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スペインの哲学者オルテガ・イ・ガセット(一八八三─一九五五)による痛烈な時代批判の書。自らの使命を顧みず、みんなと同じであることに満足しきった「大衆」は、人間の生や世界をいかに変質させたのか。一九三〇年刊行の本文に加え、「フランス人のためのプロローグ」および「イギリス人のためのエピローグ」も収録。(解説=宇野重規)
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Posted by ブクログ 2023年10月22日
ちくま学芸文庫版は大学の時、さらに社会人になっても読んでいたが、今回は岩波文庫版を読んでみた。
100年前の話なのだが、個人の自由が脅かされているのではとの雰囲気がある、自らの頭で考えない人が増えている、固有の文化が転換点にある、など現代に通底するテーマと視座を提供してくれる。オルテガの歯切れ良い...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月07日
労働者たちは、労働運動など集団になると一体感をもち、無意識に同一の方向に動く。個々の労働者の性質とは異なる集団の精神が生まれる。▼群衆は衝動で動き、他人の言葉を軽率に信じこむ。熱しやすく冷めやすい。大衆主導の民主主義への不信。ル・ボンLe Bon『群衆心理』1895
大衆(的な性質)。個性を持たな...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年07月31日
私が在籍する研究室に残された先輩の研究ノートに本書の一節が書かれていたため、手に取ってみた。
彼の言っていることをただ当時の人間に投げかけている言葉だと捉えずに、現代に生きる自分や世間の人間に照らし合わせてみれば、おそらく思い当たる節がいくつも見つかるのではないだろうか。ただ、突然やけに専門的かつ...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年05月19日
この岩波文庫版は、プロローグ及びエピローグが併せ訳されており、著者オルテガが、いかなる時代状況の下で本書を著したかを窺わせるものであり、著者の思想を考える上でも大変参考になる。
また、ご遺族が書かれた「訳者あとがきにかえて」は、訳者の人生を垣間見せてもらったが、母国語以外の著作に翻訳を通して触れる一...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年11月18日
大衆社会論の名著。デモクラシーとテクノロジーの興隆によって誕生した大衆社会は、歴史を顧みず、自己満足した空虚な人々が前面に出てくる社会だ。
大衆とは階級のことではなく、いわば精神の持ちよう。専門家であっても、総合知へ向かわず、対話しないタコツボ知識人であれば、大衆と同じだ。大衆とはいわば甘やかされ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年12月08日
1930年にスペインで出版された、当時の政治・社会に占める「大衆」に対する批判本。正直読みにくいし、あまり頭に入って来ない箇所も多いが、本書が単なる大衆批判の裏返しとしてエリートを賛美している訳ではないことが、分かった。むしろ、著者は専門家に無責任という大衆的な要素が蔓延っていることに批判的である。...続きを読む