動きます。 僕もそうだったのですが、サブタイトルの「名探偵 面鏡真澄」から、「精神病院の中で、今起こる、起こった惨劇の謎を解く医療ミステリー」と思い込んで読むと、肩透かしをくらいます。 それでも、読み終えた後には、存分にどんでん返しと「騙された感」と満足感を味わえる良質のミステリーです。 最後に、個人的意見として、「本書は、首藤瓜於版『ドグラ・マグラ』である!」というコピーは気にせずに読んだ方がいいと思います。
異様な雰囲気を纏ったミステリー小説。古典的な章立てで進むが、不思議と読みやすく筋書きは捉えやすい。精神病院が舞台なのでどこまでが事実でどこまでが妄想なのか不明瞭なところがこの作品のキモ。自分の理解が本当に正しいのか、不安を抱えたまま読み終えることになる。
頭が痛くなるような奇異に満ちたミステリー小説。タイトルは確かにストーリーと関係があるのだが、本流を示す訳ではなく、読み手に混乱を与えるだけだった。これが首藤瓜於の計算なら、見事にその術中にはまってしまった。 途中から少し予想はしていたが、驚愕の大団円を迎える下巻。兎に角、変わったミステリー小説であ...続きを読むる。
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