波多野澄雄のレビュー一覧
-
筑波大学人文社会科学研究科教授(日本政治外交史)の波多野澄雄(1947-)による、戦争犠牲者への国家賠償を中心とした戦後日本国家の歴史観の検証。
【構成】
序章 戦争検証の挫折
第1部 サンフランシスコ講和体制
第1章 東京裁判と戦犯釈放
1 東京裁判 遠ざかる日中戦争
2 講和と戦犯...続きを読むPosted by ブクログ -
要点がよく整理されており分かりやすい。また日本、韓国どちらかに寄りすぎることもなく理性的に解説してくれている。この問題の入門書としては最適。Posted by ブクログ
-
太平洋戦争が終わってもうすぐ70年が経つというのに、いつまでたっても出てくる戦争の話題。何で今も中国人や韓国人が訴訟を起こしてるの?歴史教科書問題ってよく騒いでるけど何でそんなに騒ぐの?という戦後生まれの方々に是非オススメ。
戦後史をずっと研究していた著者様(大学教授)なので、非常に言葉を選んで中立...続きを読むPosted by ブクログ -
週刊東洋経済の「読書特集号」で、推薦されていたので読んでみた。
一言で言えば、戦後の日本と東アジア諸国との見解の違いがどのようにして生まれたのか、政治史の視点で丹念に追った本だと思う。新書にしては、中味は濃いと思う。
内容は3部にわかれており、一部のサンフランシスコ講話体制では、先般の扱い、国家...続きを読むPosted by ブクログ -
【読書その5】久しぶりに今の職場に直結の本。著者は筑波大の波多野澄雄氏。慰安婦問題に対処するアジア女性基金の資料調査、村山内閣のアジア歴史資料センターの設立準備と運営、安倍内閣の日中歴史共同研究、政権交代後の日米「密約」問題に関する有識者委員会の委員、そして今の職場の関係では九段の昭和館の有識者会議...続きを読むPosted by ブクログ
-
「徴用工」について、かなり客観的に交渉経緯や法的根拠などを著述する。
ほぼほぼ世間に出ている論と変わりない。が、その同意に至る交渉を、薄い本ながらコンパクトに説明していただいている。
そうは言っても、歴史的、国民感情的な問題があって、経済力もついてきたんだが、そこも含めて新しい解決を図らないとい...続きを読むPosted by ブクログ -
確かに国家には歴史観は必要だと思う。定まった考えがなければ施策を上手く説明、理由づけするのは難しくまた世論の納得感も得られない。過去を誤りのない真実はとして証明するのは不可能だ。それを絶対と決めつけるのが危険な事も分かる。
絶対はないと言う前提のもと、自分なりの考えを持ち人に強要する事なく、あらゆる...続きを読むPosted by ブクログ -
日韓の国交正常化への議論の流れを丁寧に追う叙述は大変勉強になった。双方のギリギリの妥協と言わばごまかしの産物だと思うと、両国の当時の交渉担当者に頭の下がる思いである。
本書はしきりに、日本の植民地支配は韓国の近代化を助けた側面がある、徴用工の労務環境はさして劣悪だったとは言えない、強制的なものも少...続きを読むPosted by ブクログ -
タイトルが内容と一致していない。副題の「戦後日本の歴史問題」が適切だろう。内容は戦後の戦争責任問題を追った労作だが、経緯に重点を置いた記述は少々退屈。Posted by ブクログ