波多野澄雄のレビュー一覧

  • 国家と歴史 戦後日本の歴史問題

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    太平洋戦争が終わってもうすぐ70年が経つというのに、いつまでたっても出てくる戦争の話題。何で今も中国人や韓国人が訴訟を起こしてるの?歴史教科書問題ってよく騒いでるけど何でそんなに騒ぐの?という戦後生まれの方々に是非オススメ。
    戦後史をずっと研究していた著者様(大学教授)なので、非常に言葉を選んで中立的に書いているなあという印象を受けた。ここに書いてある歴史問題の経緯は、日本国民のどれくらいが知っているのかなと思った。

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    2014年03月30日
  • 国家と歴史 戦後日本の歴史問題

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    週刊東洋経済の「読書特集号」で、推薦されていたので読んでみた。

    一言で言えば、戦後の日本と東アジア諸国との見解の違いがどのようにして生まれたのか、政治史の視点で丹念に追った本だと思う。新書にしては、中味は濃いと思う。

    内容は3部にわかれており、一部のサンフランシスコ講話体制では、先般の扱い、国家補償と戦争賠償、植民地帝国の清算の視点から戦後の体制がどのように成り立ったかをまとめている。二部では、80年代の靖国問題、教科書問題、戦後補償をどのような心情として扱ったかをまとめている。三部では、細川政権から村山談話の問題などの歴史認識を扱っている。

    戦争のある歴史認識は非常に難しい問題であり、その原因や人への刑罰・補償、などの形や言葉だけでなく、実際の形(金銭など)での補償などは当事者の認識や両者の歴史や関係が含まれる。事実とは何か、そしてどのようにそれを処理していき、歴史の視点でどのように見るべきなのか、いろいろ考えさせられた。

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    2012年09月15日
  • 国家と歴史 戦後日本の歴史問題

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    【読書その5】久しぶりに今の職場に直結の本。著者は筑波大の波多野澄雄氏。慰安婦問題に対処するアジア女性基金の資料調査、村山内閣のアジア歴史資料センターの設立準備と運営、安倍内閣の日中歴史共同研究、政権交代後の日米「密約」問題に関する有識者委員会の委員、そして今の職場の関係では九段の昭和館の有識者会議など、政府の数多くの委員を歴任している。東京裁判、靖国問題、歴史教育問題、従軍慰安婦問題等を取り上げ、政府のこれまでの戦争検証のスタンスを論じている。岩波新書の「遺族と戦後」と同様に戦後問題の背景等を学ぶ良著だと思う。

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    2012年01月17日
  • なぜ日本は米英中ソと戦ったのか

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    『日ソ戦争』を読む前に、大戦の全体像を掴むために購入。英、米、中、ソ、それぞれとの戦争について、そのひとつひとつにスポットを当てなければ、太平洋戦争の全体像は掴めない、とする著者の意図は、本書を読む限り成功しているように感じる。

    ただ、予備知識がないと、話についていけないので、いくつか文献を読んでから、もう一度読んでみようと思う。

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    2026年09月02日
  • 決定版 大東亜戦争(上)(新潮新書)

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    第6章の『財政、金融規律の崩壊と国民生活』が興味深かった。数値でしめされると、甘粕正彦の『大ばくち、見ぐるみ脱いですってんてん』という言葉に納得した。

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    2026年07月03日
  • 日本終戦史1944-1945 和平工作から昭和天皇の「聖断」まで

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    特別な視点などは無かったけど、1945年に入ってから、何故あれほどソ連を介した工作に拘泥したかが、あらためて理解できた。
    それから、ポスト東條に、いわゆる皇道派はじめ陸軍内で傍流となっていた将官を据える構想が、近衛文麿周辺で割と真面目に考えられていたのは、あまり知らなかったことだった。ただ、文中にもあるように、真崎甚三郎は皇道派の大物、二.二六事件の「黒幕」として天皇本人はじめ宮中での忌避感は強かったし、宇垣一成は一般的には皇道派に分類されることはないけど、むきだしの政治性が天皇から極度に嫌悪されているのが、当時からよく知られているので、実現可能性はほとんど無かったでしょう。
    なお、些末ながら、まえがきにて、
    「二度の『聖断』による終戦は、国内戦場化や政府の崩壊…が避けられたという意味で…」
    と述べられているのだけど、沖縄は「国内」じゃないんだ、と思ってしまった。このあたりは、著者本人もさることながら、編集者の注意が足りないのだと思う。他にも本文で、前出が無い人物に肩書きなどが付いていない姓のみの記述がある、つまり、校正不足と思われる箇所がいくつかあって、ここ20年くらいの新書濫造が感じられる。

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    2025年12月07日
  • 決定版 大東亜戦争(上)(新潮新書)

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    そういう史観の本では無い。どちらかと言えば、下巻の方が読みやすかった印象。
    太平洋での英国と表題に関わる呼称の話は、あまり目にしたことが無かったので興味深かった。

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    2024年10月08日
  • 「徴用工」問題とは何か 朝鮮人労務動員の実態と日韓対立

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    「徴用工」について、かなり客観的に交渉経緯や法的根拠などを著述する。

    ほぼほぼ世間に出ている論と変わりない。が、その同意に至る交渉を、薄い本ながらコンパクトに説明していただいている。

    そうは言っても、歴史的、国民感情的な問題があって、経済力もついてきたんだが、そこも含めて新しい解決を図らないといけないんじゃないかも、的な提言は、不要と思う。

    日本側の、歴史的国民感情的な問題が軽視されてきたこと、軽視すべきという姿勢が問題と思う。
    だから、法的解決があるんでしょ。

    したんでしょ。

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    2023年05月25日
  • 国家と歴史 戦後日本の歴史問題

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    確かに国家には歴史観は必要だと思う。定まった考えがなければ施策を上手く説明、理由づけするのは難しくまた世論の納得感も得られない。過去を誤りのない真実はとして証明するのは不可能だ。それを絶対と決めつけるのが危険な事も分かる。
    絶対はないと言う前提のもと、自分なりの考えを持ち人に強要する事なく、あらゆる考えを受け入れる事が大切だと感じる。歴史観は個々の人々の周りに、そして心の中に作り上げていくものだ。

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    2023年03月11日
  • 決定版 大東亜戦争(上)(新潮新書)

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    最初は「失敗の本質」のような戦略面からの日本の失敗を書いたものかと思いましたが、日本という立場だけでなく、アメリカやイギリス、そして中国から見た太平洋戦争と言うのが興味深かったです。
    先進的なアメリカでも、海軍や陸軍で利益が異なり、一枚岩てなかったと言うのも始めてしりました。ヨーロッパと太平洋の2面同時に動けるのはアメリカぐらいかもしれませんが。ドイツこそが本丸と言うのも、納得出来ます。
    中国もまた終戦間際に、日本からの和平を持ち込まれたりとした話もあったのですね。
    今の政治家と、戦中の政治家は、そんなに変わらないのかなと想います。他人事のようですからね。

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    2021年10月21日
  • 「徴用工」問題とは何か 朝鮮人労務動員の実態と日韓対立

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    日韓の国交正常化への議論の流れを丁寧に追う叙述は大変勉強になった。双方のギリギリの妥協と言わばごまかしの産物だと思うと、両国の当時の交渉担当者に頭の下がる思いである。

    本書はしきりに、日本の植民地支配は韓国の近代化を助けた側面がある、徴用工の労務環境はさして劣悪だったとは言えない、強制的なものも少なかった、植民地化自体は当時合法であり、世界中でそのような補償を行なった例はない。などという記述が目立つ。
    客観的に捉えて、全て事実の要素は含み、著者の言う通り、この問題は白黒で塗り潰せるようなものではないとは思う。
    しかし。仮にただ一人でも強制的に劣悪な環境で働かされた人がいたならば、制度自体を美化することはできない。これは、技能実習生問題でも同じことが言える。
    さらに、「歴史認識とは何か」で指摘されているように、諸外国もやってたからーなどという主張は、「恥ずべき」行為だと僕は思う。
    その点で、これらの主張は少なくとも日本側がすべきものでなく、韓国側の歴史研究の果てにこのような意見が出てくるのであればそれを受け止める、というのが筋であろうと思う。

    特に初めの二章の記述に気になるところが多く、喉に骨がつかえたような形になってしまったが、改めて問題の複雑さを認識できた点で、本書は優れていると思う。特に、韓国側の司法判断の意味をこれほどわかりやすく示されたのは初めてで、それだけで本書を読んで良かったとは思う

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    2020年12月28日
  • 決定版 日中戦争(新潮新書)

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    ・南京事件
    南京陥落前後に生起した日本軍による南京事件は、現在でも活発な議論がなされているが、外務省のウェブサイトの「歴史問題Q&A」では、「非戦闘員の殺害や略奪行為等があった事は否定できないと考えています。しかしながら、被害者の具体的な人数については諸説あり、政府としてどれが正しい数かを認定する事は困難であると考えています」と記されている。以下、事件の概要を示す。
    ①性格
    中国では、その組織性や計画性が強調され、さらに、Iris Changの著書The Rape of Nanking:The Forgotten Holocaust of World War Ⅱ(1997)のタイトルが象徴するように、ホロコーストと並べて論じられることもある。
    一方、「日中歴史共同研究報告書」は、「日本軍による捕虜、敗残兵、便衣兵、および一部の市民に対して集団的、個別的な虐殺事件が発生し、強姦、略奪や放火も頻発した」と記述されており、計画性や大規模な組織性は否定されている。
    ②犠牲者数
    日本軍による虐殺行為の犠牲者数は、極東国際軍事裁判における判決では20万人以上(松井司令官に対する判決文では10万人以上)、1947年の南京戦犯裁判軍事法廷では30万人以上とされ、中国の見解は後者の判決に依拠している。一方、「日本報告書」では、「日本側の研究では20万人を上限として、4万人、2万人など様々な推計がなされている」と記述されている。このように犠牲者数に諸説がある背景には、「虐殺」(不法殺害)の定義、対象とする期間、地域(例えば東京裁判では、期間は12月13日の南京陥落から6週間、地域は南京市とその周辺とされている)、埋葬記録や人口統計などの資料に対する検証の相違が存在している。


    目下、中国は、日中関係の基礎としての第二次世界大戦での中国の勝利と日本の敗戦との関係性をカイロ宣言に基づいて理解している。中国は戦勝をカイロ宣言とポツダム宣言で理解している、といっていい。それに対して、日本はポツダム宣言とサンフランシスコ講和条約に依拠して敗戦を理解している。これこそが尖閣諸島などの領土問題や歴史認識問題をめぐる日中間の論理立ての根源的矛盾のひとつである。尖閣諸島について、日本がサンフランシスコ講和条約交渉過程でアメリカにより日本領だと認定されたと主張し、中国がカイロ宣言で中華民国に返還されるとされた台湾に尖閣諸島が含まれるとしているのは、その代表的な論点であろう。

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    2019年08月10日
  • 決定版 日中戦争(新潮新書)

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    失敗の本質を改めて整理できるかと期待して読んだが
    これまでと同じ事実の整理に留まっている
    特に、太平洋戦争の開始は
    誰もが「合理的にはあり得ない」としたという指摘だが
    それゆえにこそ、開戦に至った謎
    何より開戦の決断のした者は誰なのか?
    77年を経て、自国の責任を明らかに出来ないこの国

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    2019年03月10日
  • 国家と歴史 戦後日本の歴史問題

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    タイトルが内容と一致していない。副題の「戦後日本の歴史問題」が適切だろう。内容は戦後の戦争責任問題を追った労作だが、経緯に重点を置いた記述は少々退屈。

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    2019年02月22日