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Posted by ブクログ
表題作とK2を舞台にした小説が、二つ収録されています
発売当初にも読んで、今回、再読した
当時は、著者の「サバイバル家族」のような実録エッセイを期待していたのですが、よく下調べをせずに買ってみたら、小説で肩透かしを食らった気持ちで、読みました
だからか、表題作へ気持ちが入り込めず、そういう風にはならないんじゃないのかなぁと、少し距離を置いた感覚で読んでいたことを覚えています
それが、久しぶりに読んでみたら、実に面白かったです ちょうど他に、ホラーの面白い小説を読めた直後だったので、初めて読んだ時とは違い、小説に入り込んで読めました 登場人物の経歴も、小説の中では、その人物が歩んだ歴史として、その人物にとって捉えている「自認」の話だと思って読む事できました
表題作の中で、主人公たちや相手方の関係性が、重なる部分にある、人間社会に通底する価値観が、揺れ、時に削れる瞬間が堪りませんでした、所詮は、ルールやマナーや法律なんて虚構の力関係で、生き残れれば正義として、「自認」する歴史を残せるのだと思いました。
K2の話は、山の中で、過ごす乏しさと詫びしさや、無力さが漂っていて、これで、もう登山をしない人生を選べるなぁと自信と決意を再確認できました、山、危ないですから、登りたくないんですけれども、憧れはありますから、だから、登山家の価値観を吸収して、麓まで行く動機と選択肢を消す効果がありました 山、危ないですから。
読み応え抜群のオススメの小説です!
著者に興味を持たれた方は、続けて「サバイバル家族」をオススメします
Posted by ブクログ
著者初のフィクションは意外にもポップで嬉しい誤算!
服部文祥さんを有名にしたといえる、サバイバル登山関連のノンフィクションは以前に読んでいましたが、この『息子と狩猟に』は服部さん初の小説とのこと。死生観が伝わるようなノンフィクションさながらの作風なのかなと思ったのですが、意外や意外しっかりエンタメしていて(エンタメを軽視している訳ではないです)素直に面白いと思える読後感でした。もちろんそういった死生観や、命を奪う行為について考えさせられるものではありましたが、けして重厚な手触りではありません。
特殊詐欺グループのリーダーと、週末狩猟をする男とその小学生の息子。全く別々の人生が、ある一点に向けてじわじわと近づいていき、二つの視点の入れ替わりがだんだん早くなり、ついに交差した瞬間に物語はクライマックスを迎えます。読み始めから、並走する二筋のストーリーがいつどこで交差するかワクワクさせてくれました。
むしろ併載の短編「K2」のほうが、読む前に私がイメージした作風に近いけれど、それでも予想以上にしっかり盛り上がりのある展開や構造で、小説として楽しめるものでした。
登山家というイメージもあり、俗っぽさを遠ざけ、やや難しく重たい作風なのかなと思ったけど、まさかここまでポップだったなんて嬉しい誤算でした。
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