元木泰雄のレビュー一覧

  • 河内源氏 頼朝を生んだ武士本流

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    源平の戦い以前の源氏のことを知りたかったので購入。平安後期からの源氏の事情がかなりよくわかってためになった。何箇所か他者の言説を必要以上に貶める記述があったのはちょっと気になった。

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    2017年07月19日
  • 河内源氏 頼朝を生んだ武士本流

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    歴史の教科書では源氏は東国、平氏は西国と教わるが、それはある意味、東鑑史観の賜物であり、筆者は頼朝に至る源氏の一族を「河内源氏」と呼んでその常識を覆していく。
    10世紀以降、地方で私田が開墾され、開発領主または荘園管理人という立場の在地武力が形成されると、地方と中央の権門貴族を繋ぐ軍事貴族というモデルが立ち現れる。彼らは京の近郊に拠点を構え、平時においてはその武力を持って権門貴族に近侍し、地方の反乱など有事には鎮圧に赴き、地方にも勢力を張った。

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    2017年06月25日
  • 河内源氏 頼朝を生んだ武士本流

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    そもそも武士とは何かということが気になって手に取った本。源氏に代表される武士は中央の権力と密接に結び付く中で発展してきたことが理解できた。本書は頼朝の挙兵で筆を置いているが、せっかくなら源氏滅亡まであると良かった。

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    2014年10月22日
  • 平清盛と後白河院

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    文章がたまにわかりにくいところがあるが、歴史の捉え方を学べて面白かった。一つの書の解釈は1解釈であるという姿勢に共感。
    後白河、清盛、重盛あたりの複雑な心境、人間関係の現実が見えて面白かった。
    が、いずれにせよ、私がまだまだ不勉強。まだまだここらの人たちの思惑を理解し切れていないと感じる。

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    2013年11月21日
  • 河内源氏 頼朝を生んだ武士本流

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    河内源氏は有名人を輩出しているメインの血筋なんですね。義家の実像は、今東光の「蒼き蝦夷の血」でも、同様に描かれていましたよ。義朝の焦りと束の間の栄光!ドラマチックです。保元・平治の乱から頼朝旗上げまでの武士の置かれた状況が良く整理できました。

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    2013年07月15日
  • 平清盛と後白河院

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    後白河天皇という人は、
    歴代120人以上いる(伝説の域を出ない人を除いても100人以上)天皇の中で、
    非常に個性が強い人の一人じゃないでしょうか。
    ベスト3に入ると思うんですよ。
    (一人は後醍醐天皇、もう一人は白河天皇か光格天皇か…。)
    で、同時代に生きたこれまた個性が光る平清盛。
    二人がある意味では引き立てあってたにかもしれません。

    二人を軸にそこに関わる重要人物、
    平重盛や藤原信頼、藤原成親などを描いていく。
    当時の武士と貴族の関係も含め、
    定説とはやや異なる新しい平安時代末期の姿が、
    この本を読むと浮かび上がってきます。
    決して二人を英雄視するのでもなく、卑下するのでもなく、
    淡々と書

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    2013年06月30日
  • 河内源氏 頼朝を生んだ武士本流

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    河内源氏は本格的武士政権の創始者・源頼朝を生んだことで、
    一貫して源氏の嫡流だったという印象を多くの人が持っているのではないでしょうか。
    しかし、それは結果から見た歴史でしかありません。
    頼信の時代には頼光ほかの兄弟がいましたし、
    義家にも義綱がいました。
    平家と違い、血で血を洗う争いが耐えないイメージがある源氏ですがまさにその通りで、
    嫡流を争う骨肉の争いがあったのです。
    頼朝が叔父や弟たちを攻め滅ぼしたのも、
    そんな嫡流をめぐる争いの一つに過ぎないのでしょう。
    この本は、決して源氏の嫡流が一本の太い線で受け継がれてきたようなものではなく、
    その中に様々なドラマがあったことを教えてくれます。

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    2013年06月29日
  • 河内源氏 頼朝を生んだ武士本流

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    現在の大河ドラマも同時代を背景としており、なんとなく読んでみた。
    ドラマ同様、登場人物が複雑で取っつきにくいのだが、読み進めるうちに徐々になれてきて、面白くなってきた。
    歴史書だけを参照しては浮かびあがってこない人物の生きざまが描かれているところに、引き込まれていくのではなかろうか。
    武家も貴族の一派であるという理解だけで、清和源氏、桓武平氏の意味するところや、豊臣秀吉が将軍ではなく関白に就いた経緯が推量でき、歴史への興味も湧いてきた。
    読み終わった後、不人気といわれる大河ドラマが面白くなったことも付け加えておきたい。

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    2012年08月18日
  • 河内源氏 頼朝を生んだ武士本流

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    頼信vs平忠常、義家vs弟たち、為義vs一族など他の本では触れられていないところに興味があった。
    一族内の抗争がよくわかる。なんだか鎌倉時代の北条と似ているな。
    結局義朝が頼朝に残したものとは後白河とのコネということになるのかな。
    面白かった。

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    2012年08月04日
  • 平清盛の闘い 幻の中世国家

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    平清盛の武家と公家をひとつにした新しい国家建設の可能性。改めて歴史の流れは必然ではなく、偶然の積み重ねで必然性が生まれて流れになるのだと思った。

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    2012年05月01日
  • 河内源氏 頼朝を生んだ武士本流

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    河内源氏は源頼朝を輩出した清和源氏の一門。その歴史を経基王の時代から延々と解説している。

    三点ほど要旨というか参考になるものを抜くと

    ・王朝を警護するのが軍事貴族としての勤め
    ・戦役の成否は在地武士の動員に依存。
    ・貴族から武士へという『必然の前提』にとらわれすぎて前提を見誤っていた

    この在地武士の動員が必要、というものが以前九州の南北朝時代についての本を見たときに何故戦争が長期化したか、について考えた時にでてきた疑問をふと氷解させた。

    (日本史全般だが)平安時代は意外と自分のなかで盲点だったためテストが終れば少し調べてみる。

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    2012年01月15日
  • 河内源氏 頼朝を生んだ武士本流

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    頼朝を生んだ河内源氏の人たちのことが漠然とした知識しかなかったが、よく理解できた。
    頼朝が偉大だったために、その祖先たちも多分に美化されて伝えられたのだと思う。
    頼朝の祖父である為善が意外に問題児だったのも初めて知った。
    頼朝が義朝の嫡男だったのも初めて知った。
    また、歴史を見る目が変わる。
    登場人物が複雑すぎて、分かりにくい点もあったが、為になった。

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    2011年12月20日
  • 河内源氏 頼朝を生んだ武士本流

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    源氏の本と言うと、義朝もしくは頼朝以降で考えてしまいがちですが、この本は頼朝に至るまでの河内源氏について書かれたものです。

    平治の乱における、清盛と義朝の関係は、対等と見られがちだけれども、位階からしても対等であるはずがなく、清盛対義朝ではなく、清盛対信頼であるということはもっと広く知られるべきことのように思いました。慈円の認識で理解していることを思い知りました。

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    2011年12月04日
  • 平清盛の闘い 幻の中世国家

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     清盛を盟主とする平氏政権についての本書のキーワードが「複合権門」、貴族と武士が一体化した勢力。
     ・後白河法皇幽閉という非常手段まで講じて独自の王権(高倉・安徳)を擁立したことは以仁王以下の反発を招いた。
     ・厳島神社の重視は、権門寺院との対立を招いた。
     ・知行国支配における家人の重視は他の武士団に対する圧力となり、反平氏の動きを全国に拡大する結果となった。
     このように、王権も武力も内包した複合権門平氏政権の台頭により、多くの敵対勢力に対峙することを余儀なくされ、治承・寿永の内乱に突入していったと著者はする。

     ifを言っても詮方ないが、清盛が生きていたら源平の戦いはどうなっていただろ

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    2024年08月26日
  • 源頼朝 武家政治の創始者

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    源頼朝の生涯を描いた作品。
    頼朝の視点・立場から頼朝の行動理由が書かれていました。
    義経討伐の理由を頼朝の立場から追っていましたが後の範頼等の他の源氏一門の処置については資料が無いのもあり簡単にしか書かれておらず残念。

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    2021年06月19日
  • 平清盛の闘い 幻の中世国家

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    保元/平治の乱や治承三年政変はある程度知ってたがそれ以後のあまり知らなかった清盛の動きが丁寧に描かれていて興味深い。
    著者が言う貴族と武士の一体化した国家が成立していたらどうなってたのかな。

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    2020年07月30日
  • 源頼朝 武家政治の創始者

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    自力救済の東国において、いかに頼朝政権が危ういバランスの下に成り立っていたかがわかった。頼朝の力の源泉が、官位や荘園の寄進など、中央との関係にあったことは興味深い。

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    2019年04月14日
  • 河内源氏 頼朝を生んだ武士本流

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    ≪目次≫
    はじめに
    第1章  河内源氏の成立
    第2章  東国と奥羽の兵乱
    第3章  八幡太郎の光と影
    第4章  河内源氏の没落
    第5章  父子相克
    第6章  河内源氏の壊滅
    むすびー 頼朝の挙兵

    ≪内容≫
    「河内源氏」は一般に言うところの「清和源氏」のことである。通説とは違う河内源氏の各世代の棟梁を詳説している。特に義家、義朝の話は面白かった。
    著者のいう、武士も貴族の流れであり、当時の支配層に臣従するなかで、特に受領、地頭として生活をしていることと、平安後期から院政期の政治的流れ(戦乱など)に翻弄されていった様子がよくわかった。これを授業に取り入れるのは、ちょっと大変だが…

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    2013年04月14日
  • 平清盛の闘い 幻の中世国家

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    後白河院が中継ぎの立場ゆえに、直系天皇をかつぐ
    ことにより正統をもちたい=清盛の外戚戦略との
    一致が重なり、一時的な協業だった。

    院は皇族の家長としての立場は上だが、天皇が
    やはり正統性をもつ唯一の存在である

    晩年の清盛の権門への強引な戦略、在庁官人
    への平氏登用による地場の武士の権益に
    触れたことによる反乱の飛び火

    など大変おもしろかった。。

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    2012年10月30日
  • 河内源氏 頼朝を生んだ武士本流

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    平安後期の河内源氏の実態を描く。「武家の棟梁論」を中心とする発展段階的な河内源氏理解を一蹴し、軍事貴族として王権・摂関家とも深い関係を持ちつつ、自力救済という側面もあわせ持ち、盛衰を繰り返すという等身大の河内源氏像を提示している。保元・平治の乱当時、源氏と平氏はまったく対等な立場ではなかったという指摘は新鮮だった。対立説への痛烈な批判が随所に織り込まれているのも、ある意味興味深かった。河内源氏を通して、平安後期政治史の良い復習になる一冊だった。

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    2011年12月24日