ウィトゲンシュタインのレビュー一覧
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語ることができない事柄の前では、沈黙しなければいけない。
古代の人々は神と運命を前にして歩みを止めたように。
明日太陽が上るというのは仮説でしかない…私たちはそれを知っているわけではない。
地頭がちがうとここまでわけがわからないのか…
私は勝手に私が閉鎖病棟にいた時に書いてた日記を思い出しまし...続きを読むPosted by ブクログ -
ピエール・アド「ウィトゲンシュタインと言語の限界」後に再読。学生時代に1度、社会人のまだ若い頃に1度読んでいるが、今回改めて自分の読みの浅薄さを思い知らされた。丁寧に読むとかなりの時間を要する著作なのに、あまり読むのに苦労した記憶がないのだ。野谷茂樹氏の訳者あとがきに「『論考』という著作は妖しい光...続きを読むPosted by ブクログ
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人が思考し得ないものについての論考。世界を言語が写像している事実の総体と定義し,世界全体を語るには言語をその外側に置く以外には不可能であるとし、語り得ないものに対して沈黙せねばならないとした。
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哲学が言語に縛られているのと、哲学は言語を利用しているからとその言語について考えた書物。語り得ぬものには沈黙しなければならないはこの書の結論である。しかし、言語は意味のないものでも人々は話す。例えば、アーメンなどの祭儀の言葉など。これが哲学を終わらせたと考えていた作者が哲学探究へと移行する。Posted by ブクログ
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私なりにこの本のキーワードは「限界」にあると思う。語りうることと語りえないことの限界、世界の限界、そして私の限界としての独我論。序文にも、「本書は思考において限界を引く。いや、むしろ、思考に対してではなく、思考されたことの表現に対して限界を引く」(p9)とある。
本書のミソはこの「限界」が、まさ...続きを読むPosted by ブクログ -
やや読み飛ばしながら。概要は以前より未熟ながらある程度は知っているものを、きちんと読もうと思って手に取ってみたら案の定難しかった。20世紀西洋哲学における言語論的転回の主軸であり、相対性理論にも似た巨大なインパクトを持つ。古代ギリシアのテセウスの船など、子供が如何にも世界に対して眩暈し夜も眠れなくな...続きを読むPosted by ブクログ
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「論理哲学論考をよむ」を読んだ後に思い切ってページをめくってみた。
当時これはきっと既存の知の積み重ねだけでは理解ができなかったんだろうなと思う。
頭を空っぽにして一度、その思考にどっぷりと浸かって初めて片鱗を感じることができそうだ。
なんども「論考をよむ」と往復しなければとても自分には読むことがで...続きを読むPosted by ブクログ -
パラッと開いてみたらぶったまげた本。
「二・0一二四」という数字が各行(各論か?)の頭に振ってあり、その下に「全ての対象が与えられるとき、同時にすべての可能な事態も与えられる」とかいう文句がある。
この短くも長くもない明晰であり、しかし強く惹かれる怪しい魅力を放っている文章になんだか溜息がもれてし...続きを読むPosted by ブクログ -
言語の限界を明らかにすることで思考の限界を指し示し、命題に対する操作によって語られうることは全て明晰に語られうるのだと証明した上で「語りえないことには沈黙しなければならない」と断言する、20代のウィトゲンシュタインが残した生前唯一の哲学書。大半が難解な論理による分析方法に関する考察で占められているの...続きを読むPosted by ブクログ
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ウィトゲンシュタインの「危険」な思考は、なんて魅力的なのだろう。
たしかにそうだ、語ることがその人の思考を作る。
当然それが限界となる。
しかも思考は言語でおめかしして、その真意を明らかにはしない。
他の問題が解決できても、生の問題は残る。
それを解消するまで考えねばならないのか。
神秘主義...続きを読むPosted by ブクログ -
1921年に出版された哲学書なんだけど、IT技術者が読むと、まるでプログラミングついて語られているかのように錯覚してしまう不思議な本。
たとえば「世界が私の世界であることは、この言語(私が理解する唯一の言語)の限界が、私の世界の限界を意味することに示されている。」とか。
論理的考察の果てにたどり...続きを読むPosted by ブクログ -
誰でも一度は、しみじみと何かを考えることはあるだろうし、それの多くをこれから見出すことができると思える。
人と話をしていても、また何かで悩んでいる時、わりと「何かの定義」で割れていることもある。知らないことについては、何も言わない方がいいのではないか、と思うことも多い。
哲学は学説ではなく、行動であ...続きを読むPosted by ブクログ -
大学の試験からの逃避として読んでました。この本は「世界は成立していることがらの総体である」と始まり「語りえぬものについては沈黙せねばならない」という結論に至る。言いたい事はハイデガーが「存在と時間:第1章 存在の問いの必然性、構造および優位:第2節 存在への問いの形式的構造」で「問われているもの(存...続きを読むPosted by ブクログ
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枕頭の書に、もってこい、です。
すぐ眠れる。
最後の一行があまりにも有名だが、その少し前から、大変なものです。
恐れ入りました。Posted by ブクログ -
野矢や黒田の翻訳は分かりやすく読みやすくしている意訳であるが
この訳は厳密にしようという素晴しき意志がある。
私はこの本に出会って哲学への道へと進んだ。Posted by ブクログ -
論理哲学論考
著:ウィトゲンシュタイン
訳:野矢 茂樹
岩波文庫 青689-1
難書 雰囲気しかわかりませんでした、第一、数学に出てくる用語でも、意味がよくわからない
論理式の展開についてゆけないです
■論理哲学論考(本文)
第一感、岩波文庫にしては、行間がゆったりしていて見やすいというもの...続きを読むPosted by ブクログ -
言語哲学における重要文献
フレーゲ、ラッセルの築いた礎に立ち向かうべく著された意欲作であり、出版のために解説を担ったラッセルですら十分に理解できていなかったという点も含め「ウィトゲンシュタインの衝撃」がいかに大きかったかを感じることができる。
哲学論究まで時間をかけて今後分析を進めていこうと思う...続きを読むPosted by ブクログ -
実際のところ本文はほとんど読んでいない。「高校生のための『論考』出前講義」を読めばだいたい読んだ気持になれる。(笑)
「はじめに言葉ありき」の西洋と矛盾を含み言葉には頼らないことに真理を見言い出す東洋を比較する上で記号論の元祖とも言えるこの本の存在は実に大きいと思う。
コンピュータのプログラミ...続きを読むPosted by ブクログ -
命題論理構造を哲学に持ち込こまんとする試み。論理式をメモりながら読むと面白い。数学もわかる理系の哲学者におすすめ。そういった人には読んでいると快感に襲われるでしょう。
ただ、彼の失敗もすぐに気づく。才能があるだけに惜しい。恩師がラッセルでなければよかったのだが。Posted by ブクログ -
ウィトゲンシュタインが生前に刊行した唯一の著書。
文章をいじくりまわして世界の可能性を思考の限界まで探っていく論理実証主義と呼ばれる思想の流れは、このウィトゲンシュタインに始まったと学生のころ学んだ気がします。
ふと思うところがあって今こうして読み返してみると、一切の実存への意思を排除したかのような...続きを読むPosted by ブクログ