オルテガ・イ・ガセットのレビュー一覧
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有名な“大衆批判”の書。
大衆を批判できる者は、当然「自分は大衆の一人ではない」と自覚していなければならないはずだ。 どんな上から目線やねん……と“大衆根性”丸出しで読み始めたら、早々にねじまがった根性を叩き直されるような一文に遭遇。
(以下、引用)
『一般に「選ばれた少数者」について語る場合、悪意からこの言葉の意味を歪曲してしまうのが普通である。つまり人々は、選ばれた者とは、われこそは他に優る者なりと信じ込んでいる僭越な人間ではなく、たとえ自力で達成しえなくても、他の人々以上に自分自身に対して、多くしかも高度な要求を課す人のことである、ということを知りながら知らぬふりをして議論してい -
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ネタバレ概要
人々は自由主義や産業革命の進展により、歴史的に類を見ない高い生活水準を達成した。しかし、その副作用として、大衆による支配の時代が始まった。大衆は、自らの凡俗さを認めながらも、その凡俗さに安住し、変化への努力を怠る人々である。オルテガは彼らのことを、「満足したきったお坊ちゃん」と称した。また、彼らは、文明の繁栄を享受しながらも、感謝や貢献といった義務を果たすことを考えず、自らの権利だけを主張する。大衆の増殖により、政治が愚鈍で自分勝手な人々によって支配され、イノベーションは衰退する。
このように空虚で中身のない大衆が増えたのは、産業革命や自由・平等主義を背景とした歴史的な生活水準の向上であ -
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原著1930年。
このあちこちでやたらと言及される本について、かつて読んだと思っていたが、所有はしていなかったのでこの岩波文庫の「新訳」を購入してみた。が、読んでみると、どうやら読んだことが無かったようだ。何故か読んだと思い込んでいただけらしい。
解説によると著者のオルテガは観念論的な哲学者のようで、社会学者でも歴史学者でもない。本書は本格的哲学のおもかげはなく、多分にエッセイ的な文明批評である。もともとスペインの新聞に連載された文章なので、こういう書き方になったのだろう。
ヨーロッパに台頭し街に溢れかえるようになった「大衆」について、自分だけは正しく、確実であると信じ込んでいて、遠い -
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スペイン人の著者が、1930年代に、1920年代から30年代のヨーロッパ社会について論じた書。
訳者の要約がわかりやすい。
「…十九世紀は大衆人に恐るべき欲求とそれを満足させるためのあらゆる手段を与えたが、その結果現代の大衆人は過保護の『お坊ちゃん』と化し、自分を取り巻く高度で豊かな生の環境=文明を、あたかもそれが空気のような自然物であるかのように錯覚し、文明を生み出しそれを維持している稀有の才能に対する感謝の念を忘れるとともに、自分があたかも自足自律的人間であるかのように錯覚し、自分より優れた者の声に耳を貸さない不従順で自己閉塞的な人間と化してしまったのである。いうなれば、現代の大衆人は文明