波多野澄雄のレビュー一覧

  • 国家と歴史 戦後日本の歴史問題

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    確かに国家には歴史観は必要だと思う。定まった考えがなければ施策を上手く説明、理由づけするのは難しくまた世論の納得感も得られない。過去を誤りのない真実はとして証明するのは不可能だ。それを絶対と決めつけるのが危険な事も分かる。
    絶対はないと言う前提のもと、自分なりの考えを持ち人に強要する事なく、あらゆる考えを受け入れる事が大切だと感じる。歴史観は個々の人々の周りに、そして心の中に作り上げていくものだ。

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    2023年03月11日
  • 決定版 大東亜戦争(上)(新潮新書)

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    最初は「失敗の本質」のような戦略面からの日本の失敗を書いたものかと思いましたが、日本という立場だけでなく、アメリカやイギリス、そして中国から見た太平洋戦争と言うのが興味深かったです。
    先進的なアメリカでも、海軍や陸軍で利益が異なり、一枚岩てなかったと言うのも始めてしりました。ヨーロッパと太平洋の2面同時に動けるのはアメリカぐらいかもしれませんが。ドイツこそが本丸と言うのも、納得出来ます。
    中国もまた終戦間際に、日本からの和平を持ち込まれたりとした話もあったのですね。
    今の政治家と、戦中の政治家は、そんなに変わらないのかなと想います。他人事のようですからね。

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    2021年10月21日
  • 「徴用工」問題とは何か 朝鮮人労務動員の実態と日韓対立

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    日韓の国交正常化への議論の流れを丁寧に追う叙述は大変勉強になった。双方のギリギリの妥協と言わばごまかしの産物だと思うと、両国の当時の交渉担当者に頭の下がる思いである。

    本書はしきりに、日本の植民地支配は韓国の近代化を助けた側面がある、徴用工の労務環境はさして劣悪だったとは言えない、強制的なものも少なかった、植民地化自体は当時合法であり、世界中でそのような補償を行なった例はない。などという記述が目立つ。
    客観的に捉えて、全て事実の要素は含み、著者の言う通り、この問題は白黒で塗り潰せるようなものではないとは思う。
    しかし。仮にただ一人でも強制的に劣悪な環境で働かされた人がいたならば、制度自体を美

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    2020年12月28日
  • 決定版 日中戦争(新潮新書)

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    ・南京事件
    南京陥落前後に生起した日本軍による南京事件は、現在でも活発な議論がなされているが、外務省のウェブサイトの「歴史問題Q&A」では、「非戦闘員の殺害や略奪行為等があった事は否定できないと考えています。しかしながら、被害者の具体的な人数については諸説あり、政府としてどれが正しい数かを認定する事は困難であると考えています」と記されている。以下、事件の概要を示す。
    ①性格
    中国では、その組織性や計画性が強調され、さらに、Iris Changの著書The Rape of Nanking:The Forgotten Holocaust of World War Ⅱ(1997)のタイトルが

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    2019年08月10日
  • 決定版 日中戦争(新潮新書)

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    失敗の本質を改めて整理できるかと期待して読んだが
    これまでと同じ事実の整理に留まっている
    特に、太平洋戦争の開始は
    誰もが「合理的にはあり得ない」としたという指摘だが
    それゆえにこそ、開戦に至った謎
    何より開戦の決断のした者は誰なのか?
    77年を経て、自国の責任を明らかに出来ないこの国

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    2019年03月10日
  • 国家と歴史 戦後日本の歴史問題

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    タイトルが内容と一致していない。副題の「戦後日本の歴史問題」が適切だろう。内容は戦後の戦争責任問題を追った労作だが、経緯に重点を置いた記述は少々退屈。

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    2019年02月22日