西村悠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
あーこれはイイ!
感動したあ。
小説家になる夢を諦め、かといって就職もうまくいかない大学生の主人公が高校時代の憧れの先輩に頼まれてギャルゲーを作ることになるという、いかにもラノベっぽい物語。
でもここにはホンモノの創作の、しかも商業創作の苦しみと熱と想いが籠もっている。
その想いの強さに泣きたくなる。
いや、イイ話だなあ。
ゲーム制作は予定通りいかないトラブルの連続で、それでもより面白くしようと頑張るしかなくて、そんな登場人物たちの姿にある種の憧れと羨ましさと郷愁を感じた。
多分自分の中にこういう世界への憧れがあるんだ。
個人的ハイライトはラスト近く、どうしようもないトラブルに仕事を投 -
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Posted by ブクログ
ネタバレメディアワークス文庫「妄想ジョナさん。」から遡って作者買い。
大当たりでした。
連作短編でどの章もじんわりと温かくて切なくて、凄く好き。
「九四三階の戦争」と「一〇五六階の幻想」、表題の「二四〇九階の彼女」が特に良かった。ほぼ全部だけども。
全編に漂う不完全さ、理不尽さと、主人公サドリの人間を根底的に肯定する温かさのギャップが、世界の危うさを際立たせているように思う。
読み進めるにつれて時系列を遡っていく構成が秀逸。ラストで明かされるかなーと期待していた「鍵と門」」については抽象的な表現に留めてあり、ちょっと取ってつけた感が気にはなった。
でも正統派に泣ける。絵に描いたようなセカイ系だし -
Posted by ブクログ
ネタバレこの物語は主人公のかなわぬ恋をえがいた物語である.
いつかはきえてしまうと分かっている.
絶対にかなわない恋.
現実世界から目を背けたいときに読むと元気をもらえる作品だと思う.
最後まで読めばきっと心あたたまると思う.
以下あらすじである.
主人公は,妄想に悩まされる男の子である.
過去のトラウマにより,現実から目を背けていた.
ある日,主人公の前に一人の女の子が現れる.
彼女の名前はジョナさん.
彼女は,主人公を現実から目を背けている主人公を助けるためにあらわれた妄想であった.
最初はジョナさんの存在を疎ましく思っていた主人公であったが,ジョナさんとの日々を過ごしていくうち,ジョ -
Posted by ブクログ
ネタバレ妄想にとりつかれた僕。
街を歩けばただの道もレンガづくりになり、しゃべるカエルがキセルをくわえ、二足歩行のウサギが目の前にいる。
そのウサギ、ヒロインもやはり妄想。
そんなヒロインに心を奪われてく―。
…そんな感じでしょうか。
とにかく主人公の妄想がすごい。なんか尊敬できるくらいに。
妄想ってやっぱさみしいですね。妄想してるときは楽しくても戻るとさみしくなる。
ジョナさんは、妄想だけど妄想から現実に引き戻そうとする妄想。主人公のために必死になる彼女はかわいいけどかなしい。
彼女のためにがんばると彼女から離れなきゃならなくなる。
なんかもどかしいです。
ラストは、さみしいけど前を向かな -
Posted by ブクログ
終盤の50ページ、登場人物の感情がぶつかり合うところでボロボロに泣いてしまった。書いてある通りの悔しさを味わって、それでも踏み留まってるつもりの人間の端くれとして。ズルいよこんなん。
読み始めはとにかくネガティブな主人公が苦手で、そういう性格だけならともかく後ろ向きな心情描写が執拗に続いたので「コイツ腹立つわー……」とクッション殴りながら読んでたけど、読み終わる頃にはそれも自分なりに受け入れられてた。最後の章で会社に呼ばれたときのマイナス思考には「まーたそういう事考えて(笑」って、友達みたいな感じで接することが出来てたし、実際口にしてた。だから前半☆2つ、ラストスパートで☆6つ、合わせて割って -
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