息子と狩猟に(新潮文庫)

息子と狩猟に(新潮文庫)

572円 (税込)

2pt

小学生の息子を連れて鹿を追う週末ハンターの倉内と、トラブルで死体を抱えた詐欺集団のリーダー加藤。獲物を狙う狩猟者と死体遺棄を図る犯罪者が山中で出くわしてしまった――。息もつかせぬ展開と圧倒的リアリティに痺れる表題作。世界最難関の雪山で飢えと寒さに蝕まれていく極限の状況下、人の倫理観の矛盾を鋭く問う短編「K2」。サバイバル登山家が実体験を基に描く唯一無二の犯罪小説。(解説・杉江松恋)

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息子と狩猟に(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年02月13日

    人間と動物、同じ1つの命なのに価値や重さに違いがあるんだろうか。人間は殺してはいけないけど動物は許可があれば殺しても良い。その違いって、何だろう。倫理的に当たり前のことかもしれないけど、正面から向き合って考えたら明確にその理由や根拠を言語化するのって簡単ではない。人間社会で生活していたら疑問にも思わ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年11月01日

    2020年のベスト1
    生きること、つまり殺すことの正当性と猟奇性。
    スパッと切れ味が凄い。面白かった。

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    Posted by ブクログ 2020年06月27日

    オープニングのおれおれ詐欺のシーンが何となく好みに合わなくて、ちょっと寝かそうかと思ったけど山に入ってからの展開は凄かった!
    心臓バクバクし過ぎて、本文入ってこなくなって、何度も読み直しながら読んだ。こんなに心拍数あがるのはマイケル・コルレオーネがソロッツォとルイズで会うシーンを観る時くらいだよ!!...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年05月27日

    父親の葛藤と後半の場の空気の緊迫感が良かった。また、死生観について考えさせられる興味深い内容だった。

    また、同じく収録されていた「K 2」は、生き延びるためにあらゆる手段を尽くす2人のとった行動に驚いた。

    どちらの作品も後半の展開が面白かった。

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    Posted by ブクログ 2024年01月15日

    著者初のフィクションは意外にもポップで嬉しい誤算!

    服部文祥さんを有名にしたといえる、サバイバル登山関連のノンフィクションは以前に読んでいましたが、この『息子と狩猟に』は服部さん初の小説とのこと。死生観が伝わるようなノンフィクションさながらの作風なのかなと思ったのですが、意外や意外しっかりエンタメ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年06月06日

    詐欺と狩猟のシンクロニシティをテーマにしたタイトル作と、エベレストに次ぐ標高を誇るK2登頂にまつわる恐ろしい秘密を題材にした小説を収納する著作。いずれも著者ならではのリアリティ溢れる文体で極限時における人間の心理状況を見事に炙り出した佳作。

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    Posted by ブクログ 2023年01月18日

    著者はサバイバル登山家とのこと。臨場感が半端ない。中編が2つ、どちらも生きることに直結した話だった。

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    Posted by ブクログ 2021年11月14日

    生きると言うことは他の命を奪って自分の命をつなぐことなのだということを考えさせられる本。人間が生きるために獣を殺して肉を食べる、という日常的なことから、相手を殺さなければ自分が殺されるというシチュエーションや、人肉でも食べないと餓死してしまうというシチュエーションまで、「これをしないと死んでしまう」...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年10月23日

    息子を連れて狩猟に出かけた倉内と詐欺グループリーダー加藤の話が並行に進む。
    トラブルを抱え山に入った加藤と、倉内親子は遭遇してしまう。
    狩猟、詐欺のシーンは、リアリティがありグイグイ引き込まれた。
    終盤、親子の会話にゾクッとくる怖さも感じられる。

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2021年07月14日

    この小説には2編の短編が描かれている。一つは「狩猟」、もうひとつは「登山」がテーマである。
    どちらも服部さんのこれまで培ってきた経験が活かされたテーマではあるが、もちろん「サバイバル登山家」なんて名乗る人の書く小説が、そんな単純な作品なはずがない。

    私たちが暮らす人間界と、動物たちが暮らす山々など...続きを読む

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