朔が満ちる

朔が満ちる

1,799円 (税込)

8pt

かつて中学1年の時に僕は、斧で父に殴りかかって殺そうとしたことがある──心に傷を負い家族と離れ、悪夢のような記憶とともに生きていく史也。荒んだ生活の中で、看護師の梓との出会いから、徐々に自身の過去に向き合おうとする──これは「決別」と「再生」の物語。

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朔が満ちる のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2023年01月10日


    読書備忘録708号。
    ★★★★★。

    主人公、横沢史也は建築専門カメラマンのアシスタント。中1の時の夢を見る。斧で父親の頭をかち割り殺す夢・・・。
    史也は両親と妹の千尋の4人家族だった。青森の山間部にある集落に住み、父親から常態化した虐待、DVを受け続け、父親に斧を振り下ろした・・・。
    実際には、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年04月06日

    久しぶりにいい本に出会えた!
    家族のあり方に考えさせられ、後半は何度も泣いた。
    もうすぐ結婚する娘に送りたい一冊。

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    Posted by ブクログ 2024年04月20日

    昔は普通に家庭や学校で暴力振るわれていたよな。すんなりとそのシコリが取れるとは思わないけど、ずっと記憶しているんだね。お互いに。

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    Posted by ブクログ 2024年02月04日

    表紙の印象から、何度となく手に取っていた本

    親ガチャという言葉を聞くことがあるが、子どもに親は選べない
    そんな苦しさを感じる内容だったように思う

    憎悪がなくなることはない
    あっけなく終わりがくる
    主人公の内側を、丁寧に読みとることができた
    建築物という、無機質なものとの繋ぎもおもしろかった
    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月03日

    どんなに遠く離れても忘れようとしても、親との関係は離れられない。でもそれに囚われていてはいつまでも止まったまま。自分は親とは違うと思って、今大切な人を想って生きて欲しい。

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    Posted by ブクログ 2023年03月29日

    自分は家族がすごく好きで、愛されて育ったということに疑いはないけれど、両親の育て方すべてが正しかったとは思っていない。
    愛はあったけれどかなり厳しかったし、SNSが発達した今の時代ならおそらく「虐待」と言われ拡散されると思う。

    だから、史也の気持ちが、本当にほんの少しだけかもしれないけど、分かると...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年03月10日

    ずっと子どもの頃の辛い経験を抱えて生きてきた。辛い経験を抱えたもの同士でもなかなか分かり合えないと思うのに、梓の関わり方はすごい。
    これからに希望が持てる終わり方が良かった。

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    Posted by ブクログ 2023年02月17日

    深紅の背景、血痕が染みついた斧。
    装丁を目にした瞬間から不吉な予感が脳裏を過り怯んでしまう。

    父親の暴力に苦しむ家族がいる。
    そして少年は自分の中に黒い炎を噴き出す龍を飼い慣らす。

    実父を憎悪し殺意をも抱かざるを得ない僅か13歳の少年の境遇があまりにも不憫だ。
    行動を起こさない母に対しても怒りが...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年02月05日

    他人の行動のベクトルは見積もるものじゃないと強く思った。家族制度や建築物としての「家」の多大な存在感の強さが加害性を持つことを改めて実感する。
    昔に親から受けた暴力により、自分の子にも暴力をする人と、それだけは絶対にしないと違う主人公、綺麗事だけではなく自らが孕んでいるかもしれない暴力性を自覚しなが...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年09月25日

    父の暴力に耐えかねて廃人にしてしまった男と自分を捨てた母親を憎み続ける女が出会い、お互いの傷を長い時間をかけて慈しみ合う。傑作。

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