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Posted by ブクログ
何もかもを失った者が、再び栄光を取り戻すべく奮闘するお話。私も一時期ホームレスをしていましたので、冒頭は共感出来る部分もかなりありました。
作品としては、人間の精神の脆弱さを主軸として描かれている気がします。 鬱屈とした日々を過ごし、現状を打破してくれる救世主を求める人。心の弱みを看過され、相手は超常的能力を持っていると誤解し傾倒する人。自らを評価して欲しいと願い、自己顕示欲求に呑まれる人。実体を伴わない形だけの宗教に入信する方々だけでなく、運営をする人間にも心に脆弱性はあり、誰しもが渇望を抱えて生きているのだという主張があるように私は感じ、またその描写に心打たれました。
張りぼての宗教が無から成長するまでの過程自体も楽しめますし、美形のホームレス(仲村)の謎も気になる。運営三人組の行きつく先も想像が付かず、先が早く読みたいという焦燥感を得た作品は久しぶりでした。砕けた文体であるので誰にとっても読み易いと思いますし、間違いなく面白い作品ですので、気になった方には是非読んでいただきたい作品です。
Posted by ブクログ
大手証券会社に勤務していた山崎は妻の美奈子が自分の判を押した離婚届をおいて家を出ていったことがきっかけで酒浸りになり会社を解雇された。四十歳だった。
自分のキャリアなら再就職はそう難しくはないはずだと高を括っていたが
そんなプライドは散々に打ち砕かれた。
消費者金融の取立てから逃げ回ることに疲れ マンションを出た山崎は寝泊りしていたネットカフェで親しくなった若者に全財産の現金四十万と携帯電話を持ち逃げされる。
そして彼は路上生活者になった─。
上巻の前半 結構なページを割いて山崎の一カ月にわたる路上生活が書かれている。
路上生活の惨めさや安易さが山崎を通してこちらにも伝わってくる。最初はあった わずかなプライドや躊躇いも空腹や寒さには勝てず あっという間に人の目を気にするのをやめる。
短期間に段階を踏んで堕ちていく様子がとてもリアルだ。
後半 まとまった金を手に入れた山崎は占師の龍斎と美形のホームレス 仲村の三人でビジネスとして“新興宗教”を始める。如才ない山崎の働きや仲村の人目を惹く容姿によって少しずつ会員が増えていき 活動の幅も広がり教祖である仲村の世間への露出も増えつつあるところで下巻に続く。
個人的にいちばん気になっているのは仲村の生立ち。謎が多すぎる。
脆そうな繋がりの三人だが どんな終わりが待っているのか 下巻がとても楽しみ。
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