ウィトゲンシュタインのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ウィトゲンシュタインが生前に刊行した唯一の著書。
文章をいじくりまわして世界の可能性を思考の限界まで探っていく論理実証主義と呼ばれる思想の流れは、このウィトゲンシュタインに始まったと学生のころ学んだ気がします。
ふと思うところがあって今こうして読み返してみると、一切の実存への意思を排除したかのような内容が逆にスリリングであらたな魅力を感じました。
語りうる領域と語りえない領域との境界線画定を試みたと言われている本ですが、「語り得ないものについては沈黙せねばならない」というフレーズはあまりにも有名。
当たり前ですが、これは「語り得ないもの」を排除しようとしたのではなく、そうしたものを希求するがゆ -
Posted by ブクログ
何回読んでも難解な本ですが、ようやくこの本の提示するスコープが見えてきたような気がしました。
①成立していることがら(=事実)から構成要素に分解する。
②それらの可能な組み合わせ(=事態)を記号(=像)にマッピングする(=命題)
③命題についていろいろ語って思考の限界を探る。
④語りえないものについては、沈黙しなくてはいけない。
正直なところ、解説を読まないと、何を言っているのかさっぱり意図がつかめないです。でも、解説を読んだ後で流し読みしてみると、そういうことか!という発見があります。
この本は、解説本を読んだ後にまた再読したいです。 -
Posted by ブクログ
浅く理解した。以下は私の勝手な解釈。
(ウィトゲンシュタイン氏はこんなことが言いたかったんじゃないか?的な)
哲学における命題は、だいたいにおいて、答えが出ないような構造になっているので、考えるだけ無駄(設計が悪い)。4.003
そして、この本では、良くない設計の命題がなぜ良くないかを主に解説している。
だから、私のこの本のそうした部分も含めて、(意義のない)哲学的命題について考えることから脱してほしい。6.54
哲学そのものを否定する訳ではない。哲学には思考を明晰化する働きがある。(きちんとした構造を持つ命題と向き合うなら)4.112
だから、どんな命題が(哲学的に)有意義 -
Posted by ブクログ
友達が「人生で一番薦める本」的なことを言っていたので「そういわれたら読むしかねえな!」と思い手を出した本。
意味わっからーん\(^o^)/すげー直感的に感じたのは著者は「論理」を愛するあまりそれを殺してしまったんだな、的な感じ。論理が世界の中に存在していて、自身の存在を広げようと手を伸ばそうとするんだけど、世界という限界に阻まれてしまう。でも人が自分の目を見ることができないように、論理も世界を見ることができない。見ることができないというのは俯瞰することができないという意味なのだが、つまり見ることができないということは認識することができない、ということになり論理の可能性は限界がないことになる -
Posted by ブクログ
ウィトゲンシュタインは、この本によって、哲学問題をすべて解決したと考えて、哲学から離れたのだという。とんでもない話しだけれども、そう言いたかった気持ちはよくわかる。
この本を書く時、おそらく著者は、さっさと哲学などという曖昧なものの根本的な部分を整理して見通しを立てて、余計なことを考えずに済むように片付けておきたいと思って書いたのだろうと思う。
この論考は結局のところ、人は何を理解することが出来て、何を理解することは出来ないのか、を区別することを目的としている。それは、哲学というものの輪郭をはっきりさせて、その限界を明確にしようという試みでもある。
そのたった一つのことを証明するために、きっ