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Posted by ブクログ
真夜中の国へマロースカを探しに行ったワーシャが、勝手に熊を解き放ったんだから責任をとってもらうという態度で、こいつこの恩知らずがと思いながら読んだが、記憶を失ったマロースカとのやりとりと、暑さで弱体化しながらもワーシャのそばを離れないマロースカがいじらしくて良かった。
作者は史実に基づいたタタール人との戦いをやりたかったようだが、それをやるために、メドベードとマロースカの確執が軽く流されていて残念。ワーシャに人生狂わされたコンスタンチンも、悪意なく混沌を招くメドベードも宿敵という感じがなく、かと言ってタタール人との戦いにワーシャが首を突っ込む必要性も感じられず、勝利できて良かったねと思えなかった。
強引なところもあったが、すべて丸く収った結末は良い。ワーシャの勇気の物語だったが、その勇気が身勝手に思えることが多く、けなげにワーシャに尽くし、オリガやサーシャにチクチク言われるマロースカさんに同情した。ソロヴェイの代わりに相棒になったパジャールが気難しくて可愛い。父と乳母のことは思い出さないのに、ソロヴェイのことはやたら引きずるなと思ったら、ラストにサプライズがあって良かった。
「あらすじ覚え書き」※ネタバレあり
コンスタンチンによって火炙りにされかけたワーシャは、祖母の妹でありオリガの侍女であるワルワーラにより真夜中の国へ逃がされる。マロースカはメドベードを解放し、ワーシャを助けることと引き換えに過去の時代に囚われ、真夜中の国でマロースカを見つけたワーシャは、彼を愛していることにようやく気づく。タタール人の軍勢がルーシにせまり、ワーシャはルーシすべての民が団結しなければならないと進言し、モスクワ大公と教会にチョルト達への信仰を咎めないと約束させる。メドベードをしもべにし、生と死、夏と冬をしたがえたワーシャはチョルト達とともに戦い、タタール人の軍勢に勝利する。
Posted by ブクログ
第3部 〈完結編〉
堕ちた神父に煽動された暴徒たちによって愛馬を殺され、魔女として捕らえられて火刑に処される寸前でかろうじて異界へ逃れる…と、初っ端からまたしても満身創痍すぎるワーシャ。あまりにも強大で邪悪な敵に対し、17歳の少女がたった1人でどうやって立ち向かえばよいのか(やめておけばいいのに、なぜ何度もわざわざ危険な目に遭うのか…)。 孤立無援の苦しい旅の中で、初めて現れた小さな仲間(キノコの精)や馬たちとの交流が微笑ましい。そして、再会した冬の王とのロマンスも。。
クライマックスは、ルーシの諸公国が結束して敵国タタールの襲来を打ち破ったクリコヴォの戦いという史実に基づいているが、ワーシャはロシアの土着の精霊(チョルト)たちに呼びかけ共に戦うことで見事勝利に導く、というエンディング。 ふと、今のルーシ(ウクライナを含むロシア)で同じ民族で殺し合っているのを、チョルトたちはどんなに嘆いているだろうと思った。『神などいない —— あるのは信仰だけ』という悪霊の台詞に納得。
誤訳なのか原文のミスなのか、文中に語句の重複があったり、人名の入れ違いのために話の辻褄が合わない箇所がいくつか見受けられたのは残念だったが、トントン拍子に刊行してくれて有難かった。
壮大なファンタジーがあっという間に完結してしまって寂しくもあり、ワーシャと冬の王の後日譚や姪のマーシャを主人公にした続編が出たらいいな。実はバーバ•ヤガーと海の王(⁉︎)の血をひいてたというのも唐突だったので、そのあたりのルーツも気になるところ。
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