Posted by ブクログ
2014年01月29日
まず本書で稲盛氏は今後の日本は2025年あたりを目途にどん底への道を突き進むと断言しています。2025年が実際は2020年になるか、2030年になるかは定かではありませんが、それが歴史の流れで見た際の宿命のようなものです。
ただ、本書では単純にどん底になると不安を煽るのではなく、どん底を迎えるのが...続きを読む分かっているのであれば新しい価値観を日本人は作りたすべきだと提唱している点はやはり評価したいです。
考え方のひとつとして書かれているのは、日本経済はこれまでのように「量」を求めるのではなく「質」を求めるとの考えに転換しなくてはならないとのことです。これまでのようにGDPの額の多さを誇ったり、気にしたりするのではなく、高い道徳性と倫理観に基づいた「質」の高い、高付加価値商品の提供を目指すべきとの考えです。
そのためには自分の仕事が利益の為だけでなく、社会をよくするために仕事をしている点を認識し、量の拡大を図るあまり「質」を低下させるようなことがあれば、敢えて「量」を追求しない、京都の老舗のような商法も重要ではないかと述べています。
いずれにせよ米国を中心としてた利己主義を追求した「資本主義」の時代は終わりを迎えるというのが稲盛氏の意見ですので、そうであるなら社会の役に経つ資本主義は何かと考えることが重要になるように思いました。