3のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いろんな方が言われている通り、最近ほとんど見なくなった異世界ファンタジーの戦記もの。
決して人気があるわけではないけど、私のように一定のファンはおり、古くはロードス島戦記から空ノ鐘の響く惑星で、火の国風の国物語、近年ではカナクのキセキや天鏡のアルデラミン等々定期的に名作が出るジャンルでもあります。
そしてまだ1巻しか読んでいないけれど、この烙印の紋章もそれら名作に連ねる作品でしょう。
長編の1巻ということで、まだまだキャラや舞台説明が主。
とはいえクライマックスはしっかりと用意されており、盛り上げるところはしっかりもりあげます。
特にビリーナがガーベラ軍を鼓舞するシーンはよかったな。
まだ世界観がよくわからず戦争シーンがわかりづらかったりもするけど、読んでいくうちに慣れていくことでしょう。
戦記ものの見所は国家規模のカタストロフ。
その中でオルバやビリーナたちがどんな活躍をするのか。
今後が非常に楽しみです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公であるところのオルバ=ギル皇太子が皇帝に反旗を翻し、内乱の炎が燃え上がるメフィウス。
一方、そのメフィウスの隣国であるガーベラ、エンデそれぞれにも内乱の炎がくすぶりつつある。
大陸中央の国家群はそれぞれが内憂と外患を抱え、きな臭さはいよいよ増すばかり・・。
そんな危うい情勢の中、これまで沈黙を守っていた東の強大国アリオンがついに動き出す・・みたいなお話。
大陸全土を巻き込んだダイナミックな戦の予感、といえば聞こえはいいが、ぶっちゃけると舞台や登場人物があちこちに飛びまくるので追うのが大変。
主人公であるはずのオルバの出番も少ないこと少ないこと。
舞台が変わるたびに人物像から舞台背景、それぞれの国の文化風俗に至るまでいちいち語られるので、理解するのが少々面倒くさい。
ところで、多くのライトノベルは「美味しいところだけをチョイスしたお菓子」のイメージだと俺は思っている。
面倒くさい下準備などは省かれ、甘くて美味しいチョコやフルーツが食べやすく皿に盛られたのが、「萌え」を中心にした多くのライトノベルだ。
そんなライトノベル群に比べると、この烙印の紋章は味わうのに手間がかかる。
料理のための下準備をし、味付けをし、皿を並べて、盛り付ける。
料理を楽しむまでに、いくつもの準備が必要になる。
それはつまり、世界観の把握だったり、宗教観、人物像の把握だったりする。
そうした、場合によってはたいして面白くもない準備段階を経て初めて、美味しい料理を「味わう」ことができる。
皿が並べられる過程や、料理が運ばれる行程もすべて「食事を楽しむ行為」に含まれるとは思う。
とは言え・・・こう舞台が広がると、場所を移すたびに皿を並べなおす作業から始まるのが辛い。
ただ、1巻からこの10巻までで、そろそろ全ての皿がテーブルに載せられたのかもしれない。
それはさながら、満干全席のごとき豪華さ、といえるのかもしれない。
あとはこれをむさぼり食らうだけ。そう考えると、この先が楽しみでならない。
という観念的な感想はここまでにして・・・。
この10巻はビリーナ大活躍だったね。さすがに一隊を率いて戦闘に及んだのは予想外。その口上も、お見事。
予想を超える展開というのは、読んでいて実に楽しい。
一方、ライラ関係のエピソードはどこまでも想定内。操られるところから、暗殺未遂に至るまで、全てが予定調和と言っていい。
それは正直退屈な展開ではあったが、そうした予定調和もまた物語の味わいと、いえないこともいない。(^^) -
Posted by ブクログ
ネタバレ再びメフィウス皇子として舞い戻ったオルバは、ついにメフィウス国との戦いを開始する。
二倍以上の兵力差を覆すべく、様々な戦略、戦術を駆使して勝利をもぎ取ろうともがくオルバ。
智を尽くし、力を尽くして戦いに臨むオルバだったか、その戦闘での代償も大きく・・・、みたいな感じのお話。
相変わらず、お話は面白い・・といいたいところだけど、なんとなく飽きてきたのかな?
今巻に限ってのことなのか、単に飽きたからなのか、若干、物語の魅力が落ちたような気がした。ということで★4。
冒頭、ビリーナに銃を突きつけられるシーンは面白かったけど、そこ以外ではあんまり出番のないヒロイン。まあいつものことだけど。
この期に及んでもビリーナに正体を明かさないオルバにイライラが募る。
結局、ビリーナはオルバの秘密を知らされない限り、本当の意味でのヒロインとして物語に絡めないんだと思う。
あと、前々から少なからず感じていた矛盾、というか無理が今巻でより顕著に感じられるようになって来た。
それは、ギル・メフィウスに対する不自然な好感度の高さ。
ただのうつけで、好き勝手をやってきただけのギルが、なぜこうも民衆に愛されているのか、まったく理解できない。
戦争に勝利した英雄とは言うが、そのほとんどはギルが勝手に軍を率いて起こした戦だった。
アプターの人々も、ビラクの人々も、それ以外の多くの民衆も、兵を挙げて戦に突き進んだオルバを恨みこそすれ、諸手を挙げて歓迎するというのがどうも理解できない。
アプターなどはギル自身の手で街を焼かれている。勝つためだとはいっても、自らが住む街を焼かれて民衆が彼を英雄視するだろうか?
それぞれの戦いでは、少なからずギルに対する恨みや怒りがあったはず。そうした描写がなされず、どのような変遷を経てギルが支持されるに至ったかは、これまでの物語でもほとんど描かれてこなかった。
そもそも、内乱で疲弊した西方諸国に戦争を仕掛けるというのは、戦国の世の皇帝として必ずしも間違っているとは言い難い。
タウーリアを楽に手に入れることができるなら、メフィウスの国力は上がり、メフィウス国民の生活は潤ったはず。
これを、ギルはほとんど私的な理由で止めた。それだけなら無駄な人死にを出す戦争を未然に防いだという正義もあろうが、ギルは西方とメフィウスとの戦争を止めた上で、自らが戦を始めてしまった。
メフィウス国民にとってなんら得ることのない無益な内乱を。
だというのに、ここに来て民衆は諸手を挙げてギル皇子を英雄視している。
いかにしてギルが民衆に支持されるに至ったかがきちんと描かれていれば問題なかったんだけど、そこが抜けているのでどうにも収まりが悪い。
同様に、ビリーナのギルに対する好感度も、これまであまり描かれることがなかった。
それもそのはずで、ビリーナはギル=オルバということを知らない。
オルバに命を救われたり、交流があったりしても、それがギルへの好感度につながらない。
だというのに、ビリーナはなにかにかけてギルを気にかける。
だというのに、ギルはビリーナをなにかにかけて後回しにする。
ギルとビリーナの間にあるのは恋愛感情とは少し違う。お互いの行動力や責任感に対する尊敬といったものだろうと思う。
主人公とヒロインの関係が、お互いなんとなく尊敬している以上のものにならず、交流事態も少ないとあっては、盛り上がろうはずもない。
しかしそこは主人公とヒロイン。物語的にも惹かれあう必要があり、いつの間にかお互いの好感度が少しずつ上がっている様子。ここでも、ギルに対する不自然な好感度の高さを感じる。
最後に、西方諸国のギルに対する対応にもご都合主義を感じた。
そもそも、ラバン・ドウがほとんど無条件でギルに協力する意味がわからない。オルバは確かに西方で英雄にはなったが、その発言力が絶対的だったわけではない。
疲弊したタウーリアがメフィウスとの戦闘を避けるため、ギルと利害関係が一致したからこその協力関係だが、ラバンにしてもアークスにしても、もっとあくどく自国の利益を追う道があったのではないか。
唯々諾々とギルに従い、なんらの画策も起こさない、というのがどうもすっきりしない。
所詮ラノベ、そんな細かいところまで気にしても仕方がないとも思うが、これまでその細かいところまで散々つき合わされてきた物語なのだから、いまさらになってご都合主義で流されるのが納得いかないというかなんというか。
まあ、色々総じて、物語的な魅力が1レベル下がった、と感じた9巻だったと、そんなレビュー。
これまでは予想を上回る展開で物語が進むことが何度となく会った。だからこそ面白く感じたし、ぐいぐいと話に引き込まれた。
だけど今巻はほとんど終始、物語が予定調和の中に進み、意外性がなかった。
予想通りに苦戦しながら、予想道りに勝利し、予想道りのキャラが死んだ。
この烙印の紋章。これまでは最後の最後で予想を上回るからこそ面白かったんだと思う。
ところがこの9巻と、5巻では物語が個人的な予想を超えなかった。
だから、評価がいまいち伸びなかったんだと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最終巻。
最近のラノベでは珍しい萌要素の少ない作品。
皇子ギルとして生きることとなった元奴隷オルバが、当初は兄の仇討ちのため皇子として振舞っていて、その後仲間の死を乗り越えて偽りの皇子としての自分と向き合い成長する姿に緊張させられた。
ビリーナに偽者とバレるタイミングはいつなのか毎巻気になっていました。
最終巻での2人の下した結末は2人らしいなと思う。
伏線が回収されていない部分は確かに残念な気もあるけれど、
オルバの物語としては完結されている。
戦記ものは、完結した先も物語が続いている気がするので、
多少の謎は残っていても気にならないけれど、
謎が残りすぎ。むしろ更に気になるものも出てきたような……
スピンオフでも出て、少しぐらいは解決して欲しいような気がする。