田村秀のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昨今のデータ分析ブームを先取りしたかの様な2006年発行書籍ではあるが、データに対する考え方や分析手法の参考としては充分通用する内容となっている。
人は統計データに踊らされる。物心ついた時にはIQやら偏差値やら何かにつけて順位で評価されてきた様な時代に生まれたから、公表される数字ばかりを気にして生きてきた。最近はこれまた順位ブームとも言える様な、街の住みやすさランキングやレストランの格付け、ネット掲示板には楽器メーカーにまでランク付けされるような時代だ。人はそれを見て、自分の街はダメだとかランク上位で食事した、高い金で買ったギターが何で低いランクなんだ、と一喜一憂している。確かにそうした数字が出る事にはそれなりの根拠があって、街ランキングなら公園の数、行政の対応の質、交通の便や高齢者の住みやすさなどが一定量データとして捉えられ、集計や平均算出などの計算式から出たことは確かであろう。以前大問題となったマンションの構造計算不正などを見ていると、問題は数字を作る側に大いにあると思われる。
本書はそうした「数字」を作る側の問題点と、それを受け取る側へ警鐘を鳴らす内容となっている。わかりやすいところで言えば、質問の仕方次第で解答数字が大きく変わる新聞社のやり方などを挙げる。単純に賛成か反対かの2択で質問文に背景を書かない場合と、質問内に背景事情を詳細に書いた上で、賛成か、賛成がやむを得ないか、条件付きで賛成か、反対か、と言った解答選択肢を準備すれば、当然の如く賛成に偏る。こうしたやり方は新聞社が時の政権与党や国民に対しての忖度、経営者の顔色伺いなど様々な数字制御装置が含まれていると考えられる。
誰に解答をさせるかのサンプリング手法、実施時期、解答選択肢の準備の仕方、質問の傾向などあらゆる要素で数字がいくらでもコントロール出来るうえ、先の構造計算問題の様に、最終的に意図的に不正に修正されて「数字」が作られてしまうなら、最早信ぴょう性は地の底である。
とは言え私をはじめとして、自身に都合の良い数字は信じやすく、その逆は受け入れ難いという人間のやむを得ない心理が働いてしまうのも、また問題を更に根深いものにしていく。ビジネスパーソンで特に新規事業企画などをするケースでは時に致命的になる。コンサルタントが出してくるサイト訪問数、売り上げ予測には超が複数つくほど楽観的なものが多いし、保険の支払い条件のような解りづらい形でしっかり条件までつけることも怠らず、逃げ道まで準備されている。
人は数字で騙される。だからこそ自分自身が数値に対する嘘やカラクリを見抜く力を持たなければならず、何より鵜呑みにしない、先ずは疑ってかかるというのが正しい姿なのだろう。本書はそうした数字を見せられる側の有用な参考書にもなりつつ、ある意味見せる側のテクニックにも使えてしまう。どちらの立場で本書を読むかは読者次第である。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書を読んで、世の中のデータの多くは、恣意的な操作が加えられていると言っても過言ではないように感じた。
データの取り方、グラフの表示の仕方で、受け手に与える印象がだいぶ変わることが分かった。
アンケートなどもどのような人に答えてもらうかで、その割合に大きな差が出る。当たり前の話だが、阪神タイガースの上場についてのアンケートを見ると、それがものの見事に反映されていて、とても興味深かった。
デイリースポーツ、日刊スポーツ、ライブドアがそれぞれ取ったアンケート結果がある。
阪神ファンを多くの読者に持つデイリースポーツは、賛成が7%なのに対して、上場に賛意を示していた堀江氏が社長を務めていたライブドアでは、賛成が73%なのである。
このようにデータの裏側を考えなければ、歪んだ情報を信じてしまうこともあるだろう。
また、サンプリングの仕方についてはとても勉強になった。例えば、都道府県ごとにサンプルを集めてデータ化する場合は、その都道府県ごとの人口比で按分しないと偏ったデータになってしまうのだ。
データの正しい取り方を知ることも、正しい読み方をするためには必要なことだろう。
色々な角度からデータリテラシーについて解説されていてためになった。 -
Posted by ブクログ
データ・リテラシーの重要さを解いた本。
――かと思っているのだが、終わりの方は趣が変わっていく。
最初は、様々な調査を取り上げ、そのどこがダメなのかの解説をする。
ライブドアがネット上で行った阪神上場の賛否を問う世論調査や、さいたま市のケーキ購入額日本一(家計調査)など、取り上げている例が面白い。
まあ、さいたま市のケーキの街への企ては、笑って捨て置いていいような話なわけだが。
TOEFLの平均点を取り上げての日本人の英語力が低いという「世論」を検証しているあたりから、ちょっと雰囲気が変わる。
で、結局何が言えるの? あなたは何が言いたいの?という感じになってくる。
何か、解釈にあらを探すのが目的なのかという感さえ漂う。
今流通する様々な数字を検証する、ということだと、どうしてもネタの鮮度が問題になり、本は古びてしまう。
データ・リテラシーの本とみるならば、もう少し「技術」としてまとめられていてほしい。
こういう本を作るのは――、コンセプトを立てるのは難しいんだな、と感じた。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
地方の人口の減少や不況の影響で、大都市に比べ地方経済の冷え込みは一段と厳しいものになっている。
様々な地域振興策が国や地方自治体の主導で行われてきたが、それも成功したとは言い難い。
そんな中、「食」をテーマにした地域おこしが注目されている。
宇都宮市の餃子や富士宮市のやきそばは全国区の人気を博し、多くの観光客を集めている。
値段も安くそれでいて美味なローカルフード、いわばB級ご当地グルメを地域振興にいかに活用していくか…。
B級グルメをこよなく愛する自治体格差研究の第一人者が、各地の注目株を紹介しつつ具体的な策を提言する。
[ 目次 ]
各地で盛り上がるB級グルメフェスティバル
三大焼きそばの街-富士宮、横手、太田
実は十大焼きそば?-黒石、那須塩原、石巻、栃木、日田、新潟、北見…
餃子日本一はどこだ-宇都宮、浜松、裾野
とんカツ列伝-福井、駒ヶ根、会津若松、岡山、瑞浪、新潟、訓子府、長崎、根室、加古川、越前
はばたけやきとり達-美唄、室蘭、福島、東松山、長門、今治、久留米、丸亀、新潟、釧路
身も心も温まるおでんの街-静岡、青森、姫路
個性いっぱいのコナモン達-岸和田、高砂、行田、大洗、山形
麺もいろいろ-香川、北九州、盛岡、呉、広島、山形、富山、徳島、須崎、伊那、名古屋
ご飯ものいろいろ-横須賀、鳥取、札幌、北九州、金沢、岡山、帯広、下呂、金武
まだまだあるぞB級グルメ-佐世保、函館、鹿児島、熊谷、龍ヶ崎、高岡、芦別、舞鶴、呉、苫小牧
B急グルメを科学する?
B級グルメが地方を救う!
B級グルメ検定!
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
社会科関連の本だとも思うのですが
個人的には統計学の概念のほうが大切な内容だったと思います。
どれくらいの情報が提供されていればどれくらいデータの信頼性を期待していいか、というお話。
ひとつの事件について複数の記事を読む、とか、
実際の時間と手間を考えると絶対にやらないようなアドバイスがなされていますが、
そこまでしなくても、巷に溢れているデータの数々について、鵜呑みにしないように!という主題を覚えておくのはよいと思いました。
データ分析を仕事にしている人が統計の基礎をしらないことが多い、という話には驚きました。
自分の専門分野については、少なくとも人並みの知識を持っていないと恥ずかしいもんだなぁ、という教訓になりました。 -
Posted by ブクログ
内容紹介
富士宮やきそばの経済波及効果217億円! 宇都宮市・浜松市=餃子、静岡市=おでん、福井市=ソースカツ丼etc… 地方経済を元気にするB級ご当地グルメのスターたち! 地方の人口の減少や不況の影響で、大都市に比べ地方経済の冷え込みは一段と厳しいものになっている。様々な地域振興策が国や地方自治体の主導で行われてきたが、それも成功したとは言い難い。そんな中、「食」をテーマにした地域おこしが注目されている。宇都宮市の餃子や富士宮市のやきそばは全国区の人気を博し、多くの観光客を集めている。値段も安くそれでいて美味なローカルフード、いわばB級ご当地グルメを地域振興にいかに活用していくか……。B級グルメをこよなく愛する自治体格差研究の第一人者が、各地の注目株を紹介しつつ具体的な方策を提言する。