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Posted by ブクログ
『やっと二人っきりになれたと思ったら、あたし一人きりなんだもの。』
泣いた。
解説を読むまで、本作品は全くのフィクションだと思っておりました。阿部定事件も、評伝小説という言葉も知らず、知識がないため、すべて創り物だと思いながら読んでいました。実際の事件を小説としているのですね、、たまげた。すごい作品に出会ってしまった。
上巻に続き、わからない読めない言葉がたくさんありました。勉強になります。
純愛です。ほんとに。
この猟奇殺人の事件について、予備知識もなにもない私には、まっすぐな恋愛小説のように感じました。
彼女が望んだのはずっと二人キリでいられること。
叶えられない現実に、より彼の沼に溺れ狂わされてしまう。
ただ、二人キリ、それを願って、
気づけば、彼のいない、二度と彼に会うことのできないたった一人キリの人生に。
2026.9.5-2026.9.8
Posted by ブクログ
二人キリ
このタイトルに惹かれていました。
カタカナの“キリ”なぜか より孤独感を表すなと思っていました。
そして、それが 阿部定が殺人後に記した言葉と知りました。
お定サンは生まれたところが違えば、全く違った人生だっただろうか?
主となる語り部にとても工夫があり、事実と証言と創作を象徴する存在と思います。
各章は、その語り部と 残されている証言、お定さんの語りという綿密で濃厚な構成です。
時々 出会う違った人からの視点を重ねてその人を見つめ直すといった趣向でしょうか。
村山さんの熱量というか、お定さんを書き切ろうという意欲に圧倒される大作でした。
ただ、正直に言えば、私自身は阿部定という人物への関心がそれほど強くなく、綿密に積み重ねられる証言や背景描写に、読むことに少し息切れしてしまう部分もありました。
それでも、事件だけで消費されてきた女性を、時代背景とともにひとりの人間として描こうとした村山由佳さんの執念は素晴らしい。
阿部定という人物や、この事件に強い関心を持つ方には、読み応えのある作品だと思います。
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