ウィトゲンシュタインのレビュー一覧

  • 論理哲学論考

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    ウィトゲンシュタインが生前に刊行した唯一の著書。
    文章をいじくりまわして世界の可能性を思考の限界まで探っていく論理実証主義と呼ばれる思想の流れは、このウィトゲンシュタインに始まったと学生のころ学んだ気がします。
    ふと思うところがあって今こうして読み返してみると、一切の実存への意思を排除したかのような内容が逆にスリリングであらたな魅力を感じました。
    語りうる領域と語りえない領域との境界線画定を試みたと言われている本ですが、「語り得ないものについては沈黙せねばならない」というフレーズはあまりにも有名。
    当たり前ですが、これは「語り得ないもの」を排除しようとしたのではなく、そうしたものを希求するがゆ

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    2014年06月04日
  • 論理哲学論考

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    何回読んでも難解な本ですが、ようやくこの本の提示するスコープが見えてきたような気がしました。

    ①成立していることがら(=事実)から構成要素に分解する。
    ②それらの可能な組み合わせ(=事態)を記号(=像)にマッピングする(=命題)
    ③命題についていろいろ語って思考の限界を探る。
    ④語りえないものについては、沈黙しなくてはいけない。

    正直なところ、解説を読まないと、何を言っているのかさっぱり意図がつかめないです。でも、解説を読んだ後で流し読みしてみると、そういうことか!という発見があります。

    この本は、解説本を読んだ後にまた再読したいです。

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    2012年09月27日
  • 論理哲学論

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    「私の言語の境界が、私の世界の境界を意味する」「世界はどのようにあるか、ということが神秘的なのではない。世界がある、ということが神秘的なのである」

    ウィトゲンシュタインは論理主義者であり、それゆえに神秘主義者なのでしょう。
    また表現形式(連番になっている)が面白い。

    「語りえぬことについては、沈黙しなくてはならない」
    この最後の箇所で鳥肌がたちました。

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    2012年04月22日
  • 論理哲学論考

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    ウィトゲンシュタインが生前刊行した唯一の著作。4.002、4.003(かの7の次に有名な箇所。哲学的命題や問いのほとんどは誤っているのではなくナンセンスなのである)、4.27、5.143、5.61、5.62、6.45(スピノザを念頭に置いた記述)に印がつけてあったが、さすがにもうほとんど内容を忘れてしまっている。ちくまの『青色本』に手をつける前に再読せねば。

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    2012年03月20日
  • 論理哲学論考

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    噂は聞いていたが、本当に難解。著者の思考の1割も理解できたかどうか…。用語の定義の理解が不十分なまま読み進めたのは反省。言葉の定義を厳密にし、論理学で語れることと語れないことを区別している。わからないことだらけなのだけど、読み終えた後にパラパラと見返していると、番号で整理された一連の文章が、著者が自身の思考を言葉の限界を認識しつつも苦心しながら記述しようとした跡が感じられるように思えた。

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    2011年12月24日
  • 論理哲学論考

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    超難解な内容。一度読んだだけでは理解できなかった。解説を読んで、ようやく何とか概略はつかめたけど…
    研ぎ澄まされた雰囲気がよく伝わってきた。

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    2021年05月03日
  • 論理哲学論考

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    論理の飛躍をしていると思うのだけどよくわからない
    光文社古典新訳文庫の「高校生のための『論考』出前講義」を読めばよかったか
    「を読む」「入門」本を読めばいいのかわからないまま青色本に進むのも手か
    うーむ

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    2019年10月22日
  • 論理哲学論考

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    思考に限界を引くには、我々はその限界の両側を思考できねばならない。従って限界は言語においてのみ引かれうる。そして限界の向こう側は、ただナンセンスなのである。
    哲学の目的は論理的明晰化である。
    哲学の仕事の本質は解明することにある。
    もちろん言い表しえぬものは存在する。それは示される。それは神秘である。

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    2018年07月18日
  • 論理哲学論考

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     大きなところから細かいところへ、すぐに浅いところへ戻るものもあれば深く細かく入り込んでいくところもある、ということが章立てのように細かく振ってある番号により可視化されている。そのおかげで何を問題にしているのか、何が気に入らないのか、どこで説明に苦慮しているのかが分かる。語られている内容よりもむしろ、ウィトゲンシュタインあるいは哲学者という人たちがどのような考え方をしているのかを、つぶさに見ることができたところが面白い。

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    2017年10月08日
  • 論理哲学論考

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    浅く理解した。以下は私の勝手な解釈。
    (ウィトゲンシュタイン氏はこんなことが言いたかったんじゃないか?的な)

    哲学における命題は、だいたいにおいて、答えが出ないような構造になっているので、考えるだけ無駄(設計が悪い)。4.003

    そして、この本では、良くない設計の命題がなぜ良くないかを主に解説している。

    だから、私のこの本のそうした部分も含めて、(意義のない)哲学的命題について考えることから脱してほしい。6.54

    哲学そのものを否定する訳ではない。哲学には思考を明晰化する働きがある。(きちんとした構造を持つ命題と向き合うなら)4.112

    だから、どんな命題が(哲学的に)有意義

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    2013年07月27日
  • 論理哲学論考

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    友達が「人生で一番薦める本」的なことを言っていたので「そういわれたら読むしかねえな!」と思い手を出した本。

    意味わっからーん\(^o^)/すげー直感的に感じたのは著者は「論理」を愛するあまりそれを殺してしまったんだな、的な感じ。論理が世界の中に存在していて、自身の存在を広げようと手を伸ばそうとするんだけど、世界という限界に阻まれてしまう。でも人が自分の目を見ることができないように、論理も世界を見ることができない。見ることができないというのは俯瞰することができないという意味なのだが、つまり見ることができないということは認識することができない、ということになり論理の可能性は限界がないことになる

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    2012年01月05日
  • 論理哲学論考

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    ウィトゲンシュタインは、この本によって、哲学問題をすべて解決したと考えて、哲学から離れたのだという。とんでもない話しだけれども、そう言いたかった気持ちはよくわかる。
    この本を書く時、おそらく著者は、さっさと哲学などという曖昧なものの根本的な部分を整理して見通しを立てて、余計なことを考えずに済むように片付けておきたいと思って書いたのだろうと思う。

    この論考は結局のところ、人は何を理解することが出来て、何を理解することは出来ないのか、を区別することを目的としている。それは、哲学というものの輪郭をはっきりさせて、その限界を明確にしようという試みでもある。
    そのたった一つのことを証明するために、きっ

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    2020年07月15日