オルテガ・イ・ガセットのレビュー一覧

  • 大衆の反逆
    熱狂を疑え。炎上をして、すぐに忘れるということが起こりがち。
    カーニバル的熱狂は超民主主義となり、保守ではない。
  • 大衆の反逆
    1930年刊行で90年が経過。
    オルテガが指摘したように、大衆が大衆であることを認識しているだけならまだしも、大衆が凡俗ではなく一門の人間であると声高に主張するような時代になりつつあり、もはや軌道修正などはかれそうもないという絶望を感じつつ、コロナ禍でシステムの中にいることが当たり前ではないというこ...続きを読む
  • 大衆の反逆
    この岩波文庫版は、プロローグ及びエピローグが併せ訳されており、著者オルテガが、いかなる時代状況の下で本書を著したかを窺わせるものであり、著者の思想を考える上でも大変参考になる。
    また、ご遺族が書かれた「訳者あとがきにかえて」は、訳者の人生を垣間見せてもらったが、母国語以外の著作に翻訳を通して触れる一...続きを読む
  • 大衆の反逆
    あらゆる語彙を尽くして大衆の悪口を書いているのでおもしろい、音楽の違法アプリを使用する人びとなんかを見ると、ここに描かれる大衆の姿というのは今も変わってないなと感じる。
  • 大衆の反逆
    エリートの政治から大衆の政治への転換による弊害について述べられたもので、1930年に書かれている。あくまでヨーロッパに焦点が当てられていることと過激な表現が多いことが気になるが、本質を鋭く突いており、とても二次大戦前に書かれたとは思えない。現代社会も状況は大きく変わっておらず、本書の意見を踏まえ物事...続きを読む
  • 大衆の反逆
    全部が全部ではないのだが、ところどころグッとくる記述がある。「一般人が専門家を尊敬しなくなり、専門的な知識でさえ、一般人の直感とそぐわなければバカにする」といったくだりは、今まさに、2ちゃんねるとかみてると、連日のように書き込まれている内容そのものだと思う。ほかにも、大衆というより、オタクの説明かと...続きを読む
  • 大衆の反逆
    きわめて強力でありながら同時に自分自身の運命に確信が持てない、自分の力に誇りを持ちながら、その力を恐れている時代。優越感と不安感の入り混じり。
    大衆⇔貴族:努力の人、優れた人というに等しい。つねに自己を超克し、おのれの義務と要求を強く自覚して、既成の自己を超えてゆく態度を持つ者。
    大衆が国家という匿...続きを読む
  • 大衆の反逆
    本気なのか?反語なのか?といった攻めている感じの文章がある。その先を続けてよく読めば本当に言いたいことが何かわかるが。センセーショナルな章タイトルや導入部の書き方は、新聞のキャッチ―な見出しやリード(前文)に通じるものがある。
    「大衆とは、良い意味でも悪い意味でも、自分自身に特殊な価値を認めようとは...続きを読む
  • 大衆の反逆
    オルテガ 「大衆の反逆」。大衆社会への批判と国家観を論述した歴史哲学な本。ヒトラーの大衆操作と民族的国家観と 比較しながら読んだ。

    著者が伝えたかったのは、大衆を批判することで、人間のあるべき生き方。

    「歴史は 農業と同じく、谷間から養分を吸収するのであって山頂から ではない。社会の平均水準から...続きを読む
  • 大衆の反逆
    スペインの哲学者オルテガによる1930年に発表された著作。
    二つの世界大戦の間で、ファシズムが台頭しつつあったヨーロッパという環境下で書かれ、欧州各国でベストセラーになったと言う。
    本書で著者は、
    ◆社会は、特別の資質を備えた個人である「少数者」と、特別な資質を持っていない「大衆」に二分され、「大衆...続きを読む
  • 大衆の反逆
    原著が書かれたのが1930年。訳書の初出が1953年、神吉訳が67年。そして神吉訳がちくま学芸文庫で再版されたのが95年、いま手元にあるのはその二十二版で2014年発行。

    2015年になってから読んだ本書は、あと十数年で原著の出版から一世紀が経とうとしているが、未だに色褪せないばかりか、今日の社会...続きを読む
  • 大衆の反逆
    1930年の本だそうな。
    当時のヨーロッパにおける国家、そして大衆の在り方について書かれた本だが、現代にも当てはまる事が多くて驚く。予言、と言ってもいい。

    現代「大衆」とは何なのか。国家の中でどうあるべきなのか。
    しかし難しかった‥
  • 大衆の反逆
    有名な“大衆批判”の書。
    大衆を批判できる者は、当然「自分は大衆の一人ではない」と自覚していなければならないはずだ。 どんな上から目線やねん……と“大衆根性”丸出しで読み始めたら、早々にねじまがった根性を叩き直されるような一文に遭遇。

    (以下、引用)
    『一般に「選ばれた少数者」について語る場...続きを読む
  • 大衆の反逆
    オルテガ曰く大衆とは『凡俗な人間が、自分が凡俗であることを知りながら、敢然と凡俗であることの権利を主張し、それをあらゆるところで押し通そうとする』人間である。
     そして大衆は、国家というものが、人間の創造物であるという自覚を持っておらず、また、彼らは国家の中に一つの匿名の権力を見るのであり、国家を...続きを読む
  • 大衆の反逆
    大衆社会論の名著。デモクラシーとテクノロジーの興隆によって誕生した大衆社会は、歴史を顧みず、自己満足した空虚な人々が前面に出てくる社会だ。

    大衆とは階級のことではなく、いわば精神の持ちよう。専門家であっても、総合知へ向かわず、対話しないタコツボ知識人であれば、大衆と同じだ。大衆とはいわば甘やかされ...続きを読む
  • 大衆の反逆
    1930年にスペインで出版された、当時の政治・社会に占める「大衆」に対する批判本。正直読みにくいし、あまり頭に入って来ない箇所も多いが、本書が単なる大衆批判の裏返しとしてエリートを賛美している訳ではないことが、分かった。むしろ、著者は専門家に無責任という大衆的な要素が蔓延っていることに批判的である。...続きを読む
  • 大衆の反逆
    大衆 という言葉は、大衆デモクラシーという言葉もあるように前向きなイメージで捉えていた。しかし、大衆=平均化であり、これからは大衆離れも起こると強く感じた

    #flier
  • 大衆の反逆
     原著1930年。
     このあちこちでやたらと言及される本について、かつて読んだと思っていたが、所有はしていなかったのでこの岩波文庫の「新訳」を購入してみた。が、読んでみると、どうやら読んだことが無かったようだ。何故か読んだと思い込んでいただけらしい。
     解説によると著者のオルテガは観念論的な哲学者の...続きを読む
  • 大衆の反逆
    慢心し切ったお坊ちゃん、これは今の日本にも当てはまると思う。皆(もしかしたら私も)権利ばかりを主張してばかり。

  • 大衆の反逆
    スペイン人の著者が、1930年代に、1920年代から30年代のヨーロッパ社会について論じた書。
    訳者の要約がわかりやすい。
    「…十九世紀は大衆人に恐るべき欲求とそれを満足させるためのあらゆる手段を与えたが、その結果現代の大衆人は過保護の『お坊ちゃん』と化し、自分を取り巻く高度で豊かな生の環境=文明を...続きを読む