あらすじ
無数の階層が連なる“塔”のかたちをした世界。各階層は神の代行機械であるアントロポシュカによって管理されていた。しかし管理する階層に住む人間が“幸せ”に暮らせる世界を作る、という命題を与えられ階層世界を運営してきたアントロポシュカたちは、永い時間を経て、その多くに狂いを生じていて…。“幸せ”に狂った世界の中を、少年・サドリは相棒のカエルとともに海を目指して塔を降りてゆく。かつて交わした「彼女」とのただひとつの約束を果たすために。優しくて残酷な、神様と世界のお話。
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Posted by ブクログ
わたしはとても大切な作品となりました。西村悠さんへ素敵な作品をありがとうございます。
西村さんの作品はどれも大好きなので、他の作品も読み進めていきたいと思います!
Posted by ブクログ
メディアワークス文庫「妄想ジョナさん。」から遡って作者買い。
大当たりでした。
連作短編でどの章もじんわりと温かくて切なくて、凄く好き。
「九四三階の戦争」と「一〇五六階の幻想」、表題の「二四〇九階の彼女」が特に良かった。ほぼ全部だけども。
全編に漂う不完全さ、理不尽さと、主人公サドリの人間を根底的に肯定する温かさのギャップが、世界の危うさを際立たせているように思う。
読み進めるにつれて時系列を遡っていく構成が秀逸。ラストで明かされるかなーと期待していた「鍵と門」」については抽象的な表現に留めてあり、ちょっと取ってつけた感が気にはなった。
でも正統派に泣ける。絵に描いたようなセカイ系だし、ありがちと言ってしまえばそれまでではあるけれど。
「さようなら、また会いましょう」
何万回も使われたようなこのラストシーンの約束の言葉でシッカリじんわりと泣けるくらい、丁寧に積み重ねて描かれていると思う。
心に響く。
普段あんまり人にオススメ出来ないような本ばかりを愛読しているので、今度誰かに「なんか感動できる良い本ない?」と比較的無軌道に訊かれたらこれを推薦したいと思います。
Posted by ブクログ
階層によって世界が違うという独特の世界観がすごく好きです。
印象深かったのは光のない世界の話です。
真っ暗なのに鳥がさえずっていて、自然があるんです。
面白いので是非。
Posted by ブクログ
友達に「何かいい本無い?」と聞いて「泣けるぜ」と紹介されたのがこれでした
(´;ω;`)ウッ・・・
確かにええ話や・・・;
世界観がちょっと異質で、読み始めは怖いの5割違和感5割でしたw(結局慣れましたが
全2巻なのが少し残念ですorz
・・・今思うとなかなかの女たらしっぷりだ主人公
Posted by ブクログ
しゃべるカエル(機械)は予想外に雌型でした。
表紙を見るとラブコメや萌え系に見えるかもしれませんが、違います。
塔の世界を一層一層下りながら旅する人の話。