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歴史を問うことは、現在を問うことである。大好評のシリーズ最終巻では、マクロな視点で世界の歴史を通観し、現代人が直面する問題へのヒントを探る。急増する人口と資源、人類の移動・定住と海、宗教がもたらす対立と共生、世界史のなかの日本、そして、人類誕生の地・アフリカの現状。新たな世界史像を日本から発信することをめざして、文明の来し方とこれからを「人類史」の視座から多角的に論じる。全21巻完結。
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Posted by ブクログ
世界史についての本。 興亡の世界史というシリーズの中の最終巻。2007年に出されていたが、文庫化されるにあたって新しく手直しされたもの。 従来の世界史というのは西洋史を中心としたものであったが、本書ではそれに対してもっと多文化的で中立的な世界史を提唱している。 人口問題については、人口バランスとその...続きを読む国の繁栄について書かれており勉強になった。日本は戦後の復興期、高度成長期に人口ボーナス期を迎え、一気に経済繁栄した。これからは急速な高齢化と少子化で人口減少時代を迎える。経済的な縮小はやむを得ないだろうと思う。しかし、世界的には人口増加による環境問題に直面しており、日本の人口減少は今後に必要な世界的人口減少に先駆けたものと考えれば、やむを得ないのかもしれない。 海の歴史についてはインドを中心に西と東がインド洋で交流していたダイナミックな歴史が興味深かった。その後にヨーロッパの産業革命がおこり蒸気機関による船舶が開発され、西洋による世界の植民地化の歴史については、力による支配に辛い気持ちになる部分があった。 アフリカの悲惨な歴史については、最も衝撃的であった。アフリカには部族がいてそれが抗争して未開である、という今日のアフリカ像が西洋的な視点から作られたものであると書かれていた。アフリカの部族という存在は古くからの伝統かと思っていたが、西洋の植民地化で地域ごとに部族を縛り付けて孤立させ固定化した結果であると知った。 さらに、奴隷貿易がアフリカの発展に壊滅的な打撃を与えた。奴隷制度が西洋の発展と自由で民主的な生活スタイルを作ったが、その悪影響をもろにかぶった地域なのだと再認識した。 全体にアンチ西洋の雰囲気を感じたが、日本独自の世界史への関わりを提唱していて面白かった。地域ごとにダイナミックな歴史と異文化交流があったことを知ることができ、他のシリーズも読んでみたいと思った。
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興亡の世界史 人類はどこへ行くのか
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杉山正明
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