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かつて日本の社会のいたるところに、上質な人間がいました。
たとえ経済的に豊かではなくても高邁に振る舞い、上に媚びず下には謙虚に接し、自己主張することもなく、他に善かれかしと思いやる---そんな美徳をもった日本人がたくさんいました。
また、そのような人々によって構成された集団も、自ら高い品格を備えていました。
たとえば、ものづくりの現場には、自分がつくった製品でお客さまに喜んでいただけることを誇りに思い、品質管理を強制されずとも、自分が手がけた製品の品質や出来映えに、万全の注意と細心の心配りを払い、手の切れるような上質の製品をつくる人々が存在しました。
それは、商品を売る店頭でも同様でした。駆け出しの店員であろうと、一生懸命にお客様の身になって尽くしました。その上質のサービスも決して上司にいわれたからではなく、またマニュアルに書いてあるからでもなく、もちろん売らんがためでもなく、思いやりに満ちた優しい心から自然に発露してくるものでした。
日本の企業が、そのような上質の人間に支えられていたからこそ、今日の日本経済の発展があるのだと思います。
ところが近年、世の中を見渡せば、以前にはとても考えられなかったような、ひどい出来事が続いています。(中略)
今こそ、日本人一人ひとりが、精神的豊かさ、つまり美しく上質な心をいかにして取り戻すかを考えなければなりません。年齢を問わず、すべての日本人が改めてその品格、品性を高めることが出来れば、日本は世界に誇る上質な国民が住む国として、再び胸を張れるようになるはずです。私は、それこそが、真の日本再生であると考えています。(プロローグより)
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Posted by ブクログ
本書は、西郷隆盛の著書である「南洲遺稿」を、著者稲盛さんの実体験を交えて解説したものである。この本のしょっぱなに、南洲遺稿が旧薩摩藩士でなく、西郷が制服した庄内藩士によって世に出されたエピソードが紹介されている。このエピソードが、西郷の人柄を表す感動的なものなので紹介する。庄内藩は、西郷率いる明治政府軍に降伏した。通常ならば、降伏軍は、征服軍の命令により武装解除後、開城するのであるが、西郷はまったく逆のことをした。つまり、自軍に武装解除命令を出し、丸腰のまま入城したのである。降伏、開城した軍の心情を慮ったこの行動により、彼は庄内藩士に尊敬されることになる。敵から愛された彼の人柄とは、このような行動に裏打ちされているのだろう。なかなかできることではないが、これが、彼の思想である「敬天愛人」なのだろう。
Posted by ブクログ
西郷さんが入水自殺をしようとしていたとは知らなんだ。
挫折の先にあった人生は凄みを感じる。
一度死を覚悟した人間は死を恐れず、また生きていることに
感謝して日々、一時一刻の大切さをわかっている。
これは大病をわずらった人も同じ。
薩長同盟もまさにそのあらわれ。
やることは決まっている、それをどう実現するか。
西郷さんがいまでも日本人に好かれるのは人間臭いから。
えらくなってもスパッとやめてしまうし、いく必要ないのに
西南戦争に参戦。
自分の愛する鹿児島の武士のために死ぬ。
これ普通できねーぜ。
ひとのためにつくせるひとはそう多くない。
だから西郷さんは日本の誉れ。
西郷さんの生きた道。興味ありませんか?
人生の王道。
道はたくさんありますが正しい道、
人の道を歩みたいものです。
Posted by ブクログ
器の大きな人間・西郷南洲の思想に学びたい
かつて、とびきり美しく温かい心をもった、ひとりの上質な日本人がいた。魂を揺さぶる西郷の思想と行動を、混迷の時代に蘇らせた渾身の1冊。西郷の「遺訓」をもとに、経営者としての経験から、また一人の人間として、七五年間の人生から、著者が学んだことを伝える。
西郷隆盛は、鹿児島の英雄です。鹿児島では南洲翁と呼ばれていて、著者である稲盛和夫は彼の思想と行動に共感し、「南洲翁遺訓」を座右の書としているそうです。その著者が、自己の体験と併せて西郷の遺訓を紹介したのがこの本です。
それぞれの遺訓は、明治維新の頃の新しい政治体制の組織や人がどうあるべきかを示したものですが、これは現代の会社や政治にも通用する内容です。
私の好きな文は以下の内容です。
「遺訓二十七条*過ちを改むるに、自ら過ったとさえ思い付かば、それにて善し。その事をば棄て顧みず、直ちに一歩踏み出すべし。過ちを悔しく思い、取繕わんとて心配するは、たとえば茶碗を割り、その欠けを集め合わせ見るも同じにて、詮もなきこと也」
テレビで議論するばかりで、実態は志の低い政治家たちに一度この本を読んでほしいと思います。
Posted by ブクログ
■概要
日航再建で最近話題の稲盛さんが、座右の書である、「南洲翁遺訓」を元にリーダーとしての生き方、在り方について書いた本。
南洲翁とは西郷隆盛のことです。
■仕事に活かせる点
冒頭からシビレマシタ。
『かつて日本の社会のいたるところに、上質な日本人がいました。
たとえ経済的に豊かではなくても高邁に振舞い、上に媚びず下には謙虚に接し、自己主張することも無く、他に善かれかしと思いやる-そんな美徳を持った日本人がたくさんいました。
また、そのような人々によって構成されていた集団も、自らが高い品格を備えていました。
ものづくりの現場には、自分がつくった製品でお客様に喜んでもらえることを誇りに思い、品質管理を強制されずとも、自分が手がけた製品の品質や出来映えに、万全の注意と細心の心配りを払い、手の切れるような上質の製品をつくる人々が存在しました。
それは製品を売る店頭でも同様でした。駆け出しの店員であろうと、一生懸命にお客様の身になって尽くしました。その上質のサービスも、決して上司に言われたからではなく、また、マニュアルに書いてあるからでもなく、もちろん売らんがためでもなく、思いやりに満ちたやさしい心から自然に発露してくるものでした。』
上質な日本人。
自分は上質な日本人でしょうか?
我々は上質な日本人の集団でしょうか?
稲盛さんの本を読んでいると、日本語の使い方が上手いな、と思うことがあります。
ここで「上質な日本人」という表現も、伝えたいことを端的に言い表している気がします。
また、稲盛さんの本を読むと、「正しい」ということの大切さが伝わってきます。人として正しい行い、正しい考え方、正しい経営。
自分がどのようにあるべきか、どのように考えるべきか、そんなことを考えさせる一冊です。
リーダーシップ開発の本としても最適です。一読を。(はっせー)
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ビジネス・実用
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