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全世界がぼくの敵だった。ミラは自ら命を絶ち、ファンは永遠に去っていった。イヴとレダとの出会いに端を発した事件は、理想社会たらんとするシティそのものを巻き込み、ついには人類の存亡を左右する重大事となってゆくのだが、自己に目覚めたイヴは、レダへの愛を確かなものにしてゆく。多くのものを失いながらも歩き始める少年の成長を鮮やかに描き、人類のあり方に問題を投げかける未来SF大作完結篇。
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Posted by ブクログ
いよいよ物語りは終盤へ・・・・ 理想の社会とはすなわち滅び行く社会なのか? 加速する管理社会。 用意された選択とは本当の意味での選択なのか? 管理社会が理想社会の姿なのだろうか レダ最終話完結。
ホントはこの本じゃなくてハヤカワ文庫から出ている、いのまたむつみが表紙を描いている3巻を持っているのですが、古い本なので登録出来ないようです。 全3巻の「レダ」ですが、この3巻が一番好きです。子どもだったイヴが大人に、しかも「男」になる話です。 竹宮恵子の「地球へ‥‥」にも似た話ですが、こちらのほう...続きを読むが現実味があります。
雑誌連載時に読んだ私の記憶はレダという登場人物の強い印象ばかりだったのだが、再読してみると、登場人物たちがレダという存在の重要性を喧伝するのが不思議なほど、存在感のない、人格を感じさせないキャラであることに、少なからず驚いた。それなのに印象に刻み込まれていたのはその登場の仕方の鮮烈さに尽きるのだろ...続きを読むう。 いわば植物的に管理されているシティの人々は本当の個性を持っていない、本当の生を生きていない、本当の存在なのはレダだけだ、というのが本書で主張されることなのだが、シティの住人の主要な登場人物たちだって、案外、個性的で、確固とした人格を感じさせるのだ。むしろレダが記号的・象徴的な位置に留まる。こうして脇役を生き生きと描いてしまうあたりが語り部・栗本薫の技量なのだろうけれど、その点では失敗といえるのではないか。本来ならば、シティとその住人たちがいかに虚像的で異様な存在なのかを特徴付けねばならなかったはずだからである。逆に、シティ住民と対照的なスペースマンたち(地球外で暮らしている人類)が十分に対照的に描かれているかというと、それもいささか疑問である。 安定した社会はついには何も新たなものを生まず。ゆっくりと衰退していくというのはSFでお馴染みのテーマ、哲学であり、本書でも当然そういう流れとなる。だが、本書が鮮やかな印象を残すのは、レダではなく「ぼく」の成長なのである。ビルドゥングスロマン=教養小説だと作者も述べるとおり。 確かに植物的な主体に留まるシティの住人たちの中で、「ぼく」だけが動物的主体性を獲得していくともいえ、「ぼく」の主体形成の小説なのだが、他に主体がない中での主体形成は不気味な独我小説になりかかっている。たとえれば草食系男子の「ぼく」があれよあれよと筋肉ムキムキのマッチョになってしまったかのような異様さ。
全巻通しての感想。 「すべての人間が尊重され、社会秩序を乱そうとする者ですら“紊乱者”として容認される理想社会」の中にあって、つねに孤独を抱えている少年イヴ。シティにはない風を感じたいと欲する冒頭から、本当に自由な魂を持ったレダとの出会い、1章最後のミラの死までがとても好き。 でも、そのあと結局ど...続きを読むうなったんだっけ?と何度読んでも忘れてしまう… 今回も読んだそばから忘れそう。 イヴが「ぼくは男(マン)だ」と突然男になってしまって(男って、そういうかんじ…?)、だんだんとレダにもいまいち魅力を感じられなくなってきて… 歳をとったせいか、LAやアウラに共感してしまうし、アウラの最後がとてもかなしい。 あと、昔の表紙がとても好きだったな…
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